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レティシア・バーレント
13話 ラルフ・シュタインの独白(ラルフ視点)
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俺がレティシア様と初めて会ったのはまだ王宮の騎士になったばかりの頃だった。
伯爵家の三男の俺は継ぐ家がない。貴族でいるには、どこかに婿入りするか、騎士になって騎士爵をもらうしかない。
貴族の世界にうんざりしているし、この容姿と性格では婿入りは難しい。身体が大きく、腕に自信があった俺は騎士になることにした。
しかし、貴族の付き合いが嫌で騎士になったのに、騎士の世界も大して変わらなかった。俺は強いのは強いが、頭が固く融通が利かない。口下手で人付き合いも苦手だ。
強かったせいで、入団してすぐに王宮勤務になった俺は周りからかなり妬まれていて、小さな嫌がらせをちょくちょく受けていた。
あの日は他国から来賓があり、腕が立つからと新人の俺も警備に駆り出された。同じ持ち場の先輩達は俺ひとりに警備を押し付けサボっている。俺の持ち場は人通りが少なく暇といえば暇な場所だ。しかし、そんな場所こそしっかり警備しなくてはならい。いいかげんな先輩達に辟易していた。
先輩から上役が呼んでいると言われ、案内のメイドについてその場所に行くと、そこには誰もいなかった。
「すぐに参りますので少々お待ちください」
栗色の髪のメイドは頭を下げ、姿を消した。
しばらく待ったが、上役が来る様子は全くない。もうすぐ点呼の時間だ。一旦戻って点呼を済ませた後、また来ることにしよう。
俺は上役宛に手紙を残し、部屋から出ようとしたが、鍵がかかっていて扉が開かない。どうやら閉じ込められようだ。
あぁ、またか。疎まれていることはわかっていたが、こんな卑劣な事をするなんて。点呼の時間に間に合わないように閉じ込めて、サボっていたとでも言うつもりだったのだろう。
とにかくここから出なくては。
閉じ込められたのは俺の不覚。上役に訴えたところで仕方のないことだ。こんなことで騎士団を首になるなんて悔しいがあんな奴らの嘘を見抜けなかった自分が悪い。
この部屋にいる事を誰かに気づいてもらう為に、俺は大声を出し続けた。
「誰か! 誰かいませんか! 閉じ込められています!」
どれくらい時間が経っただろう。もう無理かと諦めかけた時、扉の向こうから幼い子供の声が聞こえてきた。
「人の声がしたような気がするわ」
「ここです。この部屋に閉じ込められています。助けてください」
恥を忍んで声を出した。
「まぁ、大変。エマ、鍵を持ってきてちょうだい」
「かしこまりました」
幼女はエマという女に鍵を持ってくるように言った。良かった。これで出られる。男の声が聞こえた。
「私はこの王女宮の侍従長をしておりますヨハンと申します。中におられるのはどなたでしょうか?」
王女宮? ここは王女宮だったのか。
「私は騎士団員で本日の警備をしておりますラルフ・シュタインと申します」
「なぜ、こちらに?」
俺は扉越しにヨハンに先輩達にこの部屋に閉じ込められたと話した。
「先輩達に意地悪をされたのね」
幼女の憐れむような声が聞こえた。
エマという女が鍵を持ってきたようで、ガチャリと音が鳴り、扉が開くと、目の前に年配の男と幼女、そして侍女服を着た中年の女がいた。
「助けていただき、ありがとうございます。いま何時ですか?」
男はポケットから懐中時計を取り出して、時間を教えてくれた。
もう、点呼の時間には間に合わない。勝手に持ち場を離れた俺はきっと首だな。
項垂れている俺に幼女が声をかけた。
「このまま持ち場に戻っても、処分されてしまうわね。本当の事を話しても悪い先輩たちは嘘だと言うでしょう。そうだわ、シュタイン卿は私を助けてくれたことにしましょう」
この、幼女を助けた事? ヨハンが頷く。
「それがよろしいですね。私とエマが証人になります。シュタイン卿は具合いが悪くなった姫様を見つけ、介抱していたということにしましょう」
姫様? まさか、この幼女は身体が弱く、王女宮で静養されているレティシア姫か?
「真実は後程、団長に伝えればいいわ。シュタイン卿、私を抱っこして下さる? そのまま、あなたの上役の元に行くわ」
「ありがとうございます。しかし、姫様、なぜ私のようなものにそこまでして下さるのですか」
「正しい者が邪悪な者に虐げられるのは嫌なの。あなたはきっと優秀な騎士で、妬まれているのでしょう? 優秀なあなたがこんなことで処分されては我が国の損失ですもの。あなたの不利にならないように、上手く。その先輩達も罰します。安心してね」
こんなに幼いのに姫は姫なんだ。
俺は具合いが悪くなった姫様を保護し、介抱していて、点呼時間に間に合わなかっと3人が上役に説明してくれた為、処分されずに済んだ。ただその時は誰かに伝えてから持ち場を離れろとお叱りは受けた。
しかし、ヨハンが緊急を要することだったので、その場には誰もおらず、伝達もできなかったと言ってくれたので、あいつらが俺ひとりに警備を押し付け、サボっていたことも上役にバレ、反対にあいつらが処分された。
それからしばらくして、俺が嫌がらせを受けている話がレティシア姫経由で騎士団長に伝わったようで、それに関係していた者達が皆、処分された。
もちろん、俺がそんな目に会っていたことは表には出ず、俺の誇り護られた。
それからは、あからさまに嫌がらせをされることはなくなった。
俺はレティシア姫様の恩にむくいるために、それまで以上に鍛錬した。いつか姫様専属の護衛騎士になることが俺の目標になった。
そして、俺は近衛騎士になり、国王陛下付きになった。
近衛騎士になり、3年経ったあの日、突然、陛下に呼ばれた。
「ラルフ、お前、レティシアの専属になってくれんか」
陛下がそうおっしゃられた時、身体が震えた。黙り込んでいる俺に陛下は勘違いをしたようだ。
「やっぱり嫌か? これは決して左遷ではないのだ。姫は身体が元気になり、これから社交の場に出ることも増える。お前なら安心して姫を任せられると思うのだ」
誰が左遷などと思うものか。栄転どころか、これ以上の幸せはない。
「御意。有難き幸せ。この命に替えても姫様をお護り致します」
俺は居住いを正し、陛下に即答した。
やっと、やっと姫様に恩を返せる時が来た。俺は天にも昇る気持ちになった。
死んでも姫様を護る。俺は決意を新たにした。
伯爵家の三男の俺は継ぐ家がない。貴族でいるには、どこかに婿入りするか、騎士になって騎士爵をもらうしかない。
貴族の世界にうんざりしているし、この容姿と性格では婿入りは難しい。身体が大きく、腕に自信があった俺は騎士になることにした。
しかし、貴族の付き合いが嫌で騎士になったのに、騎士の世界も大して変わらなかった。俺は強いのは強いが、頭が固く融通が利かない。口下手で人付き合いも苦手だ。
強かったせいで、入団してすぐに王宮勤務になった俺は周りからかなり妬まれていて、小さな嫌がらせをちょくちょく受けていた。
あの日は他国から来賓があり、腕が立つからと新人の俺も警備に駆り出された。同じ持ち場の先輩達は俺ひとりに警備を押し付けサボっている。俺の持ち場は人通りが少なく暇といえば暇な場所だ。しかし、そんな場所こそしっかり警備しなくてはならい。いいかげんな先輩達に辟易していた。
先輩から上役が呼んでいると言われ、案内のメイドについてその場所に行くと、そこには誰もいなかった。
「すぐに参りますので少々お待ちください」
栗色の髪のメイドは頭を下げ、姿を消した。
しばらく待ったが、上役が来る様子は全くない。もうすぐ点呼の時間だ。一旦戻って点呼を済ませた後、また来ることにしよう。
俺は上役宛に手紙を残し、部屋から出ようとしたが、鍵がかかっていて扉が開かない。どうやら閉じ込められようだ。
あぁ、またか。疎まれていることはわかっていたが、こんな卑劣な事をするなんて。点呼の時間に間に合わないように閉じ込めて、サボっていたとでも言うつもりだったのだろう。
とにかくここから出なくては。
閉じ込められたのは俺の不覚。上役に訴えたところで仕方のないことだ。こんなことで騎士団を首になるなんて悔しいがあんな奴らの嘘を見抜けなかった自分が悪い。
この部屋にいる事を誰かに気づいてもらう為に、俺は大声を出し続けた。
「誰か! 誰かいませんか! 閉じ込められています!」
どれくらい時間が経っただろう。もう無理かと諦めかけた時、扉の向こうから幼い子供の声が聞こえてきた。
「人の声がしたような気がするわ」
「ここです。この部屋に閉じ込められています。助けてください」
恥を忍んで声を出した。
「まぁ、大変。エマ、鍵を持ってきてちょうだい」
「かしこまりました」
幼女はエマという女に鍵を持ってくるように言った。良かった。これで出られる。男の声が聞こえた。
「私はこの王女宮の侍従長をしておりますヨハンと申します。中におられるのはどなたでしょうか?」
王女宮? ここは王女宮だったのか。
「私は騎士団員で本日の警備をしておりますラルフ・シュタインと申します」
「なぜ、こちらに?」
俺は扉越しにヨハンに先輩達にこの部屋に閉じ込められたと話した。
「先輩達に意地悪をされたのね」
幼女の憐れむような声が聞こえた。
エマという女が鍵を持ってきたようで、ガチャリと音が鳴り、扉が開くと、目の前に年配の男と幼女、そして侍女服を着た中年の女がいた。
「助けていただき、ありがとうございます。いま何時ですか?」
男はポケットから懐中時計を取り出して、時間を教えてくれた。
もう、点呼の時間には間に合わない。勝手に持ち場を離れた俺はきっと首だな。
項垂れている俺に幼女が声をかけた。
「このまま持ち場に戻っても、処分されてしまうわね。本当の事を話しても悪い先輩たちは嘘だと言うでしょう。そうだわ、シュタイン卿は私を助けてくれたことにしましょう」
この、幼女を助けた事? ヨハンが頷く。
「それがよろしいですね。私とエマが証人になります。シュタイン卿は具合いが悪くなった姫様を見つけ、介抱していたということにしましょう」
姫様? まさか、この幼女は身体が弱く、王女宮で静養されているレティシア姫か?
「真実は後程、団長に伝えればいいわ。シュタイン卿、私を抱っこして下さる? そのまま、あなたの上役の元に行くわ」
「ありがとうございます。しかし、姫様、なぜ私のようなものにそこまでして下さるのですか」
「正しい者が邪悪な者に虐げられるのは嫌なの。あなたはきっと優秀な騎士で、妬まれているのでしょう? 優秀なあなたがこんなことで処分されては我が国の損失ですもの。あなたの不利にならないように、上手く。その先輩達も罰します。安心してね」
こんなに幼いのに姫は姫なんだ。
俺は具合いが悪くなった姫様を保護し、介抱していて、点呼時間に間に合わなかっと3人が上役に説明してくれた為、処分されずに済んだ。ただその時は誰かに伝えてから持ち場を離れろとお叱りは受けた。
しかし、ヨハンが緊急を要することだったので、その場には誰もおらず、伝達もできなかったと言ってくれたので、あいつらが俺ひとりに警備を押し付け、サボっていたことも上役にバレ、反対にあいつらが処分された。
それからしばらくして、俺が嫌がらせを受けている話がレティシア姫経由で騎士団長に伝わったようで、それに関係していた者達が皆、処分された。
もちろん、俺がそんな目に会っていたことは表には出ず、俺の誇り護られた。
それからは、あからさまに嫌がらせをされることはなくなった。
俺はレティシア姫様の恩にむくいるために、それまで以上に鍛錬した。いつか姫様専属の護衛騎士になることが俺の目標になった。
そして、俺は近衛騎士になり、国王陛下付きになった。
近衛騎士になり、3年経ったあの日、突然、陛下に呼ばれた。
「ラルフ、お前、レティシアの専属になってくれんか」
陛下がそうおっしゃられた時、身体が震えた。黙り込んでいる俺に陛下は勘違いをしたようだ。
「やっぱり嫌か? これは決して左遷ではないのだ。姫は身体が元気になり、これから社交の場に出ることも増える。お前なら安心して姫を任せられると思うのだ」
誰が左遷などと思うものか。栄転どころか、これ以上の幸せはない。
「御意。有難き幸せ。この命に替えても姫様をお護り致します」
俺は居住いを正し、陛下に即答した。
やっと、やっと姫様に恩を返せる時が来た。俺は天にも昇る気持ちになった。
死んでも姫様を護る。俺は決意を新たにした。
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