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2 ワシの孫は悪役令息じゃった
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「火急の用とお聞きしましたが何事でしょうか、お祖父様」
ダグラスの自室で腰を揉みながら今後の方針をまとめていると、ノックとともにカレリオ・バンドールが入ってきた。この国では15歳から学園に入るのでカレリオは15歳である、可愛い。誕生日は夏くらいだっけ?その頃には16歳になるだろう可愛い。
銀色の髪に冷たいアイスブルーの瞳。色合いはダグラスも似ていて、ダグラスの方が目の色が紫がかっているけれど、この孫を気に入っている……癖にあんまり可愛がっていない。
なんでか分からん。ちょっと吊り上がった目も悪役っぽくてとてもいい。可愛い、大事な事だからもう一回言う、可愛い。目の中に入れたいくらい可愛い。
可愛いオーラが出まくっている。生カレリオはやっぱり破壊力が違う、可愛い。顔小さい、髪の毛さらさら可愛い。
でも、ワシは聞かなくてはならない。
「カレリオ、学園の生活はどうだ?」
「恙無く、勉学に励んでおります」
嘘だー。「ねこ☆てん」では異世界から神子がやってきて入学したはずだ。そして王太子とイチャイチャし始めた頃だ。
最初は無視していたカレリオだが、まずはやんわり注意をした。それを
「カレリオ様が……ううっ……」
と、神子は王太子に泣きつき、最初の叱責があった頃だろう。
はっきり言う、カレリオは何も悪くない。自分の婚約者であり王太子とあまりに近い距離をとる神子を注意しただけだ。当然の事をしたんだ。
それなのに、王太子はカレリオを叱責、その話を自分の取り巻きに漏らし……学園中に広がる。
そしてカレリオは立場が無くなり、いじめにエスカレートして行くのだ。可哀想だろ!ワシの孫になんてこと!名誉棄損じゃ!訴えてやる。
「カレリオ、王太子殿下との婚約は解消しよう」
さあーーっとカレリオの顔が青くなる。
「い、嫌です!わ、私は殿下の事をお慕い申し上げて……」
カレリオと王太子殿下の婚約はカレリオが5歳、セブスト殿下が8歳の時だ。そこからカレリオは殿下の為に学び、支え、そして我が家の期待を一身に背負ってきたのだ。
遊びたいとき、はしゃぎたい時もじっと我慢して、勉強に励んだ。同年代の子供達と遊びたくても、カレリオは難しい貴族名鑑を抱えて、指の先までマナーで緊張して過ごした。
「何としても殿下の御心を逃してはならん!」
しかもこれがカナンの口癖だ。そのカナンは沢山の事業を悉く失敗させ、我が家は傾きつつある。しかしカレリオが殿下の婚約者、ひいては王妃になればなんとかなると妄想を抱いている。
カレリオが王妃になっても我が家の財政は変わらんのにな。阿呆の楽天家なのだ、矯正するぞ。
「良い。殿下の御心は神子に傾いておるのであろう?……辛かったなカレリオ。私はお前の味方だ。お前がこれ以上苦しむのを見たくはないのだ」
「わ、わたし、わたし、わたしは……」
「カレリオ、ワシの可愛い孫よ。王にはワシからきちんと断っておく。おいで、泣いて良いのだ、カレリオ」
両手を広げると、カレリオは走り込んで来た。
「う、うわあああーーーっ!おじいさまぁーーーーー!」
「今まで良く頑張ったね、カレリオ。私はお前を誇りに思う」
たった15歳。まだまだ子供に沢山の責務を背負わせた。大丈夫、これから巻き返せる。カレリオの幸せも、ワタシの炭鉱行きも、バンドール家の没落も全部何とかしてみせる!70歳プラス30歳の頭脳に任せろ!
ダグラスの自室で腰を揉みながら今後の方針をまとめていると、ノックとともにカレリオ・バンドールが入ってきた。この国では15歳から学園に入るのでカレリオは15歳である、可愛い。誕生日は夏くらいだっけ?その頃には16歳になるだろう可愛い。
銀色の髪に冷たいアイスブルーの瞳。色合いはダグラスも似ていて、ダグラスの方が目の色が紫がかっているけれど、この孫を気に入っている……癖にあんまり可愛がっていない。
なんでか分からん。ちょっと吊り上がった目も悪役っぽくてとてもいい。可愛い、大事な事だからもう一回言う、可愛い。目の中に入れたいくらい可愛い。
可愛いオーラが出まくっている。生カレリオはやっぱり破壊力が違う、可愛い。顔小さい、髪の毛さらさら可愛い。
でも、ワシは聞かなくてはならない。
「カレリオ、学園の生活はどうだ?」
「恙無く、勉学に励んでおります」
嘘だー。「ねこ☆てん」では異世界から神子がやってきて入学したはずだ。そして王太子とイチャイチャし始めた頃だ。
最初は無視していたカレリオだが、まずはやんわり注意をした。それを
「カレリオ様が……ううっ……」
と、神子は王太子に泣きつき、最初の叱責があった頃だろう。
はっきり言う、カレリオは何も悪くない。自分の婚約者であり王太子とあまりに近い距離をとる神子を注意しただけだ。当然の事をしたんだ。
それなのに、王太子はカレリオを叱責、その話を自分の取り巻きに漏らし……学園中に広がる。
そしてカレリオは立場が無くなり、いじめにエスカレートして行くのだ。可哀想だろ!ワシの孫になんてこと!名誉棄損じゃ!訴えてやる。
「カレリオ、王太子殿下との婚約は解消しよう」
さあーーっとカレリオの顔が青くなる。
「い、嫌です!わ、私は殿下の事をお慕い申し上げて……」
カレリオと王太子殿下の婚約はカレリオが5歳、セブスト殿下が8歳の時だ。そこからカレリオは殿下の為に学び、支え、そして我が家の期待を一身に背負ってきたのだ。
遊びたいとき、はしゃぎたい時もじっと我慢して、勉強に励んだ。同年代の子供達と遊びたくても、カレリオは難しい貴族名鑑を抱えて、指の先までマナーで緊張して過ごした。
「何としても殿下の御心を逃してはならん!」
しかもこれがカナンの口癖だ。そのカナンは沢山の事業を悉く失敗させ、我が家は傾きつつある。しかしカレリオが殿下の婚約者、ひいては王妃になればなんとかなると妄想を抱いている。
カレリオが王妃になっても我が家の財政は変わらんのにな。阿呆の楽天家なのだ、矯正するぞ。
「良い。殿下の御心は神子に傾いておるのであろう?……辛かったなカレリオ。私はお前の味方だ。お前がこれ以上苦しむのを見たくはないのだ」
「わ、わたし、わたし、わたしは……」
「カレリオ、ワシの可愛い孫よ。王にはワシからきちんと断っておく。おいで、泣いて良いのだ、カレリオ」
両手を広げると、カレリオは走り込んで来た。
「う、うわあああーーーっ!おじいさまぁーーーーー!」
「今まで良く頑張ったね、カレリオ。私はお前を誇りに思う」
たった15歳。まだまだ子供に沢山の責務を背負わせた。大丈夫、これから巻き返せる。カレリオの幸せも、ワタシの炭鉱行きも、バンドール家の没落も全部何とかしてみせる!70歳プラス30歳の頭脳に任せろ!
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