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89 只人、です、よ?
しおりを挟む「知りませんな」
「フロウライト! き、貴様ぁーー!」
この国の剣として竜騎士が、盾として聖騎士が君臨していたのだが、バランスが崩れた。
「うわあああーー! おっぱいのでっかい嫁募集中ぅーー!!」
「あぎゃ……」
騎竜にまで呆れられつつ大暴れするアメジストを止めることができる奴がいなくなった。今までは竜騎士極が暴れれば聖騎士極のフロウライトが止めにきたけれど、フロウライトは暴れるアメジストを放置している。
「私は今、聖騎士極の地位におりませんので」
「うぐぐぐっ! 良いから戻れ! 命令だ!」
「聖騎士極は父上に任命できる地位ではございません。ハンスになんとかさせると良いでしょう。今、ハンスが聖騎士極なんですよね?」
「ハンスに竜騎士極が止められるわけなかろう!もう両手両足骨折で全治2ヶ月だ!」
「聖職者極に治して貰えばよろしい。金はかかりますが、神に仕える見るとして割引して貰えます」
「何度も治癒して貰い、ハンスがもう竜騎士極は嫌だと泣くのだ!」
「それこそ知りませんね」
アイアンメイデン侯爵がほぼ毎日やって来て追い返されている。最近は面倒くさくなったのか、フィンが追い返す役目を担っている。
「シャー!」
「ひぃっ!」
流石フィン、一撃だ。這々の体で逃げ出すアイアンメイデン侯爵にもう一声浴びせてから、俺の方に走って来て、スリスリと頭を擦り寄せてくる……可愛い。
「くるるーくるるー!」
「ふふ、どうしてフロウのお父さんはこんなに可愛いフィンが怖いんでしょうね?」
「くるるる~」
俺に対してはこんな感じで毎日甘えてくる。でっかいくちばしだってツルツルしてて可愛いのになー。撫でられるの大好きな甘えん坊だし。
「いや、フィンをここまで怖がらない人は少ないですよ、私達だってかなり圧力を感じるのに」
「馬鹿っ! あの団長のアレをナニできる人だぞ! 只人な訳ないだろ!」
「そ、そういえばそうか!」
聖騎士達の間での俺の評価がおかしいんだが?? 色んな意味で一目置かれている気がするが、真相は闇の中にずっと置いておこうと思う。探られた所で聖騎士達じゃ俺がマラカイト・凛莉だという真実に辿り着ける訳もないし。
ついでに他国からの微細な侵攻もアメジストを投入して防いでいるらしい。ただ、他国の間者を廃するより、自国の損壊の方が大きく出るらしくて中央は頭を抱えているってさ。
その辺りはフロウライトに身分をしっかり明かしたウィントン王太子が教えてくれた。
「もう一押しで愚父とアイアンメイデン侯爵は共倒れですね、聖騎士団長には後始末をお願いすることになりそうだ」
「はあ、まあ構いませんが……アイアンメイデン家にも何か罰則が課せられますか?」
「アイアンメイデン家にはあるだろうが、フロウライト・アイアンメイデンにはないだろうさ。君が聖騎士団長の座に戻らないことがアイアンメイデン家の過失なんだからね。君が一言戻るといえば丸く収まっちゃうけど?」
「マークを認めない家に下げる頭は持ち合わせておりません」
「だよねー。君はそういう人だし、そう言い切れる実力があるもんねー……君を説得するよりマークに何とかしてもらう方が早いよね」
「私の伴侶に何かご用が?!」
「わー! 絶対に取らないから怒るな! 私がどうこうできる人間じゃないだろ!アレは」
「アレとはなんですか!? 私の伴侶に向かって!」
「わー! 面倒くさい奴!」
王太子殿下との仲も良好のようで何よりだ。
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