26 / 28
囮か?
しおりを挟む
扉には鍵がかかっている。
窓か。窓から外を見る。
ここは何階だろう? 飛び降りたらきっと死ぬな。それにしても我が家の防犯対策どうなってるわけ? 私は王太子の婚約者なのよ。護衛や影はついてないわけ? いや、護衛はたしかついていたな。護衛どうしたのよ。まさか犯人とグルだったとか?それにしても家の中にいて誘拐されるって普通ないでしょう。本当に公爵家の騎士団も何してるのよ。全く腹立つ。
さて、どうしたものかと思っていたら足音が聞こえてきた。
「これはこれはシュラット公爵令嬢、お目覚めですかな」
あっ、あの時のあの人だわ。なるほどそういうことか。
私の目の前に現れたのはナムーリ国の使節団の人だった。
あの時は第3王女だけの単独犯行だということになり、使節団は罪に問われず国に帰ったのだったわね。
この人たちも私の結婚式の来賓に紛れて我が国に来ていたのか。ということはここはどこかの宿泊施設だな。この部屋の雰囲気は高級ホテルだ。
しかし、ナムーリ国の人って我が家以上に危機管理意識薄いと見た。どこに泊まっているかなんて調べればすぐにわかるじゃない。しかも、前に一度やらかしているのだから、我が国としては他の国より注意を向けているはず。
まぁ、先にメイドを潜入させていたとは用意周到だ。きっとあのメイド以外にも何人か潜入しているのだろう。本当に何度も言うけど、シュラット公爵家の危機管理はどうなっているんだ。帰ったら文句を言わねば。帰れたらだけど。
ちょっと待てよ。あまりにも簡単に誘拐されすぎじゃない? いくらなんでもあり得ない。クロエが私から離れる訳もないし、これ、ひょっとして私を囮にしたの? まぁそれならそれでいいけどね。
「それで、私をどうするおつもりですか?」
私はその男に聞いてみた。
「死んでもらいますよ」
やっぱり殺すつもりか。
「私を殺せばラックノーラン国とナムーリ国は戦争になります。戦争になればナムーリ国は滅びますがそれでいいのですね。ナムーリ国の罪もない国民があなたのせいで皆国を失います」
「姫を殺しておいてよくそんな事が言えるな。お前は賊に殺されるんだ。ナムーリ国の者の手にかかったなど誰にもわからぬわ」
男は笑っている。
「あなたね。馬鹿じゃないの? ナムーリ国には影とかいないの? 第3王女は生きているわよ。我が国の王弟殿下と恋に落ち幸せに暮らしているわ。一応罪人だから公に出来なくて行方不明になったことにしているけどね」
男は驚いたのか目を見開き固まっている。
さて、私のハッタリはどこまで通用するかな。助けが来るまで時間稼ぎできればいいんだけどね。
囮なら、そこら辺に影とか助けとかがいるんだろうけどね。
アイク様は私を囮にするような奴だったのか。やっぱり婚約は解消だな。そんな奴と結婚なんてしない。
もう、私を面倒に巻き込まないでほしいよ。
家に帰ったら婚約解消して、王家から慰謝料がっぽり取ってやろう。
領地に戻って慰謝料で死ぬまでぐーたらして暮らすぞ。
私は大きなため息をついた。
窓か。窓から外を見る。
ここは何階だろう? 飛び降りたらきっと死ぬな。それにしても我が家の防犯対策どうなってるわけ? 私は王太子の婚約者なのよ。護衛や影はついてないわけ? いや、護衛はたしかついていたな。護衛どうしたのよ。まさか犯人とグルだったとか?それにしても家の中にいて誘拐されるって普通ないでしょう。本当に公爵家の騎士団も何してるのよ。全く腹立つ。
さて、どうしたものかと思っていたら足音が聞こえてきた。
「これはこれはシュラット公爵令嬢、お目覚めですかな」
あっ、あの時のあの人だわ。なるほどそういうことか。
私の目の前に現れたのはナムーリ国の使節団の人だった。
あの時は第3王女だけの単独犯行だということになり、使節団は罪に問われず国に帰ったのだったわね。
この人たちも私の結婚式の来賓に紛れて我が国に来ていたのか。ということはここはどこかの宿泊施設だな。この部屋の雰囲気は高級ホテルだ。
しかし、ナムーリ国の人って我が家以上に危機管理意識薄いと見た。どこに泊まっているかなんて調べればすぐにわかるじゃない。しかも、前に一度やらかしているのだから、我が国としては他の国より注意を向けているはず。
まぁ、先にメイドを潜入させていたとは用意周到だ。きっとあのメイド以外にも何人か潜入しているのだろう。本当に何度も言うけど、シュラット公爵家の危機管理はどうなっているんだ。帰ったら文句を言わねば。帰れたらだけど。
ちょっと待てよ。あまりにも簡単に誘拐されすぎじゃない? いくらなんでもあり得ない。クロエが私から離れる訳もないし、これ、ひょっとして私を囮にしたの? まぁそれならそれでいいけどね。
「それで、私をどうするおつもりですか?」
私はその男に聞いてみた。
「死んでもらいますよ」
やっぱり殺すつもりか。
「私を殺せばラックノーラン国とナムーリ国は戦争になります。戦争になればナムーリ国は滅びますがそれでいいのですね。ナムーリ国の罪もない国民があなたのせいで皆国を失います」
「姫を殺しておいてよくそんな事が言えるな。お前は賊に殺されるんだ。ナムーリ国の者の手にかかったなど誰にもわからぬわ」
男は笑っている。
「あなたね。馬鹿じゃないの? ナムーリ国には影とかいないの? 第3王女は生きているわよ。我が国の王弟殿下と恋に落ち幸せに暮らしているわ。一応罪人だから公に出来なくて行方不明になったことにしているけどね」
男は驚いたのか目を見開き固まっている。
さて、私のハッタリはどこまで通用するかな。助けが来るまで時間稼ぎできればいいんだけどね。
囮なら、そこら辺に影とか助けとかがいるんだろうけどね。
アイク様は私を囮にするような奴だったのか。やっぱり婚約は解消だな。そんな奴と結婚なんてしない。
もう、私を面倒に巻き込まないでほしいよ。
家に帰ったら婚約解消して、王家から慰謝料がっぽり取ってやろう。
領地に戻って慰謝料で死ぬまでぐーたらして暮らすぞ。
私は大きなため息をついた。
167
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
王妃候補に選ばれましたが、全く興味の無い私は野次馬に徹しようと思います
真理亜
恋愛
ここセントール王国には一風変わった習慣がある。
それは王太子の婚約者、ひいては未来の王妃となるべく女性を決める際、何人かの選ばれし令嬢達を一同に集めて合宿のようなものを行い、合宿中の振る舞いや人間関係に対する対応などを見極めて判断を下すというものである。
要は選考試験のようなものだが、かといってこれといった課題を出されるという訳では無い。あくまでも令嬢達の普段の行動を観察し、記録し、判定を下すというシステムになっている。
そんな選ばれた令嬢達が集まる中、一人だけ場違いな令嬢が居た。彼女は他の候補者達の観察に徹しているのだ。どうしてそんなことをしているのかと尋ねられたその令嬢は、
「お構い無く。私は王妃の座なんか微塵も興味有りませんので。ここには野次馬として来ました」
と言い放ったのだった。
少し長くなって来たので短編から長編に変更しました。
【完結】公爵令嬢に転生したので両親の決めた相手と結婚して幸せになります!
永倉伊織
恋愛
ヘンリー・フォルティエス公爵の二女として生まれたフィオナ(14歳)は、両親が決めた相手
ルーファウス・ブルーム公爵と結婚する事になった。
だがしかし
フィオナには『昭和・平成・令和』の3つの時代を生きた日本人だった前世の記憶があった。
貴族の両親に逆らっても良い事が無いと悟ったフィオナは、前世の記憶を駆使してルーファウスとの幸せな結婚生活を模索する。
前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
突然決められた婚約者は人気者だそうです。押し付けられたに違いないので断ってもらおうと思います。
橘ハルシ
恋愛
ごくごく普通の伯爵令嬢リーディアに、突然、降って湧いた婚約話。相手は、騎士団長の叔父の部下。侍女に聞くと、どうやら社交界で超人気の男性らしい。こんな釣り合わない相手、絶対に叔父が権力を使って、無理強いしたに違いない!
リーディアは相手に遠慮なく断ってくれるよう頼みに騎士団へ乗り込むが、両親も叔父も相手のことを教えてくれなかったため、全く知らない相手を一人で探す羽目になる。
怪しい変装をして、騎士団内をうろついていたリーディアは一人の青年と出会い、そのまま一緒に婚約者候補を探すことに。
しかしその青年といるうちに、リーディアは彼に好意を抱いてしまう。
全21話(本編20話+番外編1話)です。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる