【完結】生き残りたい俺は死者と語る。

鏑木 うりこ

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65 我らが王に忠誠を

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 我らが王に忠誠を!

「やめてよ~王様とか俺がなれるわけないじゃん」

「なれるよ。王様なんて所詮飾りさ。結局は下につく奴らが大体の政治を操る。ま、何か責任を取らせられるときだけ担ぎ出されるのが王っていう存在だよ」

 俺は、死者たちに返事をしたんだけど、フォーリが返事をくれた。あ、しまったなあフォーリに死者の声は聞こえないんだから気を付けなくちゃ。

ほっほ、政治なら任せろ。なにおう?お前の1000年前のカビの生えた政策など要らんわ!殺されてからまだ50年のこのワシが!いやいやお前の謀略を見事に切り抜けその後10年は生きた私に任せたたまえ!お前らのようなひよっこでなにが出来る!この2000年間自我を保ち続けたワシこそが相応しい!

 ま、まずい。宰相という地位にいた人たちが100人単位でごちゃごちゃ怒鳴り合っている。う、うるさいよう……。

 それならば王の心得とは何かという事を教えてやらねばな。王は後宮でイチャイチャして出された紙にサインしてればよいのじゃ。夜会で笑っとる仕事もあるぞ。

 王様も何人もいる……アリディス王ほど古い魂の王様は居なかったけど、未練がある人も多いんだなあ。

 だまらっしゃい!このボンクラ!そんなんだから毒殺されてしまうのよ!そのあおりでこっちも死を賜るとかたまったもんじゃないわ!そうよそうよ!タネナシのくせに!

「うう……フォーリ。俺、頭が痛くなってきた……ちょっと休みたい」

「移動してきてそのまんまだもんな。疲れてるよな……ま、いろんな話は後で良いだろう、休ませてくれよ」

 疲れって言うかうるさいだけなんだけどね。

「で、では王の間に……」

「いや、天使の間にして」

 あそこなら知り合いの亡霊達お姉様方がいるので少し静かにしてくれるはず。

「し、しかしあそこは……」

 お城の人が青い顔をしているけれど、この亡霊達の騒ぎはもう限界だよ!フォーリに抱きかかえられて、天使の間につくと中はボロボロに荒らされていた。

「ありゃ」

 フォーリも驚くほどだけれど、ここで戦闘があったとかそういうんじゃなくて、むしゃくしゃした誰かが八つ当たりに部屋を荒らしていった、そんな感じだ。
 アリディスが大切にしていた天使の大きな絵が特に酷くてナイフのようなものでギザギザに切り裂かれていた。

 ナナちゃん!無事だったのね!そして何よ、その動物。可愛いじゃない?尻尾が。

 お姉様方、お気をつけて!こいつの尻尾は危険ですよ!

「俺がナナちゃんを追っかけて隠し通路に入った時はこんなに荒れてなかったぞ?」

「何があったんだろう……」

 ベッドもボロボロで寝心地は悪そうだけれど、まあ大丈夫俺なら寝れる。
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