【完結】尻神様が降臨なされた。BL世界を何周もする俺の尻はミラクル!

鏑木 うりこ

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10周目 「何も持たない」魔王

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「へ、陛下!西で反乱を起こしたものが」

「殺せ」

「違うでしょーーー!」

「いや、だって面倒くさいし」

「グラニ、魔王辞めよう?ね?」

「分かった、辞めるー」

 とことんグラニェールは王というものになれる性格じゃなかった。何でもかんでも殺せしか言わない。誰かに魔王譲ってしまおう、そうしよう。

「俺と一緒に暮らそう?メグちゃんは来てくれる……よな?あと金とかある……よな?」

「私はアルトゥス様に着いて行きます!そしてお金は大丈夫だと思いますよ。グラニェール様の財産は膨大ですから」

「金持ちから金を奪ってみたけど、最初は楽しかったけど……すぐつまらなくなった」

 はー……グラニだもんな。もうそんなことするんじゃないよ?と言うとアルトゥスが言うなら、と笑う。ほんと、俺ファーストだ。

「どこか美味しい物が採れるところに小さい家を買おう、そこで暮らそう?」

「小さい家なんてやだ!広い家に住みたい!」

 グラニは阿呆だなぁ。

「家は広すぎると俺がどこに居るか分からなくなるぞ?小さい方が探しやすいだろ?」

「アルトゥスは天才か!」

「あと、その魔気?とか言うのしまってくれよ。俺、死んじゃう」

 人間には毒らしいんだよね。

「二度と出さない!封印した!」

 グラニはやれば出来る子だった。ただ……。

「俺、負けるのだけは嫌だ」

「……」

「一番強いものが、魔王でございますれば……」

 魔王は引退できそうになかった。




 魔王城と言う物がある。それは黒々とした禍々しい城ではな、白亜の美しい城であった。
 広い城下町を持ち、そこでは如何なる争い事も禁止であり、魔王妃直属の「警察」と言う取り締り役人達が巡回していた。
 「警察官」は人間でも魔族でも獣人でもなれるが、物凄く厳しい試験と、厳正な教育がある。

「良いかー?警察官は絶対不正なんかしちゃ駄目だからなー!市民に優しくだぞ!」

「はっ!魔王妃陛下!」

 今の所、警察は順調に機能している。何せ警察に逆らうと言う事は魔王妃を溺愛している魔王に逆らうと言う事だ。

「はー!つっかれた!」

「お疲れ様です、魔王妃陛下」

「あーありがとう、宰相さん」

 俺に労いの言葉をかけてくれる見た目がお爺ちゃんの宰相さん。この人を見つけるまでが長かったなー。
 来る日も来る日も山積みの問題をメグちゃんと片付け、夜は夜でグラニの相手をし、疲れてまだ眠いのに叩き起こされまた仕事……。

「もう起きなかったらどうしようかって!」

「ちゃんと起きてるよ~もう!」

 体力無限のお前と違うんだから!仕事は減らないし、メグちゃん以外の奴らは威張りくさっているだけで使えないか、脳筋だしで、グラニの周りにはろくな奴が居なかった。
 そしてやっとこの見た目がお爺ちゃんを見つけて仕事を割り振ったら本当にできる人で、あれよあれよと言う間に全てが整った。

「魔王妃陛下の為人、しかと見定めさせて頂きました」

 なーんて言ってるけど、この有能さ手放せない!見た目がお爺ちゃんなのもグラニの余計な嫉妬心を煽らない為とか、ホント有能だった!


 
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