【完結】悪役令息の祖父のワシが神子をハメたら殿下がおかしくなった。溺愛とかジジィには必要ないです、勘弁してくだされ

鏑木 うりこ

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番外編

4 サディーアの受難4

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「つ、次……」

「そう。私の最愛の妻メルクリーアはもういない。さしもの私も死者の眠りを妨げようとは思わない。だから、次はお前だ、サディーア。幸か不幸か何の後遺症もなく、私は現在20歳くらいの肉体年齢をしている。70まで生きた記憶はあるが、頭脳の方は若返っておるのだろう。霞んでいた思考がはっきりしている」

 それでもサディーアは2.3歩後ずさった。次?次とは?自分がメルクリーアお祖父様の代わりとはどういう事か理解出来ていながら理解したくないと、頭と全身が訴えている。

「お前を私の二人目の妻にする。良いな?」

「い、嫌……です。わ、私には、こ、婚約者も……おります、から……」

「ああ、ソレはもう処理してある。あのボイスラー家はワシに爪の先ほど逆らうことは出来ぬ」

「ひっ」

 サディーアの婚約者はベネット・ボイスラー伯爵令嬢であった。絵に描いたような淑女である彼女は全てにおいて従順な娘であり、サディーアとの交流も全てに頷き、黙って従うような存在であった。サディーアが神子と度が過ぎる逢瀬を繰り返しても、ただ静かに見守っているそんな令嬢。
 ベネットならばボイスラー伯爵から言われたら、何の口答えもせずに頭を下げ従うだろう。

「今日から私の事はお祖父様ではなく、ダスティン様と呼ぶように。分かったな?」

「あ、あの……お、お祖父、様……」

「サディーア。悪い子はお仕置きをせねばならん。お前はメルクに良く似ておる、すぐに従順になるだろう」

「ひ……」

 サディーア、ごめんなさい……サディーア……在りし日にメルクリーアが何度も何度もサディーアに謝罪した事。そしてダグラスが念を押した事。まさか、まさかそういう事か。繋げたくなくても繋がってしまう、理解したくないが解ってしまったその意味が。

「服を脱ぎなさい、全てだ。私のいう事は絶対、逆らう事は許さない」

「う……うう……」

 その夜からサディーアはダスティンに逆らう事は一切許されなかった。

「ダスティンさまぁ!ダスティンさまあ!あ、ああっ……!」

「いい子だ、サディーア。もっと啼け!」

「い、イく……あっあーーーー!」
 
 



「ダグラス様、サディーアはどうなってしまうのですか?」

「ワシには分かりません……いやあ、しかしダスティンの鬼畜さは恐ろしいのう……血がつながらないとは言え、孫だぞ、孫。普通抱くか?ワシでいえばカレリオじゃよ?信じられんわい」

「好きならしょうがないのでは!」

(あ、しもうた。この御仁もじじいのワシでもいけると豪語しておった変なお方であったわ……)

 
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