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1 私は地味な子爵令嬢
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「クリスティア・ノッカー!お前のような地味な女はもう飽きた!婚約破棄させて貰う!」
「はぁ……」
私達が2年間通った卒業パーティーで、私の婚約者であったレオナルド・カーター侯爵子息に壇上から高々と宣言されました。何故このタイミングか、さっぱり分かりません。
ざわざわとパーティーに出席している同学年生、手伝いや、伝手で出席している下の学年の生徒達からざわめきが起こります。
「とうとう言われやがったぜ! あの地味女!」
「ふふ、仕方がないですわよね、あの見た目じゃ」
そう、冷ややかな声。私は目立たない茶色の髪をしている。それを三つ編みのお下げに結い、厚い視線を通さないようなメガネをかけています。
だって楽なんですもの。
ついでに言うとお友達は多くありませんでしたが、付き合いのある方は数人いるので決して独りぼっちではありません。
「そしてこのルリアラ・ゼフ子爵家令嬢と新たに婚約を結ぶものである!」
あらぁそうなんですか。
「恥ずかしいですわ、レオナルド様。こんな大声で」
レオナルド様にしなだれかかり、大きく胸元の開いたドレスで擦り寄るルリアラはやはり一番爵位が高いレオナルド様を選んだのね。
「あの遊び女はやはりそう来ましたか」
「クリスティア様、おかわいそうに」
同情的な意見が増えました。特に女生徒から。だってルリアラは見ていても不快だったもの。
1年の途中から転入してきたルリアラは、隣の席の男子を手始めに、子息達を誘惑しまくりました。去年卒業した王太子を始め、高位の貴族には全員声をかけたんじゃないかな?
「クリスティア、大丈夫ですか?」
「あ、セリス様。ありがとうございます」
私に声をかけてくださったのは、王太子の婚約者セリス侯爵令嬢。この方は去年ルリアラから酷い嫌がらせを受け続けた人です。
あまりにひどくて心配になりましたが、王太子はルリアラを完全に切り、セリス様を庇い、信じて愛されました。
この国の将来は悪くないと思うけど、そんな高位貴族の中で私の婚約者様は……。
しかし、私は確認しなくてはなりません。あの契約、覚えておいでですよね?
「レオナルド様、婚約は我が家とカーター家で結ばれた物。我が家では了承しておりませんし、カーター家では……」
「ははは! 我が家は問題ないよ! 姉さん!」
レオナルド様と、ルリアラを背にトラの威を借るように現れたのは、私の一つ下の腹違いの弟、フィリップでした。
「姉さんみたいなブスと結婚するより、ルリアラみたいな可愛い子と結ばれた方がレオナルド様も幸せだろう?! ノッカー家の方は僕が説得しておくから、姉さんはどこへなりとも消えると良いさ! はははは!」
私はため息をつくしかありません。フィリップは第二夫人の子供。私は第一夫人の子なのですが、私のお母様が早くに亡くなってから、やりたい放題。
お父様も頼りになりませんし、あの物言い。この先大丈夫なのでしょうか?
「分かりました。それでは手続きは後ほど。レオナルド様、それなりにお慕いしておりましたが、私もとても傷つきました。お覚悟はよろしいですね?」
まぁ! と小さくセリス様が呟きます。
「覚悟? ははは! なんでも好きな事をしてくるがいい! 地味な子爵家の娘に何が出来る!」
言いましたね?
「やーん! 怖いですわぁ! ルリアラを守ってくださいぃー」
「大丈夫だよ、ルリアラ! こっちへおいで」
壇上では抱き合う2人。美しい? いいえはしたないです。
「クリスティア嬢、本当にやるんだな?」
「クリスティア、私も一枚噛ませてよ!」
数少ない友人は暖かい声をかけてくださいます。
さあ、全てむしり取ってやりましてよ?
「はぁ……」
私達が2年間通った卒業パーティーで、私の婚約者であったレオナルド・カーター侯爵子息に壇上から高々と宣言されました。何故このタイミングか、さっぱり分かりません。
ざわざわとパーティーに出席している同学年生、手伝いや、伝手で出席している下の学年の生徒達からざわめきが起こります。
「とうとう言われやがったぜ! あの地味女!」
「ふふ、仕方がないですわよね、あの見た目じゃ」
そう、冷ややかな声。私は目立たない茶色の髪をしている。それを三つ編みのお下げに結い、厚い視線を通さないようなメガネをかけています。
だって楽なんですもの。
ついでに言うとお友達は多くありませんでしたが、付き合いのある方は数人いるので決して独りぼっちではありません。
「そしてこのルリアラ・ゼフ子爵家令嬢と新たに婚約を結ぶものである!」
あらぁそうなんですか。
「恥ずかしいですわ、レオナルド様。こんな大声で」
レオナルド様にしなだれかかり、大きく胸元の開いたドレスで擦り寄るルリアラはやはり一番爵位が高いレオナルド様を選んだのね。
「あの遊び女はやはりそう来ましたか」
「クリスティア様、おかわいそうに」
同情的な意見が増えました。特に女生徒から。だってルリアラは見ていても不快だったもの。
1年の途中から転入してきたルリアラは、隣の席の男子を手始めに、子息達を誘惑しまくりました。去年卒業した王太子を始め、高位の貴族には全員声をかけたんじゃないかな?
「クリスティア、大丈夫ですか?」
「あ、セリス様。ありがとうございます」
私に声をかけてくださったのは、王太子の婚約者セリス侯爵令嬢。この方は去年ルリアラから酷い嫌がらせを受け続けた人です。
あまりにひどくて心配になりましたが、王太子はルリアラを完全に切り、セリス様を庇い、信じて愛されました。
この国の将来は悪くないと思うけど、そんな高位貴族の中で私の婚約者様は……。
しかし、私は確認しなくてはなりません。あの契約、覚えておいでですよね?
「レオナルド様、婚約は我が家とカーター家で結ばれた物。我が家では了承しておりませんし、カーター家では……」
「ははは! 我が家は問題ないよ! 姉さん!」
レオナルド様と、ルリアラを背にトラの威を借るように現れたのは、私の一つ下の腹違いの弟、フィリップでした。
「姉さんみたいなブスと結婚するより、ルリアラみたいな可愛い子と結ばれた方がレオナルド様も幸せだろう?! ノッカー家の方は僕が説得しておくから、姉さんはどこへなりとも消えると良いさ! はははは!」
私はため息をつくしかありません。フィリップは第二夫人の子供。私は第一夫人の子なのですが、私のお母様が早くに亡くなってから、やりたい放題。
お父様も頼りになりませんし、あの物言い。この先大丈夫なのでしょうか?
「分かりました。それでは手続きは後ほど。レオナルド様、それなりにお慕いしておりましたが、私もとても傷つきました。お覚悟はよろしいですね?」
まぁ! と小さくセリス様が呟きます。
「覚悟? ははは! なんでも好きな事をしてくるがいい! 地味な子爵家の娘に何が出来る!」
言いましたね?
「やーん! 怖いですわぁ! ルリアラを守ってくださいぃー」
「大丈夫だよ、ルリアラ! こっちへおいで」
壇上では抱き合う2人。美しい? いいえはしたないです。
「クリスティア嬢、本当にやるんだな?」
「クリスティア、私も一枚噛ませてよ!」
数少ない友人は暖かい声をかけてくださいます。
さあ、全てむしり取ってやりましてよ?
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