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レティシア・ゲイル
3話 ブルーノ
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陛下が使者に託した文書には、なんの権限もないのに勝手なことをした、沙汰が下るまで4人をそれぞれの家で謹慎させよ書いてあったようで、4人は軟禁されているみたいだ。
ミランダは何のお咎めも受けてないようだ。義弟のコンラートは養子縁組を解消されて、子爵家に戻ったので、子爵家で軟禁されている。
3日後、陛下達は隣国の魔法使いの力を借り、移動魔法で我が国に戻ってきた。やはり生きている人間は魔法が使える方が便利だ。まぁ、幽霊はなんでもありだけどね。
陛下は使者を通し、暗部と騎士団に捜査を命じていて、それらの調べで私が冤罪で殺されたことが立証され、殿下達のやったことが国中の知るところとなった。
私の名誉は回復されたのだが、復讐はやめない。だって無実なのに、問答無用で殺されたのだもの。腹の虫がおさまらない。復讐してもバチは当たらないわよね。
今はブルーノの部屋にいる。ブルーノももちろん謹慎中で自室に軟禁されている。父親の騎士団長が隣国から戻ってすぐ、かなり殴られたようで、酷い顔だ。
私は毎日ブルーノの前に姿を見せた。最初は幻覚だ、気のせいだと言っていたが、さすがに毎日悲しい顔で姿を見せ、最近は喋ったり、触ったりもしている。その上、洗脳するように、取り憑いて呪ってやると囁いているので、ブルーノは恐怖に囚われているようだ。
今日は頭を手に持ち、血を流しながら、うらめしそうな顔をしてブルーノを見つめて見た。ブルーノは脳筋で、一見豪胆そうだが実は気が小さい。
復讐の一番手にブルーノを選んだのは、私に直接危害を加えたことと、気が小さいからきっと怖がるだろうと思ったからだ。
私は部屋の隅に立ち、何も言わずにじっとブルーノを見る。
「レティシア……」
私に気づいて顔色が悪くなる。私はブルーノのすぐ傍に移動した。
「ねぇ、ブルーノ様、身体と頭が離れてしまった。あなたのせい?」
「ち、ちがう! 悪いのは殿下だ。出るなら殿下のところへ行ってくれ! 俺は殿下の命令でやっただけだ。来るな! 来ないでくれ!」
大声で叫んでいる。
「あなたに捻り上げられたこの腕、骨が折れたみたい。痛いわ」
「殿下だ! 殿下に命令されて仕方なかったんだ!」
「あら、そうかしら? 楽しそうにやってたじゃない? 呪っちゃおうかしら。ふふふ」
手に持っていた血まみれの頭をブルーノの膝の上に置く。
「ぎゃぁ~~~~~!」
あまりにも大きな叫び声をあげたので、何ごとかと、父親が慌てて部屋に飛び込んできた。もちろん父親の目に私は見えない。
「ブルーノ、どうした? しっかりしろ」
声をかけられ、ブルーノはぶるぶると震えながら父親にしがみついた。
「父上、レティシアが……レティシアが……」
「何を言っているのだ。レティシア嬢はすでにこの世にいないではないか。夢でもみたのか?」
ブルーノは首を振る。
「いるんだよ。そこに。ほら、頭を手を持って、血だらけになってそこに立っているんだ! 見えるだろ! ほら、そこ」
見えないわよ。ブルーノだけに見える設定なんですもの。
父親は情けない顔をしてブルーノを見ている。
「お前の良心がレティシア嬢の幻影を見ているのではないか? お前は、殿下に、陛下がお戻りになってから、きちんと取り調べをしてそれで罪を決めるべきだと進言するべきだったな。いや、レティシア嬢がそんなことをする訳がない。あの女に騙されているのだと言うべきだった。何のための側近だ。情けない」
「しかし、あれはレティシアが……」
「愚か者め! レティシア嬢は無実と証明された。さぞかし無念だっただろうな。無実の罪を着せられてお前達に殺害されたんだからな」
「違う! 違います! レティシアはミランダを虐めていたんだ!」
「馬鹿かお前は。相手は男爵令嬢、しかも庶子だ。もし、本当にレティシア嬢が虐めていたとしても、泣き寝入りするしかない。貴族とはそういうものだ。まぁ、あのレティシア嬢がそんなことをするわけがないし、そんなことをする時間もない。彼女は多忙を極めていて、学園もすでに飛び級で卒業している。学園でその男爵令嬢に会うことなどあり得ない」
父親の言葉にブルーノの目を見開いている。
「飛び級で卒業?」
「そんなことも知らなかったのか?」
本当に知らなかったのだろうか? 私は今年は断罪されたパーティーの日にしか学園には行っていない。なので、今年から編入してきた男爵令嬢と会ったのもあの場が初めてだった。
「そういえば、あの時レティシアはミランダと会ったことがないと言っていた。初めて会うと……」
情けない顔で騎士団長はため息をつく。
「そりゃそうだろう。男爵令嬢は今年から編入してきたし、レティシア嬢は去年で卒業していて、学園には行っていない。学期末のパーティーには来賓として出席していたはずだ。出席させなければよかったと陛下が言っていた」
騎士団長の言葉にブルーノははっとしたような顔をした。
「それなら、ミランダは誰にいじめられていたのだ? レティシアにされたと言っていたのに」
「レティシア嬢のアリバイなら王宮の者や学園の影達が証言している。それに少し考えればわかるはずだ。か弱い令嬢が階段から落ちて、かすり傷な訳がないだろう? お前の目は節穴か。情けない」
騎士団長は部屋から出て行った。
「ミランダが嘘をついていたのか?」
ブルーノはポツリとつぶやく。
「そうでしょうね。私はミランダ嬢と面識がないし、学園にも行ってないわ。なんでちゃんと調べもせず私を殺したの?」
後ろから顔を覗きこんだ。
「ぎゃ~~~~」
ブルーノは飛び上がり、床にうずくまった。
「まさか、ミランダが嘘をつくなんて思わなかったんだ。ミランダはか弱くて……」
「か弱いふりをしていたんじゃないの?」
「俺のことを頑張っていると言ってくれた……。頼りにしていると言ってくれた……。」
ハニートラップにコロリと引っかかったのね。
「でも、彼女は殿下を選んだ。あなたは騙されて利用されたの。そして私を殺した。許さない。呪い殺してやる~」
頭のない身体でブルーノの首を絞めるふりをした。ブルーノの首に血まみれの私の手がまとわりつく。
「ぎゃ~~~~、やめてくれ! 助けてくれ! 悪かった。俺が悪かった。呪わないでくれ!」
「許さない。絶対許さない。私と同じように断首にしてやる~。このまま締めて、頭と身体を切り離してやる~」
あら~。
ブルーノは泡を吹き、失禁をして気を失った。
まぁ、こんなもんか。あとは父親の騎士団長に任せて私は次に行くとしよう。
ブルーノ、楽しかったわ。バイバイ。
⭐︎明日も21時に投稿予定です。
ミランダは何のお咎めも受けてないようだ。義弟のコンラートは養子縁組を解消されて、子爵家に戻ったので、子爵家で軟禁されている。
3日後、陛下達は隣国の魔法使いの力を借り、移動魔法で我が国に戻ってきた。やはり生きている人間は魔法が使える方が便利だ。まぁ、幽霊はなんでもありだけどね。
陛下は使者を通し、暗部と騎士団に捜査を命じていて、それらの調べで私が冤罪で殺されたことが立証され、殿下達のやったことが国中の知るところとなった。
私の名誉は回復されたのだが、復讐はやめない。だって無実なのに、問答無用で殺されたのだもの。腹の虫がおさまらない。復讐してもバチは当たらないわよね。
今はブルーノの部屋にいる。ブルーノももちろん謹慎中で自室に軟禁されている。父親の騎士団長が隣国から戻ってすぐ、かなり殴られたようで、酷い顔だ。
私は毎日ブルーノの前に姿を見せた。最初は幻覚だ、気のせいだと言っていたが、さすがに毎日悲しい顔で姿を見せ、最近は喋ったり、触ったりもしている。その上、洗脳するように、取り憑いて呪ってやると囁いているので、ブルーノは恐怖に囚われているようだ。
今日は頭を手に持ち、血を流しながら、うらめしそうな顔をしてブルーノを見つめて見た。ブルーノは脳筋で、一見豪胆そうだが実は気が小さい。
復讐の一番手にブルーノを選んだのは、私に直接危害を加えたことと、気が小さいからきっと怖がるだろうと思ったからだ。
私は部屋の隅に立ち、何も言わずにじっとブルーノを見る。
「レティシア……」
私に気づいて顔色が悪くなる。私はブルーノのすぐ傍に移動した。
「ねぇ、ブルーノ様、身体と頭が離れてしまった。あなたのせい?」
「ち、ちがう! 悪いのは殿下だ。出るなら殿下のところへ行ってくれ! 俺は殿下の命令でやっただけだ。来るな! 来ないでくれ!」
大声で叫んでいる。
「あなたに捻り上げられたこの腕、骨が折れたみたい。痛いわ」
「殿下だ! 殿下に命令されて仕方なかったんだ!」
「あら、そうかしら? 楽しそうにやってたじゃない? 呪っちゃおうかしら。ふふふ」
手に持っていた血まみれの頭をブルーノの膝の上に置く。
「ぎゃぁ~~~~~!」
あまりにも大きな叫び声をあげたので、何ごとかと、父親が慌てて部屋に飛び込んできた。もちろん父親の目に私は見えない。
「ブルーノ、どうした? しっかりしろ」
声をかけられ、ブルーノはぶるぶると震えながら父親にしがみついた。
「父上、レティシアが……レティシアが……」
「何を言っているのだ。レティシア嬢はすでにこの世にいないではないか。夢でもみたのか?」
ブルーノは首を振る。
「いるんだよ。そこに。ほら、頭を手を持って、血だらけになってそこに立っているんだ! 見えるだろ! ほら、そこ」
見えないわよ。ブルーノだけに見える設定なんですもの。
父親は情けない顔をしてブルーノを見ている。
「お前の良心がレティシア嬢の幻影を見ているのではないか? お前は、殿下に、陛下がお戻りになってから、きちんと取り調べをしてそれで罪を決めるべきだと進言するべきだったな。いや、レティシア嬢がそんなことをする訳がない。あの女に騙されているのだと言うべきだった。何のための側近だ。情けない」
「しかし、あれはレティシアが……」
「愚か者め! レティシア嬢は無実と証明された。さぞかし無念だっただろうな。無実の罪を着せられてお前達に殺害されたんだからな」
「違う! 違います! レティシアはミランダを虐めていたんだ!」
「馬鹿かお前は。相手は男爵令嬢、しかも庶子だ。もし、本当にレティシア嬢が虐めていたとしても、泣き寝入りするしかない。貴族とはそういうものだ。まぁ、あのレティシア嬢がそんなことをするわけがないし、そんなことをする時間もない。彼女は多忙を極めていて、学園もすでに飛び級で卒業している。学園でその男爵令嬢に会うことなどあり得ない」
父親の言葉にブルーノの目を見開いている。
「飛び級で卒業?」
「そんなことも知らなかったのか?」
本当に知らなかったのだろうか? 私は今年は断罪されたパーティーの日にしか学園には行っていない。なので、今年から編入してきた男爵令嬢と会ったのもあの場が初めてだった。
「そういえば、あの時レティシアはミランダと会ったことがないと言っていた。初めて会うと……」
情けない顔で騎士団長はため息をつく。
「そりゃそうだろう。男爵令嬢は今年から編入してきたし、レティシア嬢は去年で卒業していて、学園には行っていない。学期末のパーティーには来賓として出席していたはずだ。出席させなければよかったと陛下が言っていた」
騎士団長の言葉にブルーノははっとしたような顔をした。
「それなら、ミランダは誰にいじめられていたのだ? レティシアにされたと言っていたのに」
「レティシア嬢のアリバイなら王宮の者や学園の影達が証言している。それに少し考えればわかるはずだ。か弱い令嬢が階段から落ちて、かすり傷な訳がないだろう? お前の目は節穴か。情けない」
騎士団長は部屋から出て行った。
「ミランダが嘘をついていたのか?」
ブルーノはポツリとつぶやく。
「そうでしょうね。私はミランダ嬢と面識がないし、学園にも行ってないわ。なんでちゃんと調べもせず私を殺したの?」
後ろから顔を覗きこんだ。
「ぎゃ~~~~」
ブルーノは飛び上がり、床にうずくまった。
「まさか、ミランダが嘘をつくなんて思わなかったんだ。ミランダはか弱くて……」
「か弱いふりをしていたんじゃないの?」
「俺のことを頑張っていると言ってくれた……。頼りにしていると言ってくれた……。」
ハニートラップにコロリと引っかかったのね。
「でも、彼女は殿下を選んだ。あなたは騙されて利用されたの。そして私を殺した。許さない。呪い殺してやる~」
頭のない身体でブルーノの首を絞めるふりをした。ブルーノの首に血まみれの私の手がまとわりつく。
「ぎゃ~~~~、やめてくれ! 助けてくれ! 悪かった。俺が悪かった。呪わないでくれ!」
「許さない。絶対許さない。私と同じように断首にしてやる~。このまま締めて、頭と身体を切り離してやる~」
あら~。
ブルーノは泡を吹き、失禁をして気を失った。
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ブルーノ、楽しかったわ。バイバイ。
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