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12 あるでしょう?頭のわびしい学園長像
「うーーーん!」
生物学の教授と生物部の生徒、それに最早混じっているマークさんが学園長像の側でサンプルを取ったり、葉を解析したりとても忙しい。
「あのイモムシは全部学園長像の側で捕まえましたわ」
そうディアンナさんとその取り巻き嬢が答えたので全員がその辺りを調べ回っているのだ。
「この低木はシロカイコの主食であるワクーの木だ。だからこれを食べるシロカイコがここにいるのは分かる」
何故か学園長像の周りにはワクーの木が植えられていて……。
「それはわしがワクーの実が好きだからだ」
と言う訳の分からない回答を、学園長から得た。しかしそれなら普通のシロカイコはいても宝石化の理由はわからない。
「あの他にトパーズ化した物、サファイア化した物も見つかった。ワクーの生えてある土の成分が怪しいと思うのだが、成分に差が出ないのだ」
教授達の研究は完全に立ち往生していた。
「謎なんですって」
「そうなのですね」
その教授達を私とディアンナさんは近くのベンチに座って眺めていた。私達のひざの上にはランチボックスが乗っている。寮でお願いすれば作ってもらえるお昼ご飯だ。
いつも一緒にお昼を食べていたイザベラはクラウスさんと楽しいランチタイムだ。友人としては応援するし、お邪魔はしたくない。
そんなボッチになってしまった私はボッチ生活が長引き始めたディアンナさんを誘ったと言う訳だ。
ディアンナさんも私と和解したと周囲に認識してもらうことは彼女の信頼回復にも繋がるから、喜んでくれたし。
「イモムシはやっぱり苦手ですけれどキラキラした糸を出してくれるのは興味が湧くわ」
「女子らしい感想ね」
こうやって教授達を眺めながらお昼を食べるのも10日以上になるけれど、やっぱり進展はない。
「生物部の方が毎日張り付いているから、学園長像に八つ当たりも出来ませんわ」
「や、八つ当たりって何なの?ディアンナ」
やめて、サンドイッチのきゅうりを吹き出しそうだったわ。
「あら?マリーはご存知ない?あの学園長像って物凄い硬い材質で出来てるのよ。何でも苛ついた生徒に過去、何度も何度も壊されて学園長が特注したとかで」
「ええ?!本当?」
「本当よ。それで硬すぎるから殴っても魔法を当ててもびくともしないの」
自分の像を壊されるのに腹を立てた学園長がなんか凄い素材にしたらしい。
「でもね?何をしても壊れない物だから、逆に生徒達の鬱憤を晴らすのにちょうど良いって事で……」
「まあ!」
知らなかったけれど、確かにあの頭髪の侘しい頭をポカッと殴ったら少しは気が晴れるかもしれないわね?
「2.3年生の間では有名な話らしいわよ?剣で殴っても魔法をぶつけても全然平気なんですって。私もちょっと炎なんかを当ててみたり……あっ!内緒にしてね!」
確かに自分そっくりの像がそんな目に遭っているのは学園長もあまり気持ちのいい話ではないものね。犯行がバレたら叱られちゃうわよね。
「ふふ、魔法をぶつけるの?あの像に魔法だなんて今なら生物部の人に当たっちゃいますね」
私が笑うとディアンナも悪戯っぽく笑う。
「教授の命より大切な宝石カイコに当たっちゃうかもしれないわね?」
「ほんとね。魔法、魔法……もしかして……!」
「マリー?」
「来て!ディアンナ!」
私はお弁当を横に置いてディアンナの手を取って教授の元へ向かった。
生物学の教授と生物部の生徒、それに最早混じっているマークさんが学園長像の側でサンプルを取ったり、葉を解析したりとても忙しい。
「あのイモムシは全部学園長像の側で捕まえましたわ」
そうディアンナさんとその取り巻き嬢が答えたので全員がその辺りを調べ回っているのだ。
「この低木はシロカイコの主食であるワクーの木だ。だからこれを食べるシロカイコがここにいるのは分かる」
何故か学園長像の周りにはワクーの木が植えられていて……。
「それはわしがワクーの実が好きだからだ」
と言う訳の分からない回答を、学園長から得た。しかしそれなら普通のシロカイコはいても宝石化の理由はわからない。
「あの他にトパーズ化した物、サファイア化した物も見つかった。ワクーの生えてある土の成分が怪しいと思うのだが、成分に差が出ないのだ」
教授達の研究は完全に立ち往生していた。
「謎なんですって」
「そうなのですね」
その教授達を私とディアンナさんは近くのベンチに座って眺めていた。私達のひざの上にはランチボックスが乗っている。寮でお願いすれば作ってもらえるお昼ご飯だ。
いつも一緒にお昼を食べていたイザベラはクラウスさんと楽しいランチタイムだ。友人としては応援するし、お邪魔はしたくない。
そんなボッチになってしまった私はボッチ生活が長引き始めたディアンナさんを誘ったと言う訳だ。
ディアンナさんも私と和解したと周囲に認識してもらうことは彼女の信頼回復にも繋がるから、喜んでくれたし。
「イモムシはやっぱり苦手ですけれどキラキラした糸を出してくれるのは興味が湧くわ」
「女子らしい感想ね」
こうやって教授達を眺めながらお昼を食べるのも10日以上になるけれど、やっぱり進展はない。
「生物部の方が毎日張り付いているから、学園長像に八つ当たりも出来ませんわ」
「や、八つ当たりって何なの?ディアンナ」
やめて、サンドイッチのきゅうりを吹き出しそうだったわ。
「あら?マリーはご存知ない?あの学園長像って物凄い硬い材質で出来てるのよ。何でも苛ついた生徒に過去、何度も何度も壊されて学園長が特注したとかで」
「ええ?!本当?」
「本当よ。それで硬すぎるから殴っても魔法を当ててもびくともしないの」
自分の像を壊されるのに腹を立てた学園長がなんか凄い素材にしたらしい。
「でもね?何をしても壊れない物だから、逆に生徒達の鬱憤を晴らすのにちょうど良いって事で……」
「まあ!」
知らなかったけれど、確かにあの頭髪の侘しい頭をポカッと殴ったら少しは気が晴れるかもしれないわね?
「2.3年生の間では有名な話らしいわよ?剣で殴っても魔法をぶつけても全然平気なんですって。私もちょっと炎なんかを当ててみたり……あっ!内緒にしてね!」
確かに自分そっくりの像がそんな目に遭っているのは学園長もあまり気持ちのいい話ではないものね。犯行がバレたら叱られちゃうわよね。
「ふふ、魔法をぶつけるの?あの像に魔法だなんて今なら生物部の人に当たっちゃいますね」
私が笑うとディアンナも悪戯っぽく笑う。
「教授の命より大切な宝石カイコに当たっちゃうかもしれないわね?」
「ほんとね。魔法、魔法……もしかして……!」
「マリー?」
「来て!ディアンナ!」
私はお弁当を横に置いてディアンナの手を取って教授の元へ向かった。
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