【完結】アタシは恐怖の魅了使い!王子様を恐怖のずんどこに叩き込む為に転生したぞ!

鏑木 うりこ

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 やっぱり騎士さんの名前がリンツさんで、私の着替えを持ってきてくれた。

「お一人で領地に来られていましたからね!こちらの執事さんにうまい具合に話をつけておきました。あと他の騎士を首都の方におられる子爵に送っております」

「ハァ……ありがとうございます……?」

「荷物はメイドが詰めてくださいましたから、誓って私は中をみておりませんから!」

 どうしたのかしら、ぱんつをしまうところでも目撃したのかしら……。かなりの大きさの鞄を受け取ってため息をついた。

「足りないものは道々買うとしましょう。女性は何かと物入りですよね、突然だったので、女性の従者を連れてきておりませんから、誰かつくまで暫く察せないラグル様と一緒ですが必要なものはどんどんおっしゃってください。

 ラグル様のお小遣いで買ってきますから!」

「騎士さん……いいえ、リンツさんでしたね。ありがとうございます!いっぱい買い物してやります!」

「その意気です!ジュリエッタ様!」

 リンツさん、優しい!

「では買い物に行きたいのですが……」

「すいません、それは警護上ちょっとお待ちを」

 ちょっとおおお!?話が違うじゃない!



「ラグルさん、ラグルさん。一応私は嫁入り前の娘なんですよ、宿屋くらい別の部屋を取ってくれません?お金ないんですか?」

 なぜ、私はラグルさんと同じ部屋になってしまうのか?待って!ねえ待って!?おかしいでしょ!

「仕方ねーだろ!護衛が足りないんだから!お前、どっかの性悪じじいに攫われたいのか?あん!?」

「暫く誘拐はごめんですが!」

「じゃあ我慢しろ。突然襲い掛かったりしねーから」

「えー……」

 下位とは言え一応貴族の娘なんですが?男性と二人で一つの部屋に居るだけで良くない噂を立てられる、そんな貴族の世界に居る娘なんですが!?ちょっと、アウトですよ!アウト!!いくら婚約者でも、結婚前はダメなの、わかるー?わかってる~???

「怒ってもダメだからな!いいか、警備のしづらい民間の宿なんだ。いくら高い部屋をとっても抜け穴はあったりするし、警護対象がバラけているとそれはそれで厄介なんだ。我慢しろ」

「我慢というか……なんというか」

「駄目ったら駄目!」

 なんだこの石頭は!おでこにクルミでもぶつけて割ってやろうかしら!絶対こぶになるわよ!フン!

 ぷりぷりと怒りながら食べた夕食はまあまあ豪華だったけれど、味はよくわからなかった。部屋は一緒だが、私にベッドを譲って、ラグルさんは長椅子に横になっている。そこら辺の常識は一応あったんだ、良かった。

「なあジュリエッタ。今まで誰かに襲われたことある?」

「ありませんけど……?」

 貴族女性はあんまりあり得ることじゃないですよね、平民だってそうだと思いますよ?

「誰かに無理やり連れ去られそうになったら……お前、魅了の力で逃げられるか?相手をぱっと味方につけるんだ」

「やったこと……ありません」

 出来るでしょうか?短時間に高密度に魅了してしまうと、それこそ精神障害が出やすいもの。やったことがないわ。それどころか自分を好きになって貰いたくてこの力を使う事自体あまりないわ……。

「練習しておけ。相手を破壊しても自分が助かる方法を。そうしないとお前、いいように使われちまうぞ。一生な」

「どうして私なんかを?」

「アホな貴族の男がいるよしよう。まあ大体貴族なんてアホなんだがな。そいつが一方的に好きになった女を手に入れたい。勿論女はそのアホ男の事なんて眼中にもない。普通は告白したところで振られて終わりなんだが、お前がいたらどうなる?女はそのアホを好きにならされてしまうだろう」

「……人間に使うことを想定していませんでした」

 魅了は普通人間に使うんだがな!とラグルさんはまた大笑いする。うるさいわねえ!

「そのアホ貴族の男がただの貴族なら、そして女の方ももみ消せる程度の地位の女なら……だが、得てしてそういうとんでもない力を欲するのは、とんでもないアホであることが多い。東の帝国の皇帝とかな」

「えっと?ユーラオス帝国でしたっけ?」

 はて、私ってば勉強あまり好きではなかったのよね~ここから一つ二つ国を挟んだ東側にでっかい帝国があるくらいは知っていますけどね?

「ユーラオスのデュポン3世はハゲデブ好色の無能皇帝だ。小心者のクセに戦争ばかり起こしたがるここ等一体の鼻つまみ者だよ……なんであんな奴に権力やっちまったんだろうな」

「うわ……こわ」

「分かったな?ハゲデブの手先になりたくなかったら大人しくしてろ」

 とりあえず、私は了承してしょうがないから寝てしまう事にした。だ、男性と同じ部屋で!緊張して眠れない……なんてこともなくぐっすり寝ていたあたり、私も鈍感なのかもしれない。気づきたくなかった。

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