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2 家からも追い出され、私が向かう先は
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流石にパーティーは途中で早退し、家に帰るとメイドのイリスがパタパタと走ってきます。
「クリスティア様? お帰りが早すぎでは?!」
「私、婚約破棄されてしまったわ。お父様は御在宅かしら?」
「なんですって……っ! 旦那様は部屋におられます」
メイドに案内されて部屋へ向かうと、ちょうどお父様とお義母様が立っていた。ことのあらましを二人に伝えるとお父様は怒り、お義母様は鼻で笑った。
「婚約破棄だと?クリスティア!」
「あらあら……やはり少し華やかさが足りないといつも言っていたでしょう?」
はぁ、やっぱりですね。想像通りの二人の態度に心の中でため息をつかせて貰った。これで何の未練もなくこの家から離れることができる。まだまだ続きそうな二人の小言を無視して部屋を出ると、廊下に案内してくれたメイドが待っていてくれた。
「イリス、家を出ます。荷物と書類の整理をお願いします」
「お嬢様、やっと決心なさいましたか! 良かったですわ! 急いで手配します」
私は自分の部屋に行き、少ない手荷物を纏めます。生まれ育った家だから、家族だから、そう思っていたけれどやはりこうなってしまいました。死んでしまったお母様、もう良いですよね?
それにしてもお母様はお父様の事を愛していらっしゃったらしいけど、どこが気に入ったのか私には全然わかりません。しかもお母様の方から頼み込んで子爵家に来たのだとか。お母様申し訳ありませんが、見る目がなかったのではないでしょうか……?
小さな姿絵をカバンに詰めて持ち上げます。もうこうなっては長居は必要ありません。
「お父様、お義母様。お世話になりました。もうこの家に戻る事はないでしょうが、お達者で」
すっかり用意を終えて、最後の挨拶に伺うと、お父様は立ち上がって青い顔をなさいましたが、お義母様は
「あらあら、行くあてなどあるのですかぁ? やっぱり、と言って戻って来ても居場所などありませんわよ?」
と、高笑いをしますが、余計な心配です。
「では」
優雅に礼をし、メイド達に声をかけます。
「おじさまにはお伝え下さったわよね?」
「はい、お嬢様。首を長くしてお待ちでございます」
「分かったわ」
このノッカー子爵家にいたメイドは4人。子爵家に雇われているネーネを残して、3人は私と共に家の前に着いている馬車に乗り込みます。
「へ? あれ? 皆どこ行くの?? 私も行きたいわ」
事情が分かっていない顔で私たちを見ていたネーネが付いてくるのは止めさせた。
「じゃあね、ネーネ。あなたは私の物を盗んだり、壊したり酷いメイドだったけど。他の3人が助けてくれたからなんとかなったわ」
「え? 知ってたの?!」
「気づかない方がおかしいわ。まああの人達と仲良くやりなさい。お給料は貰えるか知らないけどね」
「どういうこと? きゃっ!」
ネーネはまだ聞きたそうだったけど、教えてやる義理もありません。もうノッカー家がどうなっても私には関係ないわ。
「それでも少し気落ちはしますわね」
「お嬢様は良く頑張られましたわ!今日からはルーザ家でごゆるりとお過ごしくださいませ」
「ふふ、そうね。そうさせて貰おうかしら?」
馬車は走り、大きなお屋敷の前で止まります。
「クリスティアちゃん!」
中から、ライラおばさまが走り出しそうな勢いでやって来た。
「ライラ様」
ゆっくり馬車を降りて、挨拶をしようとすると、ばっと抱きつかれてしまいました。
「聞いたわ! 私の可愛いクリスティアちゃん、酷い目にあったのね? 可哀想に!」
「ふふ、それがそうでもないのですよ。お話を聞いていただけますか?」
まだ小さな子供のように私の事を撫で撫でするライラ様は、本当に私の事を可愛がってくださる。おじさまもおばさまも私に甘すぎるから、頼ってしまう。
「ええ、ええ! 聞かせて頂戴。そして、こんな時になんなのだけどあの話、進めて良いのね?」
「勿論ですわ。あ、おじさまとおばさまがまだ私の事を嫌いではなければ……」
まあ! ライラおばさまは驚いて飛び上がりそうだった。
「嫌いな訳ないわ、もう! 早速書類をだしてしまいましょう! 今日からおばさまはなしよ?」
にっこり笑うお顔はとても可愛らしい方だ。
「ええ、もちろんですわ、ライラお母様
」
「きゃぁ! 嬉しいわ、クリスティア……ううん、クリス」
私はノッカー家を出てルーザ家の養女になりました。
「クリスティア! 良く来てくれた!」
「おじさま、いいえお父様。今日からよろしくお願いします」
「堅苦しい挨拶は良いんだよ!」
新しくお父様になったジュディアスおじさまは亡くなったお母様の弟です。元おじさま、現お父様とライラお母様は愛し合って結婚した珍しい貴族夫婦ですが、残念ながら子供には恵まれ無かったのです。
その代わりに私をとても可愛がってくださって、ノッカー家で冷遇されているのに心をいためてくださったのでした。
今日一緒に来たイリスと他2名のメイドもこちらのルーザ家のメイドで、お給料もルーザ家で払っていたのですが、そのことにノッカー家は気づいていたのでしょうか?
気づいてませんね、きっと。だってあの家をやりくりしていたのは私ですものね。
常にぼんやりして「ああ」か「うん」しか言わないお父様。子爵夫人に似つかわしくない浪費家のお義母様。私を地味だと馬鹿にし続ける弟。
元婚約者様と一緒に、ポイ!ですわ!そして実子が授からなかったジュディアスおじさまとライラおばさまが養子に迎えたこの方……。
「それで、私との話ももちろん進めて良いのだろう? クリスティア」
「アルフォート様……」
「婚約者も持たずに待ったのだから、ね?」
「え、あ、はい……」
やだわ! わたしったら。こう言う時は捨てたお父様と一緒でモゴモゴとしてしまって恥ずかしい! でも優しいアルフォート様の微笑が素敵すぎるのがいけないんですわ!
「クリスティア様? お帰りが早すぎでは?!」
「私、婚約破棄されてしまったわ。お父様は御在宅かしら?」
「なんですって……っ! 旦那様は部屋におられます」
メイドに案内されて部屋へ向かうと、ちょうどお父様とお義母様が立っていた。ことのあらましを二人に伝えるとお父様は怒り、お義母様は鼻で笑った。
「婚約破棄だと?クリスティア!」
「あらあら……やはり少し華やかさが足りないといつも言っていたでしょう?」
はぁ、やっぱりですね。想像通りの二人の態度に心の中でため息をつかせて貰った。これで何の未練もなくこの家から離れることができる。まだまだ続きそうな二人の小言を無視して部屋を出ると、廊下に案内してくれたメイドが待っていてくれた。
「イリス、家を出ます。荷物と書類の整理をお願いします」
「お嬢様、やっと決心なさいましたか! 良かったですわ! 急いで手配します」
私は自分の部屋に行き、少ない手荷物を纏めます。生まれ育った家だから、家族だから、そう思っていたけれどやはりこうなってしまいました。死んでしまったお母様、もう良いですよね?
それにしてもお母様はお父様の事を愛していらっしゃったらしいけど、どこが気に入ったのか私には全然わかりません。しかもお母様の方から頼み込んで子爵家に来たのだとか。お母様申し訳ありませんが、見る目がなかったのではないでしょうか……?
小さな姿絵をカバンに詰めて持ち上げます。もうこうなっては長居は必要ありません。
「お父様、お義母様。お世話になりました。もうこの家に戻る事はないでしょうが、お達者で」
すっかり用意を終えて、最後の挨拶に伺うと、お父様は立ち上がって青い顔をなさいましたが、お義母様は
「あらあら、行くあてなどあるのですかぁ? やっぱり、と言って戻って来ても居場所などありませんわよ?」
と、高笑いをしますが、余計な心配です。
「では」
優雅に礼をし、メイド達に声をかけます。
「おじさまにはお伝え下さったわよね?」
「はい、お嬢様。首を長くしてお待ちでございます」
「分かったわ」
このノッカー子爵家にいたメイドは4人。子爵家に雇われているネーネを残して、3人は私と共に家の前に着いている馬車に乗り込みます。
「へ? あれ? 皆どこ行くの?? 私も行きたいわ」
事情が分かっていない顔で私たちを見ていたネーネが付いてくるのは止めさせた。
「じゃあね、ネーネ。あなたは私の物を盗んだり、壊したり酷いメイドだったけど。他の3人が助けてくれたからなんとかなったわ」
「え? 知ってたの?!」
「気づかない方がおかしいわ。まああの人達と仲良くやりなさい。お給料は貰えるか知らないけどね」
「どういうこと? きゃっ!」
ネーネはまだ聞きたそうだったけど、教えてやる義理もありません。もうノッカー家がどうなっても私には関係ないわ。
「それでも少し気落ちはしますわね」
「お嬢様は良く頑張られましたわ!今日からはルーザ家でごゆるりとお過ごしくださいませ」
「ふふ、そうね。そうさせて貰おうかしら?」
馬車は走り、大きなお屋敷の前で止まります。
「クリスティアちゃん!」
中から、ライラおばさまが走り出しそうな勢いでやって来た。
「ライラ様」
ゆっくり馬車を降りて、挨拶をしようとすると、ばっと抱きつかれてしまいました。
「聞いたわ! 私の可愛いクリスティアちゃん、酷い目にあったのね? 可哀想に!」
「ふふ、それがそうでもないのですよ。お話を聞いていただけますか?」
まだ小さな子供のように私の事を撫で撫でするライラ様は、本当に私の事を可愛がってくださる。おじさまもおばさまも私に甘すぎるから、頼ってしまう。
「ええ、ええ! 聞かせて頂戴。そして、こんな時になんなのだけどあの話、進めて良いのね?」
「勿論ですわ。あ、おじさまとおばさまがまだ私の事を嫌いではなければ……」
まあ! ライラおばさまは驚いて飛び上がりそうだった。
「嫌いな訳ないわ、もう! 早速書類をだしてしまいましょう! 今日からおばさまはなしよ?」
にっこり笑うお顔はとても可愛らしい方だ。
「ええ、もちろんですわ、ライラお母様
」
「きゃぁ! 嬉しいわ、クリスティア……ううん、クリス」
私はノッカー家を出てルーザ家の養女になりました。
「クリスティア! 良く来てくれた!」
「おじさま、いいえお父様。今日からよろしくお願いします」
「堅苦しい挨拶は良いんだよ!」
新しくお父様になったジュディアスおじさまは亡くなったお母様の弟です。元おじさま、現お父様とライラお母様は愛し合って結婚した珍しい貴族夫婦ですが、残念ながら子供には恵まれ無かったのです。
その代わりに私をとても可愛がってくださって、ノッカー家で冷遇されているのに心をいためてくださったのでした。
今日一緒に来たイリスと他2名のメイドもこちらのルーザ家のメイドで、お給料もルーザ家で払っていたのですが、そのことにノッカー家は気づいていたのでしょうか?
気づいてませんね、きっと。だってあの家をやりくりしていたのは私ですものね。
常にぼんやりして「ああ」か「うん」しか言わないお父様。子爵夫人に似つかわしくない浪費家のお義母様。私を地味だと馬鹿にし続ける弟。
元婚約者様と一緒に、ポイ!ですわ!そして実子が授からなかったジュディアスおじさまとライラおばさまが養子に迎えたこの方……。
「それで、私との話ももちろん進めて良いのだろう? クリスティア」
「アルフォート様……」
「婚約者も持たずに待ったのだから、ね?」
「え、あ、はい……」
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