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64 帰城
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「俺はそんなの「ちょっと黙ってナナちゃん」」
フォーリが俺を止める。
「グレイデールの方はなんとなくわかるよ、ナナちゃんが唯一の男子だって言う事だし?残りのお姫様達がどう思ってるかは知らないけど。でもグレイアッシュはどうなの?あの時点でナナちゃんは「寵妃」であったけど、グレイアシュ王には正妃がいるよね?それに王太子も。そんなのを飛び越えてナナちゃんに全権を渡しちゃっていいの?」
「……王位継承の証たる宝冠の封印を解ける者は次期王のみですので」
「へえ!面白いね。行ってみる?グレイアッシュに」
「……あ!行きたい。お姉様方の安否を確認しなきゃ。死んでるけど」
「……ナナちゃん、何言ってるの?よくわかんねーけど、面白いから行ってみよっか」
グレイアッシュの城へ戻ると、雰囲気がガラリと変わっていた。
「ナナ様のご帰還、心よりお待ち申しておりました」
知らない人達が張り付けた笑顔で笑っている。
「嘘つきが嘘つき顔でなんか言ってるぞ、ナナちゃん」
「流石に俺でもそれくらい分かるよ、フォーリ」
貴族たちがヒクヒクと頬を震わせている。それでも俺を捕まえて無理やり宝冠とやらを持ち出させようとしない所を見ると、本当にその宝冠は大切な物らしい。
「グレイアッシュの全権を持つ者よ。王の証たる宝冠を持ち、王太子に捧げよ」
その中で言い切る女の人がいる。ああ、この人は正妃だ。なんて高圧的で顔が怖い人なんだろう。しかし、それより俺がどうにかしたいのは……この城の亡霊の皆さんだ……。
ナナが!ナナが王よ!とうとう私達のナナがこのグレイアッシュの王よ!そうね、ナナが王なら許してあげるわ。正妃……はちょっと無理ね、私達からだがないもの……ま、でも侍ってやって良いわよ?ふふふ。
多分俺しか分からないだろうけど、俺は今、お姉様方にものすごいくっ付かれている。なんていうか団子?団子かな?
「なあ、ナナ?グレイアッシュってこんなに寒い所だっけ?さっきから寒気が止まんねえんだけど」
隣のフォーリがガタガタ震えているけれど、それは怨霊の力ですよ。何せ数が数だけにそれが全部俺の味方になってくれたみたい。
まったくなんとひよっこすぎる小僧じゃわい、どれどれワシらがなんとかしてやらんとの。なんじゃ?お主500年振りに話を聞いてくれる子供を見つけて嬉しいのかあ?うるさい黙れ、ジジイ共は引っ込んでなさい!私が政治の何たるかを教えてさしあげいやいやわしが、わしじゃ私だ俺だし
亡霊たちの声がうるさすぎて、生きてる人間の話が聞こえにくいんだけど……。
「ねーナナちゃん。あのおばさん要らないよね?」
「え?何、なんか言った?フォーリ?うん?」
「だってさ、前王正妃様は必要ないのでお引き取りを。あと元王太子殿もご一緒にお帰り下さい。正妃様のご実家にお送りして差し上げな、この城の主はナナちゃんだ。あと後宮も解散、だよな?」
「え?よくわかんないけど良いよ」
あーあー!俺はたくさんの人の声を一瞬で聞き分けるなんてできねーから!
「な、なにをおっしゃられる!」
「いや、何をって普通だろう?まさか前の王様の奥さんと息子をそのまま王に据えるの?あり得ないよね?それに別の男が使った後宮をそのまま使うかあ?普通。ていうかさ、ナナちゃん虐められてたろ?なんで許してくれると思うの?意味わかんない。むしろさ、全員首を刎ねられないだけ超優しいって思うんだけどなあ。俺なら全員殺すね」
生きた人間たちの間には静けさが広がったが、俺は亡霊さん達の騒ぎのせいでよくわからなかった。
フォーリが俺を止める。
「グレイデールの方はなんとなくわかるよ、ナナちゃんが唯一の男子だって言う事だし?残りのお姫様達がどう思ってるかは知らないけど。でもグレイアッシュはどうなの?あの時点でナナちゃんは「寵妃」であったけど、グレイアシュ王には正妃がいるよね?それに王太子も。そんなのを飛び越えてナナちゃんに全権を渡しちゃっていいの?」
「……王位継承の証たる宝冠の封印を解ける者は次期王のみですので」
「へえ!面白いね。行ってみる?グレイアッシュに」
「……あ!行きたい。お姉様方の安否を確認しなきゃ。死んでるけど」
「……ナナちゃん、何言ってるの?よくわかんねーけど、面白いから行ってみよっか」
グレイアッシュの城へ戻ると、雰囲気がガラリと変わっていた。
「ナナ様のご帰還、心よりお待ち申しておりました」
知らない人達が張り付けた笑顔で笑っている。
「嘘つきが嘘つき顔でなんか言ってるぞ、ナナちゃん」
「流石に俺でもそれくらい分かるよ、フォーリ」
貴族たちがヒクヒクと頬を震わせている。それでも俺を捕まえて無理やり宝冠とやらを持ち出させようとしない所を見ると、本当にその宝冠は大切な物らしい。
「グレイアッシュの全権を持つ者よ。王の証たる宝冠を持ち、王太子に捧げよ」
その中で言い切る女の人がいる。ああ、この人は正妃だ。なんて高圧的で顔が怖い人なんだろう。しかし、それより俺がどうにかしたいのは……この城の亡霊の皆さんだ……。
ナナが!ナナが王よ!とうとう私達のナナがこのグレイアッシュの王よ!そうね、ナナが王なら許してあげるわ。正妃……はちょっと無理ね、私達からだがないもの……ま、でも侍ってやって良いわよ?ふふふ。
多分俺しか分からないだろうけど、俺は今、お姉様方にものすごいくっ付かれている。なんていうか団子?団子かな?
「なあ、ナナ?グレイアッシュってこんなに寒い所だっけ?さっきから寒気が止まんねえんだけど」
隣のフォーリがガタガタ震えているけれど、それは怨霊の力ですよ。何せ数が数だけにそれが全部俺の味方になってくれたみたい。
まったくなんとひよっこすぎる小僧じゃわい、どれどれワシらがなんとかしてやらんとの。なんじゃ?お主500年振りに話を聞いてくれる子供を見つけて嬉しいのかあ?うるさい黙れ、ジジイ共は引っ込んでなさい!私が政治の何たるかを教えてさしあげいやいやわしが、わしじゃ私だ俺だし
亡霊たちの声がうるさすぎて、生きてる人間の話が聞こえにくいんだけど……。
「ねーナナちゃん。あのおばさん要らないよね?」
「え?何、なんか言った?フォーリ?うん?」
「だってさ、前王正妃様は必要ないのでお引き取りを。あと元王太子殿もご一緒にお帰り下さい。正妃様のご実家にお送りして差し上げな、この城の主はナナちゃんだ。あと後宮も解散、だよな?」
「え?よくわかんないけど良いよ」
あーあー!俺はたくさんの人の声を一瞬で聞き分けるなんてできねーから!
「な、なにをおっしゃられる!」
「いや、何をって普通だろう?まさか前の王様の奥さんと息子をそのまま王に据えるの?あり得ないよね?それに別の男が使った後宮をそのまま使うかあ?普通。ていうかさ、ナナちゃん虐められてたろ?なんで許してくれると思うの?意味わかんない。むしろさ、全員首を刎ねられないだけ超優しいって思うんだけどなあ。俺なら全員殺すね」
生きた人間たちの間には静けさが広がったが、俺は亡霊さん達の騒ぎのせいでよくわからなかった。
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