【完結】尻神様が降臨なされた。BL世界を何周もする俺の尻はミラクル!

鏑木 うりこ

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10周目 「何も持たない」魔王

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 俺の成長速度は半分くらいだ。10歳だが5歳くらいの大きさだ。そして魔王は毎日毎日やって来る。その度に国の者達はビビりまくっていたが、毎日毎日何年も続くと慣れて来る。

「魔王グラニェールがまた来た」

「お城の出来損ない王子にご執心だってよ、ぎゃっ!」

 慣れて来たところで、暴れ大地に穴が開く。失言した奴?跡形もないよ……。

「グラニは我慢が効かない」

「何故この私が我慢する必要がある?」

「……」

 うーん、なんて言えば説得出来るのか分からん。あと、ついでにこの国の一部を除く人達、メグちゃんとその周辺以外ははっきり言って好きじゃない。
 父も母も、血の繋がった家族と言う人達は全員見た事もない。

 化け物、出来損ない……まあ、数々。どうしようかって思うよな!あんな気持ち悪い姿で産まれたから、ある程度しょうがないけど

「あーこんなんでも助けて貰えるとか思ってるから頭がめでたいよなあー」

 って思わず口に出てしまった。

「アルトゥス、どう言う事だ?いくらお前でも些か暴言すぎないか?」

 あ、やば。グラニに向かって言ったんじゃないけど、勘違いした?!

「あ!違う違う!そうじゃなくてー」

 言うつもりは無かったけど、頭で考えていた事をすっかり話してしまった。

「成程。しかし、なんの心配も要らないぞ。お前がある程度大きくなってこの国を出てしまえば、用済みの国だからな」

「あー成程」

「お前のお気に入りは残して置いてやる。メグはそうだな、この国の王になるか?」

「わ、私はアルトゥス様のお側におりますー!」

 面白い冗談だとは思うけど、グラニならやりかねんな!

「メグ王かーカッコいいなー。私の父と言う人よりメグが王様になった方が平和かもよ?」

「私はこの国の平和よりアルトゥス様の平和を守るのに忙しいんです!」

 やだ!メグったら素敵!妹は役に立たないしグラニは過激だし俺はまだ小さいしで、出来る事は少なかった。

 ただ、毎日毎日やってきて、あんまり大きくならない俺を見て笑い、話をするグラニ。気性も荒いし、この以外で何をしてるかよく分からないし、返り血を浴びている事もある。
 それでも手を洗うようになったり、お土産が人間の首から魔獣の首に変わり、花や貝に変わって行った。

「早く城に来い」

 なんてずっと言い続けてるんで、俺もそんな気になって来ていた。まあ実際、10周目は魔王だって最初から言ってたし、黒髪、赤目のグラニはどこからどう見ても魔王だしで、今回はこいつと暮らせばいいんだなーなんて覚悟みたいなものも決まっていた。

 それに意外と俺の話も聞いてくれるし、グラニの城に行ってもなんとかなるかなーなんて客観視していたんだが、まさか妹がバカをやるとは思わなかったんだよな。

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