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45 祝福された婚約だから
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「良かったですね、セラフィーナさん」
「あ、ありがとうございます、セルジオ先生」
潔白が証明され、認められた私と私の周りは笑みを浮かべ、バーグ伯爵側は怒りに満ちた。ジュリアナも小声で何か呟きながら私を睨みつけている。そんな中、バーグ伯爵を押しのけて前へ出てきたのはセネギー子爵だった。
「セ、セラフィーナが不義を犯していないというなら、我が息子との婚約も継続で宜しいですよ。ええ、仕方がないですけれどね、ジョゼ領を継ぐのはセラフィーナなりそうですしね」
手のひらを反すとはこの事だろう……。
「その話は必要ないですよ、セネギー子爵。セラフィーナとロシュア・セネギーとの婚約はあり得ない。書面でそう取り交わしたでしょう? この先、何があろうと二度と婚約はないと!」
「そ、それはセラフィーナが裏切ったからで……」
私が反論する前に伯父様がきっぱり言い切った。
「セラフィーナは裏切りなどしない。そんなセラフィーナを信じることもなく、真実も調べ終わらぬうちから罵倒し続ける人間の元へ可愛い姪を送り出す気になどなれるわけがない! お帰り願おう、セネギー子爵。そして二度とセラフィーナに関わるな。できることなら顔も見たくないものだな!」
「し、しかし……この年で婚約破棄なぞ、外聞が悪いではないか。それに嫁ぎ先などどうせないのだろう? ならば元の鞘に収まれば万事丸くなるというもの……」
「絶対にない!」
伯父様の啖呵は国王陛下の前だという事を忘れたように激しかった。
「結婚前から女性をああも見下す人間をどう信じようというのかね、吐き気がする。侮辱罪で訴えてもいいのだぞ? それに書面で交わしたはず、絶対にセラフィーナとの婚約はないと。お前が忘れても我々は忘れないし、書類もなくならん! まあそれにセラフィーナにはもう新しい婚約者がいる。何の心配もないぞ?」
「ま、まさか……さっきから隣にいるそいつがそうなのか……?」
「そうだとも! おっと、変な言いがかりはしなくていいぞ? きちんとロシュア・セネギーとの婚約を終わらせ、二度と関わらないという書類を書いてからの付き合いだ。もちろん、私や父上、そしてルンド子爵も了承の上、祝福しているぞ、この婚約は!」
「ぐ、ぐぬぬ……」
セネギー子爵は悔しそうに唇を噛みしめている……またロシュアと婚約をしなければならない事態が起こるかもしれないと、伯父様は予想済みだったんだ。そして私がロシュアと婚約破棄前にセルジオ先生と仲良くなったと言いがかりをつけられないように、完璧に整えてくださっていたんだ……。ああ、この方はなんて抜け目がないんだろう。見習わなければならないところだ。
「凄いね、モルガット子爵は……ああも隙のないことをしていたとは驚いたよ」
「私も驚きました……怒るだけじゃなくて、冷静に周りを判断して、先回りする。私も上手にできるでしょうか?」
「最高の見本が優しく手ほどきしてくれるんだ、大丈夫だよ」
「そうですね、頑張ります」
伯父様という盾の後ろでセルジオ先生と笑い合ってしまった。盾になって守ってくれる父親の背中というものはこんなに頼もしくてこんなに広いものだと私は初めて知った。前世でも父を知らず、この世界でも小さいうちに亡くなってしまった背中を今やっと見ることができた……私は幸せ者だ。
「あ、ありがとうございます、セルジオ先生」
潔白が証明され、認められた私と私の周りは笑みを浮かべ、バーグ伯爵側は怒りに満ちた。ジュリアナも小声で何か呟きながら私を睨みつけている。そんな中、バーグ伯爵を押しのけて前へ出てきたのはセネギー子爵だった。
「セ、セラフィーナが不義を犯していないというなら、我が息子との婚約も継続で宜しいですよ。ええ、仕方がないですけれどね、ジョゼ領を継ぐのはセラフィーナなりそうですしね」
手のひらを反すとはこの事だろう……。
「その話は必要ないですよ、セネギー子爵。セラフィーナとロシュア・セネギーとの婚約はあり得ない。書面でそう取り交わしたでしょう? この先、何があろうと二度と婚約はないと!」
「そ、それはセラフィーナが裏切ったからで……」
私が反論する前に伯父様がきっぱり言い切った。
「セラフィーナは裏切りなどしない。そんなセラフィーナを信じることもなく、真実も調べ終わらぬうちから罵倒し続ける人間の元へ可愛い姪を送り出す気になどなれるわけがない! お帰り願おう、セネギー子爵。そして二度とセラフィーナに関わるな。できることなら顔も見たくないものだな!」
「し、しかし……この年で婚約破棄なぞ、外聞が悪いではないか。それに嫁ぎ先などどうせないのだろう? ならば元の鞘に収まれば万事丸くなるというもの……」
「絶対にない!」
伯父様の啖呵は国王陛下の前だという事を忘れたように激しかった。
「結婚前から女性をああも見下す人間をどう信じようというのかね、吐き気がする。侮辱罪で訴えてもいいのだぞ? それに書面で交わしたはず、絶対にセラフィーナとの婚約はないと。お前が忘れても我々は忘れないし、書類もなくならん! まあそれにセラフィーナにはもう新しい婚約者がいる。何の心配もないぞ?」
「ま、まさか……さっきから隣にいるそいつがそうなのか……?」
「そうだとも! おっと、変な言いがかりはしなくていいぞ? きちんとロシュア・セネギーとの婚約を終わらせ、二度と関わらないという書類を書いてからの付き合いだ。もちろん、私や父上、そしてルンド子爵も了承の上、祝福しているぞ、この婚約は!」
「ぐ、ぐぬぬ……」
セネギー子爵は悔しそうに唇を噛みしめている……またロシュアと婚約をしなければならない事態が起こるかもしれないと、伯父様は予想済みだったんだ。そして私がロシュアと婚約破棄前にセルジオ先生と仲良くなったと言いがかりをつけられないように、完璧に整えてくださっていたんだ……。ああ、この方はなんて抜け目がないんだろう。見習わなければならないところだ。
「凄いね、モルガット子爵は……ああも隙のないことをしていたとは驚いたよ」
「私も驚きました……怒るだけじゃなくて、冷静に周りを判断して、先回りする。私も上手にできるでしょうか?」
「最高の見本が優しく手ほどきしてくれるんだ、大丈夫だよ」
「そうですね、頑張ります」
伯父様という盾の後ろでセルジオ先生と笑い合ってしまった。盾になって守ってくれる父親の背中というものはこんなに頼もしくてこんなに広いものだと私は初めて知った。前世でも父を知らず、この世界でも小さいうちに亡くなってしまった背中を今やっと見ることができた……私は幸せ者だ。
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