【完結】尻神様が降臨なされた。BL世界を何周もする俺の尻はミラクル!

鏑木 うりこ

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4周目 レオナルド編

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「あ、あの助けていただいてありがとうございました」

「いや、礼には及ばん。一般人には極力手を出すなと伝えてあったはずなのに、部下の不始末は私のせいだ」

「いえ……」

 俺を襲った奴らはだいぶ下っ端っぽかったし、この将軍さんはだいぶ偉い人みたいだし、行き届かなくても仕方がないのかな……。

「あ、あの。助かったのは本当ですし。それで、あの良ければ何ですけど、何か着る物があれば……」

 ああ、と言って将軍さんは何か高そうなシャツと高そうで更に裾を大量に折らなければならない足の長い人用のズボンを貸してくれた。くそっ!スタイルいいじゃねーか!

「それでは俺は失礼します。服はそのうち返しに行きたいので、お名前を教えて頂ければ……」

「……私の名前はレオナルド・マティス。しかし申し訳ないが君にはしばらくここに留まって貰いたい」

「何でですか?」

「君にはスパイ疑惑がかかっている。迂闊に君を連れてきた私のせいなのだが……しばらくここに……軟禁させてもらう」

「はあ?!」

「すまんね」

 レオナルド将軍はすまなそうな顔をしながらも、手に足枷を持っているし!うおい!

 そして俺は「首枷と足枷どっちが良い?」という嫌な2択で足枷を選んで軟禁?いいえ、監禁された。

「この国のスパイ疑惑?ってことは、襲われたのも演技と思われているって事?」

「そうだ。私はそうではないと知っているが、他の隊長や部下が引かなくてな。すまないが長引かないと思うので我慢して欲しい」

「……分かった。疑いが晴れるまで大人しくしていれば良いんだな?」

「ああ」

「って嫌なんですけど?!」

「拒否されると首を落とさざるを得ない」

「大人しくしていまーす!」

 なんて事だ……。俺はレオナルド将軍のテントに閉じ込められてしまった。スン。

 そして大ピンチだ。

「このっ汚い間者が!レオナルド様の周りをうろちょろしやがって!」

「うわああ!」

 待て!俺は武道の経験なんてない上に足を繋がれているんだ!それなのに相手は剣を抜いて斬りかかって来るなんて!

「だ、誰か!ぎゃああっ!」

 熱い、熱いよ……背中が熱い。

「死ね!」

 痛いのかな、死ぬのって。途中で死んだらどうなるんだろう。ゲームオーバー?妹の所に戻されるんだろうか。

「貴様!何をしている!」

 それだけ聞こえたけれど、その後は何も分からなかった。


 どうやら俺は何日も生死の境を彷徨い、結局妹の所には行かなかったらしい。
 意識は戻っても、熱が下がらず斬られた背中はズキズキと痛んだ。何度も将軍が見舞いに来てくれたが、痛みと熱でぼーっとしていて、よく分からなかった。

「元を正せば私のせいだ。本当にすまない事をした。責任は私が取る」

「はぁ」

「君を生涯に渡って伴侶とし……」

「意味がわかりません!」

「これ以上、不自由な思いはさせない」

「……」

 不自由。確かに、斬られた位置のせいで左手がよく動かないし、足も痛む。でもきっともう少し回復すれば動けるようになるはず。責任を取っていただくほどの事ではないんだが、この人、何かと真面目なんだろうか。

 困った真面目さだ。






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