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11 そんな策略でもなー
しおりを挟む今日も忠臣と学校へ行き、クラスで揶揄われてる。放課後に担任に呼ばれた。
「北山。お前の大学なんだけど、本当に良いのか?」
「へ?推薦で結構良いとこに楽して行けるんでしょ?」
担任は「やっぱりその程度の認識かぁ」とがっかりしてから付け足した。
「あの大学は確かに良い大学だ。でもな?「つがい推奨」だ。分かるか?優秀なαとそのつがいのΩが通うんだよ。だから」
「あー……忠臣の策略ッスかぁ……」
そういえば俺の実力じゃ、推薦なんて取れる大学じゃないか。
「いや、それもあるが、αが多く通うんだ。「つがいナシのΩ」だと危ないんだよ。分かっているなら良いし、それに大河内がな……」
「そいや俺、忠臣から結婚しようって言われてんスわ」
「……まあ、その辺は当人同士で頼む」
「はあ、でも担任的にはどうなんですか?生徒が結婚とかー」
担任は眼鏡を上げながら「個人的意見だが」と言ってから口を開いた。
「早くつがいになっちまえ。大河内は俺でも怖い時がある。頼むから首輪は外すな、以上だ」
「ひゃい」
眼鏡がギラっと光ってたからあれはマジだ。少し考えますと職員室から出た。
うーん、忠臣以外と手広く策略してたんだな。全員知らなかった……のに、なんだろう。全然嫌な気がしなくてしょうがないなーと思うんだけど、どことなく嬉しいような気もしてる……俺、なんか変だな。
「あっれー北山が一人で歩いてるぅ、めっずらしー虎ガードどうしたよ」
「んあ?忠臣なら教室に……」
教室に戻る途中で隣のクラスの女子に声をかけられた。確か山猫のαだったとかそんな感じだったかな?名前はわかんねぇ。
「なー北山ぁ。大河内やめて、アタシと付き合わね?」
「へあ?」
ちょっと気が強そうだけど、結婚美人。日に焼けてて運動が得意そう。
「いーっつも大河内が後ろに引っ付いてるから声かけらんねーんだよね、北山ってさ。大河内、威嚇しすぎ笑うー」
ギャハハと笑う女子は楽しそうだけど、え?忠臣のせいで俺は女子に避けられてんの?
「薫」
「あれ?」
なんか山猫ちゃんの顔が強張ってる。そして俺を呼ぶ声。なんだろう、ちょっと安心してしまった自分に驚いた。
「うわ出た、大河内!冗談だってば、冗談!この辺で北山に手を出すαはいないっつーの、こわー!北山、冗談だからねっ!」
山猫ちゃんは走って行ってしまった……あれ?そいう事なん??
「忠臣ィ」
「ん」
「はぁ~忠臣だもんなぁ」
「ん?」
俺が前を歩いて後ろから忠臣がついて来る。そして学校から家まで一緒に帰る、そんな日常。
「サッカーチームは無理だと思う」
「……ものの、例え」
「バスケくらいなら」
「……」
「薫、結婚して」
「良いよ」
なんだかそれで良い気がして来たので思わず返事をしてしまったら、忠臣に小脇に抱えられて下校する羽目になった。
「父さん、母さん!薫が良いって言った! 」
「よくやったわぁ!忠臣」
「頑張ったな、忠臣!薫君ありがう!!」
大河内の家にはちょうど忠臣の両親が揃っていてめちゃくちゃ喜んでくれた。そしてそのままおれんちのに走って行って
「おじさん、おばさん!薫が結婚してくれるって!」
「そ、そうか。薫、良いんだな?」
「あー、うん……」
「あらあら、おめでたいわね。赤飯でも炊く?」
「えー……」
うちでも何やら大騒ぎになってしまった。でもこの間、俺はずっと忠臣の小脇に挟まれたままなんですけど。
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