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2 服飾のレベルアップ
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「田舎くさい……少しお洋服を見て良いですか?」
「え、ええ」
私の今着ている服はかなり古いもので、手直しをしながら着続けている。確かお婆ちゃんが若い頃に着た物だとか?
「確かに少し古いデザインだけれども、良い物ですね。布地もしっかりして、縫製も……あら、あらあら……」
「直して着ていますので……」
嫌だわ、穴でもあったのかしら?!マダムは懐かしい物を見るように優しい目をして私の服を撫でている。
「ではこうしましょう。お嬢様、お名前を伺ってもよろしいかしら?」
「マリーです。マリー・ロンドと申します、マダム」
そう、とご婦人は一つ頷いてから
「時間がある時にこの店で働くというのはどうかしら?働いて今の流行や縫製を学ぶの。レベルアップ出来るわよ?」
「します!レベルアップ!」
即答してしまったわ……。
「ふふ、良いお返事ね。では学園の服飾の教授リリエンに私、マダム・エリンの店でお手伝いをすると伝えてくださる?スムーズに話が通ると思いますわ。」
「はい!ありがとうございます。マダム・エリン」
この人がこのお店のオーナーだったんだ!やっぱり私の人を見る目ってしっかりしてると思う!
「ふふ、当たりよ。マリーは中々勘が良いのね。今日からもう働く?」
「はい!早くレベルアップしたいです」
「よろしい。では奥の工房に行ってお掃除からよろしくね」
「はいっ!基本ですね!」
私はついてるわ!もうレベルアップの機会が貰えるなんて!!ウキウキと奥の工房に飛び込んだ。
「マダム、あんな素人のコで良いのですの?変な仕事は許さないわよ?」
「ご安心くださいな、お嬢様。半端な仕事はさせません。彼女はとても器用で良く働いてくれると思います。あの洋服がそう言っておりました」
「服が言っていたの?」
不思議そうに首を傾げる少女に、マダム・エリンは優しく微笑んだ。
「ええ、あれは私がまだ学生時代に友人に縫ったワンピースです。それをあんなに大切に着ている家のお嬢さんなんですもの。間違いありませんわ」
「まあ!マダムが学生時代に!?随分昔ね」
「ふふ、そうですね、随分昔になってしまいましたね。でも嬉しいわ……ケリーの誕生日に作った服なのよ……きっとあの子はケリーの孫なんだわ」
もう工房の奥でお掃除用品のありかを聞いていた私にはマダム・エリンとお嬢様の話は全く聞こえなかったけれど、都会には優しい人がいっぱいいるなーと楽しい気持ちになれたのでした。その日は掃除をしっかりやって帰る事になったけれど、もう要らないという切れ端の中から少し大きい物や柄が可愛い物を拾って寮に持ち帰ったの。
ちょっと手を加えれば可愛いリボンやコサージュになったからイザベラに勧めてみた。
「どう?どれか要らない?」
「……か、可愛い……くれるの?」
「うん。どの布地もマダム・エリンの店の取り扱い品よ?田舎くさくないでしょう?」
「え……あ、うん……ご、ごめんねマリー……田舎くさいなんて言った私にこんな可愛い物をくれるなんて」
イザベラって意外と素直で可愛い性格だったのね。
「良いのよ。私も確かにちょっと田舎っぽいなあとは思ってたの。でもこれからどんどんレベルアップして都会風素敵な女の子になるわよ!」
「今日でもうレベルアップしたんじゃないかしら?」
「えっ!?ホント!?」
す、すごいわ。都会ってすぐレベルアップ出来るのね!この調子でどんどんレベル上げていくわよ~~!
「え、ええ」
私の今着ている服はかなり古いもので、手直しをしながら着続けている。確かお婆ちゃんが若い頃に着た物だとか?
「確かに少し古いデザインだけれども、良い物ですね。布地もしっかりして、縫製も……あら、あらあら……」
「直して着ていますので……」
嫌だわ、穴でもあったのかしら?!マダムは懐かしい物を見るように優しい目をして私の服を撫でている。
「ではこうしましょう。お嬢様、お名前を伺ってもよろしいかしら?」
「マリーです。マリー・ロンドと申します、マダム」
そう、とご婦人は一つ頷いてから
「時間がある時にこの店で働くというのはどうかしら?働いて今の流行や縫製を学ぶの。レベルアップ出来るわよ?」
「します!レベルアップ!」
即答してしまったわ……。
「ふふ、良いお返事ね。では学園の服飾の教授リリエンに私、マダム・エリンの店でお手伝いをすると伝えてくださる?スムーズに話が通ると思いますわ。」
「はい!ありがとうございます。マダム・エリン」
この人がこのお店のオーナーだったんだ!やっぱり私の人を見る目ってしっかりしてると思う!
「ふふ、当たりよ。マリーは中々勘が良いのね。今日からもう働く?」
「はい!早くレベルアップしたいです」
「よろしい。では奥の工房に行ってお掃除からよろしくね」
「はいっ!基本ですね!」
私はついてるわ!もうレベルアップの機会が貰えるなんて!!ウキウキと奥の工房に飛び込んだ。
「マダム、あんな素人のコで良いのですの?変な仕事は許さないわよ?」
「ご安心くださいな、お嬢様。半端な仕事はさせません。彼女はとても器用で良く働いてくれると思います。あの洋服がそう言っておりました」
「服が言っていたの?」
不思議そうに首を傾げる少女に、マダム・エリンは優しく微笑んだ。
「ええ、あれは私がまだ学生時代に友人に縫ったワンピースです。それをあんなに大切に着ている家のお嬢さんなんですもの。間違いありませんわ」
「まあ!マダムが学生時代に!?随分昔ね」
「ふふ、そうですね、随分昔になってしまいましたね。でも嬉しいわ……ケリーの誕生日に作った服なのよ……きっとあの子はケリーの孫なんだわ」
もう工房の奥でお掃除用品のありかを聞いていた私にはマダム・エリンとお嬢様の話は全く聞こえなかったけれど、都会には優しい人がいっぱいいるなーと楽しい気持ちになれたのでした。その日は掃除をしっかりやって帰る事になったけれど、もう要らないという切れ端の中から少し大きい物や柄が可愛い物を拾って寮に持ち帰ったの。
ちょっと手を加えれば可愛いリボンやコサージュになったからイザベラに勧めてみた。
「どう?どれか要らない?」
「……か、可愛い……くれるの?」
「うん。どの布地もマダム・エリンの店の取り扱い品よ?田舎くさくないでしょう?」
「え……あ、うん……ご、ごめんねマリー……田舎くさいなんて言った私にこんな可愛い物をくれるなんて」
イザベラって意外と素直で可愛い性格だったのね。
「良いのよ。私も確かにちょっと田舎っぽいなあとは思ってたの。でもこれからどんどんレベルアップして都会風素敵な女の子になるわよ!」
「今日でもうレベルアップしたんじゃないかしら?」
「えっ!?ホント!?」
す、すごいわ。都会ってすぐレベルアップ出来るのね!この調子でどんどんレベル上げていくわよ~~!
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