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74 ワシ、相談を受ける2
「しかし!このままでは永遠に父上がゼフ家当主になれず、我が家は立ち行かなくなります!」
そうじゃのう……ゼフ公爵領全て没収もあり得るからのう……。ちらりとサディーアの顔を見る……うーん……。
「サディーア、ちと眼鏡を外してみろ」
「はあ?」
そう言いながらも眼鏡を取ると、うむやはりメルクリーアに似ておるな。あれは酷い話じゃった……メルクリーアには長年連れ添った可愛い婚約者がおったのに、メルクリーアに一目惚れしたダスティンの鬼畜眼鏡がやらかした。
メルクリーアのランタス伯爵家を罠にかけ、多額の借金を負わせて……ああ、思い出しても非道な手段であったわ。証拠をもみ消したのは勿論ワシじゃよ……。
「サディーアよ、お前が良いのであればリドリーが若返りの秘薬を持っておったぞ」
「っ!買わせて頂けますかっ!」
「覚悟は出来ておろうな?サディーア・ゼフ」
サディーアは眼鏡をしっかりとかけ直し
「勿論です!」
そう言ったから、ワシはリドリーを呼んで例の薬をサディーアに渡した。
「どんなに苛烈だろうと、お祖父様の扱きに我々は耐えてみせます!」
「……そうか。そこまで言うなら」
ワシはね、お前の尻の覚悟は良いかと聞いたんじゃが。まあ、良いか?
サディーアが大切に小瓶を仕舞い込んで去っていった後、殿下が神妙な面持ちでワシに訪ねてきた。
「ダスティン様はそれ程までに?」
「ああ。メルクリーアを失ったダスティンの矛先はこの辺りで一番メルクリーアに似ておるサディーアに向くじゃろうよ。ダスティンの執着は本当に凄まじい。生き伸びて欲しいのう」
「えっ!そっちですか!?」
こくり、ワシは頷く。ワシは思い出しても空恐ろしい学生時代の記憶が蘇る。
会った頃のメルクリーアには女性の可愛らしい婚約者がいて、手を繋ぐのも頬を赤らめるような清くてくすぐったくて、笑っちゃうようなお付き合いをしておったのに。
婚約者がダスティンに変わってすぐに、毎朝頬を赤らめ、目を潤ませて登校して来るし、剣術の授業などで少し強く打ち込むと
「あぁん……痛いぃ♡」
「ひっ?!」
なんか仕込まれておったな……。
「可愛いだろう?私のメルクは」
「ダスティン……好き♡」
イチャイチャに何か危険な空気を感じて戦略的撤退を良くしたものだ。
「まあ、逆に考えればサディーアをダスティンに捧げてしまえばゼフ家は安泰かのう……」
「友人としては止めたい所なのですが?!」
「しかしのう……さしものワシもダスティンにあの性癖を改めろとは言えん。どんな報復をされるか分かった物ではないからのう」
利害が一致した時のダスティンほど心強い存在はないが、敵にだけはしたくない。
「サ、サディーアは人として生きられるでしょうか……?」
「分からぬ……」
ダスティンがどこまで丸くなっているか、それにかけるしかないのう……。
そうじゃのう……ゼフ公爵領全て没収もあり得るからのう……。ちらりとサディーアの顔を見る……うーん……。
「サディーア、ちと眼鏡を外してみろ」
「はあ?」
そう言いながらも眼鏡を取ると、うむやはりメルクリーアに似ておるな。あれは酷い話じゃった……メルクリーアには長年連れ添った可愛い婚約者がおったのに、メルクリーアに一目惚れしたダスティンの鬼畜眼鏡がやらかした。
メルクリーアのランタス伯爵家を罠にかけ、多額の借金を負わせて……ああ、思い出しても非道な手段であったわ。証拠をもみ消したのは勿論ワシじゃよ……。
「サディーアよ、お前が良いのであればリドリーが若返りの秘薬を持っておったぞ」
「っ!買わせて頂けますかっ!」
「覚悟は出来ておろうな?サディーア・ゼフ」
サディーアは眼鏡をしっかりとかけ直し
「勿論です!」
そう言ったから、ワシはリドリーを呼んで例の薬をサディーアに渡した。
「どんなに苛烈だろうと、お祖父様の扱きに我々は耐えてみせます!」
「……そうか。そこまで言うなら」
ワシはね、お前の尻の覚悟は良いかと聞いたんじゃが。まあ、良いか?
サディーアが大切に小瓶を仕舞い込んで去っていった後、殿下が神妙な面持ちでワシに訪ねてきた。
「ダスティン様はそれ程までに?」
「ああ。メルクリーアを失ったダスティンの矛先はこの辺りで一番メルクリーアに似ておるサディーアに向くじゃろうよ。ダスティンの執着は本当に凄まじい。生き伸びて欲しいのう」
「えっ!そっちですか!?」
こくり、ワシは頷く。ワシは思い出しても空恐ろしい学生時代の記憶が蘇る。
会った頃のメルクリーアには女性の可愛らしい婚約者がいて、手を繋ぐのも頬を赤らめるような清くてくすぐったくて、笑っちゃうようなお付き合いをしておったのに。
婚約者がダスティンに変わってすぐに、毎朝頬を赤らめ、目を潤ませて登校して来るし、剣術の授業などで少し強く打ち込むと
「あぁん……痛いぃ♡」
「ひっ?!」
なんか仕込まれておったな……。
「可愛いだろう?私のメルクは」
「ダスティン……好き♡」
イチャイチャに何か危険な空気を感じて戦略的撤退を良くしたものだ。
「まあ、逆に考えればサディーアをダスティンに捧げてしまえばゼフ家は安泰かのう……」
「友人としては止めたい所なのですが?!」
「しかしのう……さしものワシもダスティンにあの性癖を改めろとは言えん。どんな報復をされるか分かった物ではないからのう」
利害が一致した時のダスティンほど心強い存在はないが、敵にだけはしたくない。
「サ、サディーアは人として生きられるでしょうか……?」
「分からぬ……」
ダスティンがどこまで丸くなっているか、それにかけるしかないのう……。
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