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58 ワシ、護衛をつけられる?
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「ジャネス・リングス公爵令嬢と、カークス・マグワイア侯爵令息の婚約解消は滞りなく済んだそうです。なお、リングス家からバンドール家へ多額の慰謝料が払われたそうですね」
「迷惑料みたいなもんじゃ。人は少なかったにせよ、ワシをカレリオと間違えて呼び出し更にあのように叱責までされたのでは、黙ってはおられぬよ」
オーセン・リングス公爵から何卒、穏便に~!と何度も手紙が来ていたが、穏便に済ませられるレベルの事ではないし、誰かがリングス公爵家を庇う事もなかった。残念だが、上位貴族の誰もがリングス家に恩すら売ろうとも思わなかったのであろうし、落ちたとはいえバンドール家、ひいてはワシとやり合いたい家もなかったという事じゃろう。
「それでですね、ダグラス様に専属護衛をつけましょう。ああいう輩は1人いると30人はおりますから」
「いやまさか」
あれほど頭パプリー令嬢は早々おらんよ、殿下。だから護衛なんて……と、思ったが呼んでもいないのに、ぴょっこりリドリーが顔を出した。
「ダグラス様~殿下~高給職場はこちらですか~~~」
「リドリーなら信用出来ましょう?」
「……まあ、調子は良いが腕も良いしのう……」
王宮に出仕するとのことで、少し良い服も仕立ててもらったらしいリドリーはえへん、と胸を反らせた。
「お任せください、このリドリー。給料に見合う働きは致しますので。あ、殿下、俺あのままダンジョンに通ってかな~り強くなりましたよ?今度は負けませんからね~ふっふっふ」
「ほう、それは楽しみだな?手合わせでもしてみようか?」
「ダグラス様とイチャコラして腕のなまった殿下では俺には勝てないんじゃないんですかー!?」
言ったな!?と殿下は立ち上がり、訓練場の方へ足を向ける。ワシの手は握ったまま……離してくれて良いのじゃが……。
「はぁ、相当執着してますねぇ」
「うるさい黙れ!」
リドリーと剣の手合わせをしている時間はワシの自由時間になるかと思ったらそうでもなかった。リドリーめ、相変わらず気が利く奴だ。またリドリーのボーナスを増やしてやらねばならぬではないか!
「今度は王家の方からもボーナス貰う予定ですから!」
……早速あちこちに取り入っておるのか?やはりこやつは優秀じゃのう。訓練場の見学席で二人の様子を見ているハメになってしもうた。たまにちゃんと手を振り返さないと、今晩辺りねっちり文句を言われそうじゃったもんで……。
「迷惑料みたいなもんじゃ。人は少なかったにせよ、ワシをカレリオと間違えて呼び出し更にあのように叱責までされたのでは、黙ってはおられぬよ」
オーセン・リングス公爵から何卒、穏便に~!と何度も手紙が来ていたが、穏便に済ませられるレベルの事ではないし、誰かがリングス公爵家を庇う事もなかった。残念だが、上位貴族の誰もがリングス家に恩すら売ろうとも思わなかったのであろうし、落ちたとはいえバンドール家、ひいてはワシとやり合いたい家もなかったという事じゃろう。
「それでですね、ダグラス様に専属護衛をつけましょう。ああいう輩は1人いると30人はおりますから」
「いやまさか」
あれほど頭パプリー令嬢は早々おらんよ、殿下。だから護衛なんて……と、思ったが呼んでもいないのに、ぴょっこりリドリーが顔を出した。
「ダグラス様~殿下~高給職場はこちらですか~~~」
「リドリーなら信用出来ましょう?」
「……まあ、調子は良いが腕も良いしのう……」
王宮に出仕するとのことで、少し良い服も仕立ててもらったらしいリドリーはえへん、と胸を反らせた。
「お任せください、このリドリー。給料に見合う働きは致しますので。あ、殿下、俺あのままダンジョンに通ってかな~り強くなりましたよ?今度は負けませんからね~ふっふっふ」
「ほう、それは楽しみだな?手合わせでもしてみようか?」
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言ったな!?と殿下は立ち上がり、訓練場の方へ足を向ける。ワシの手は握ったまま……離してくれて良いのじゃが……。
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「うるさい黙れ!」
リドリーと剣の手合わせをしている時間はワシの自由時間になるかと思ったらそうでもなかった。リドリーめ、相変わらず気が利く奴だ。またリドリーのボーナスを増やしてやらねばならぬではないか!
「今度は王家の方からもボーナス貰う予定ですから!」
……早速あちこちに取り入っておるのか?やはりこやつは優秀じゃのう。訓練場の見学席で二人の様子を見ているハメになってしもうた。たまにちゃんと手を振り返さないと、今晩辺りねっちり文句を言われそうじゃったもんで……。
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