【完結】生き残りたい俺は死者と語る。

鏑木 うりこ

文字の大きさ
36 / 85

36 運命の縛鎖

しおりを挟む
 王様の愕然とした顔!最後に怒りと絶望と嫌悪に震えた顔!最高に良い顔だったね!

「あれくらいの絶望を胸に上がって貰わなきゃ、贖罪にならないよね。いやぁ流石イアン様!よっ!この変態っ」

「ナナ、私は貴方の首を絞めたい。この想い、墓の下まで持っていくつもりだったのに」

「ごめんね?墓の下からガンガン掘り起こす系で?」

 静かに怒っているイアン様こわーい!だってさーそうでもしなきゃ無理だったんだもーん。王様は生まれ変わる。きっと貧乏貴族の三男とかに。そして司書になるだろう。
 でも、心の底にずっと恐怖を抱えたまま。多分、人を上手に愛す事ができない。愛が怖い、そんな人生。超可哀想。そんでね?

「どうします?こっち端、受け取ります??」

 そう、細くて黒い運命の鎖の先。

「魂の縛鎖、「運命の番」この鎖で繋がれた二人は運命の番になりますよ?」

 イアン様は俺の首を絞めようとした手を引っ込めた。

「欲しい」

「んじゃ、もっと仕事してくださいね!ポイントが足りません」

「呪いなんだろう?人生におけるマイナスになるんだろう?なのに何故」

 いや、そんな事ないでしょ?

「イアン様には祝福じゃないですか!王様には呪いでもね!そう言うもんですよ~」

「……よく出来ている」

「神様が考えましたので」

 そして、イアン様は左手に鎖を巻きつけた。

「今世でいっぱい仕事してポイント貯めて、早く死んだ方が良いですよ!遅れればその分歳の差が開くし、縛鎖が細くなりますから」

「切れるのか?」

 俺は首を振る。

「糸みたいにしてなっても切れません。ただ、魂の恐怖が薄くなるので、見ていてあまり楽しくないそうです。好きでもない男に追いかけられている恐怖を感じながら生活して欲しいですからね!」

「好きでもないと言い切るか。お前は悪魔か?」

「いいえ?死体漁りですけど?」

 罪は還る、自業自得なのだ。

「あ!後、抜き取った王様のパーツ。持っていきますよね?」

「勿論だ。これは私の物、誰にも渡さない」

 イアン様のブレない変態振りに目頭が熱くなる。

「よっ!この変態宰相!」

「やはり首を絞めようか?オーグを縊り殺した同じ方法で」

 きゃー!やり過ぎたー!イアン様はまだ生きてるんだったー!

 俺は土下座で許して貰った。

しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後

結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。 ※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。 全5話完結。予約更新します。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

処理中です...