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レティシア・バーレント
32話 二度目の恋は……(ジークハルト視点)
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平和な我が国に軍隊などない。騎士団が中心になり、海岸線でクレール軍を迎え撃った。
クレール軍は強かったが、留学中に身につけた高度魔法を使い、結界を張ったおかげでなんとか上陸させることはなかった。
しかし、私の結界はまだまだ強度が足りず、私も騎士団員達も負傷してしまった。上陸は許さなかったのだが、すでに潜入していたクレール王国の間者達が王都や他の街で攻撃を始めた。騎士団がなんとかしのいでいたが、もう街は壊滅状態だった。
そんな時、国連軍が我が国に入ってきて、我が軍に加勢してくれた。そして、クレール軍を追い払うことができた。
国連軍の話ではクレール軍のバックにはガイスト王国がいて、ガイスト王が食糧が欲しいがため、我が国を手に入れようとしていたとのこと。
そんなの攻め込んでこなくても輸入という形で話をすれば済むことなのに。
結局、余罪もあり、ガイスト王は捕らえられ、死罪になったらしい。ガイスト王国は周りの大国に分割され吸収されたという。
我が国はクレールとガイストから賠償金を受け取り、国連に力を借り復興をはじめた。
食糧が欲しいための戦争だったからか、田畑や牧場などは攻撃されていない。それだけでもありがたかった。
また、何処かの国に攻め込まれることがあった時のために、我が国は国連主導で軍隊を作ることになった。
5大大国の中の永世中立国である、バーレント王国が軍隊作りを指導してくれる。バーレント王国は戦争はしないが、防御のための戦いはするという国だ。自国防御のために作られた軍隊はどこの国の軍隊より強いらしい。
バーレントの国王自ら団長として、アレンス王国に足を運んでくれた。
我が国初の軍隊作りは、隊員を募集するところからはじまった。
軍隊は騎士団と違って、基本兼業だそうだ。普段は普通に仕事をしていて有事の時だけ兵士として働くという。もちろん何人かは専業の軍人もいるが、それは隊長や副隊長クラスだけだ。
騎士団と兼業する者も多いという。我が国の騎士達ももれなく軍隊に参加した。
誰でも面接を受けられるとしたのがまずかったのだろう。不意を突かれ、面接の見学に来ていたバーレント王が足を刺され、負傷してしまった。
傷はそれほど深くはなかったが、刃に毒が塗られていたため、ダメージが酷かった。
国連から派遣されていたドメル王国の魔導士達が魔法で治療してくれたおかげで毒はすっかり抜けたが、傷が治るまで移動は良くないと、我が国で静養してもらうことになった。
犯人はガイスト王国の間者だった者で、逆恨みでの犯行だった。誰でも良かったと供述している。誰でもいいなら私にしてほしかった。好意で来てくれている他国の王を負傷させるなんて申し訳ない。我が国の護衛騎士達は何をしていのだ!
バーレント王は自国の護衛が情けないし、自分もたるんでいたと我が国を責めなかった。もう、バーレント王には頭が上がらない。私もバーレント王のような国王になると誓った。
それからすぐにアレンス王国から王の様子を見るためだろか、姫がやってきた。アレンスには瞬間移動できる魔馬車という馬車があり、それに乗り、行きたい場所を設定すると一瞬で移動できるらしい。留学していたドメル王国にもそんなものはなかった。馬車ごと移動できるなんて素晴らしい。
アレンス王国の姫はレティシアついう名前だった。
私の初恋の人、兄の元婚約者だったレティシア嬢と同じ名前だ。
しかし、外見は全く違った。
レティシア姫は小柄で柔らかそうな感じ。丸い顔で目が大きく。女性というより、女の子という方がピッタリ来る感じの物凄く可愛らしい人だった。
レティシア・ゲイル嬢が華やかな大輪の真紅の薔薇なら、レティシア姫はラナンキュラスのような可憐な雰囲気だと思った。
しかし、中身は見た目とは違って、剣や弓が得意だったり、馬に乗るのが好きだったり、元気で明るく。少し気の強い、向日葵のような女の子だった。
姫は見かけによらず、とても強く、軍隊の鍛錬などにも参加して、初心者の隊員達をしごいてくれた。
私と手合わせをしたり、遠乗りをしたり、姫と過ごす毎日は、今まで生きてきて初めてと言ってもいいくらいの楽しい日々だった。
私は兄の元婚約者のレティシア嬢が好きだった。一生結婚しないでレティシア嬢の補佐をしようと思っていた。レティシア嬢が殺された時は心に穴が開き何もできなくなった。もう誰も好きになる事はないと思っていたのに、気がついたらレティシア姫と一緒に生きていきたいと思うようになっていた。レティシア姫となら一緒にアレンス王国を良い国にしていける。楽しい一生になる。
レティシア嬢、申し訳ない。薄情な私を許して欲しい。
でも、相手は大国の姫だ。我が国のような復興途中の小国の妃になどなってはくれないだろう。
このまま、バーレント王と一緒に帰国してしまうのを指を咥えて見送るしかないのか。もう後悔はしたくない。
あの時、兄からレティシア嬢を奪っていれば、レティシア嬢は死なずに済んだはず。私が諦めたばかりになくしてしまった。
今度は諦めたくない。何も言わずに見送るなんて嫌だ。
父母に話をしてみた。父母は姫を気に入っているので、そうなると嬉しいと大喜びだった。次はバーレント王だ。
私はバーレント王の元に向かった。
「陛下、私は姫が好きです。こんな復興途中の小国の王子である私が大国の姫を娶りたいなどと、片腹痛いと思われるでしょうが、私は姫を大切に思っています。どうか考えてはもらえないでしょうか」
バーレント王はふわりと微笑んだ。
「レティがそなたの妃になりたいと言ったら私は反対はしない。そなたは人柄も良いし、有能だ。アレンス王国は必ず復興を遂げるだろう。小国とか大国とかは問題ではない。我が国とこのアレンスは距離は離れているが、魔馬車なら一瞬だしな。レティには告白したのか?」
「い、いえ、まだです」
「なら、早く告白しなさい。そういえばラルフとゲオルグが軍隊の指導をしたいのでもうしばらくこちらに残りたいと言っていた。ゲオルグはまだ学生だから、こちらの学校に留学させようと思う。そうなると婚約者でレティの親友のゾイゼ公爵令嬢も来るだろうし、レティも留学させるのもありだな。まぁ、私は基本的には賛成だ。あとは自分でレティを口説くんだな」
肩をポンと叩かれた。
有難い。バーレント王が味方なら怖いものはない。
そうだ、あの湖畔でレティシア姫に結婚を申し込もう。私はすぐに姫と遠乗りの約束をした。
クレール軍は強かったが、留学中に身につけた高度魔法を使い、結界を張ったおかげでなんとか上陸させることはなかった。
しかし、私の結界はまだまだ強度が足りず、私も騎士団員達も負傷してしまった。上陸は許さなかったのだが、すでに潜入していたクレール王国の間者達が王都や他の街で攻撃を始めた。騎士団がなんとかしのいでいたが、もう街は壊滅状態だった。
そんな時、国連軍が我が国に入ってきて、我が軍に加勢してくれた。そして、クレール軍を追い払うことができた。
国連軍の話ではクレール軍のバックにはガイスト王国がいて、ガイスト王が食糧が欲しいがため、我が国を手に入れようとしていたとのこと。
そんなの攻め込んでこなくても輸入という形で話をすれば済むことなのに。
結局、余罪もあり、ガイスト王は捕らえられ、死罪になったらしい。ガイスト王国は周りの大国に分割され吸収されたという。
我が国はクレールとガイストから賠償金を受け取り、国連に力を借り復興をはじめた。
食糧が欲しいための戦争だったからか、田畑や牧場などは攻撃されていない。それだけでもありがたかった。
また、何処かの国に攻め込まれることがあった時のために、我が国は国連主導で軍隊を作ることになった。
5大大国の中の永世中立国である、バーレント王国が軍隊作りを指導してくれる。バーレント王国は戦争はしないが、防御のための戦いはするという国だ。自国防御のために作られた軍隊はどこの国の軍隊より強いらしい。
バーレントの国王自ら団長として、アレンス王国に足を運んでくれた。
我が国初の軍隊作りは、隊員を募集するところからはじまった。
軍隊は騎士団と違って、基本兼業だそうだ。普段は普通に仕事をしていて有事の時だけ兵士として働くという。もちろん何人かは専業の軍人もいるが、それは隊長や副隊長クラスだけだ。
騎士団と兼業する者も多いという。我が国の騎士達ももれなく軍隊に参加した。
誰でも面接を受けられるとしたのがまずかったのだろう。不意を突かれ、面接の見学に来ていたバーレント王が足を刺され、負傷してしまった。
傷はそれほど深くはなかったが、刃に毒が塗られていたため、ダメージが酷かった。
国連から派遣されていたドメル王国の魔導士達が魔法で治療してくれたおかげで毒はすっかり抜けたが、傷が治るまで移動は良くないと、我が国で静養してもらうことになった。
犯人はガイスト王国の間者だった者で、逆恨みでの犯行だった。誰でも良かったと供述している。誰でもいいなら私にしてほしかった。好意で来てくれている他国の王を負傷させるなんて申し訳ない。我が国の護衛騎士達は何をしていのだ!
バーレント王は自国の護衛が情けないし、自分もたるんでいたと我が国を責めなかった。もう、バーレント王には頭が上がらない。私もバーレント王のような国王になると誓った。
それからすぐにアレンス王国から王の様子を見るためだろか、姫がやってきた。アレンスには瞬間移動できる魔馬車という馬車があり、それに乗り、行きたい場所を設定すると一瞬で移動できるらしい。留学していたドメル王国にもそんなものはなかった。馬車ごと移動できるなんて素晴らしい。
アレンス王国の姫はレティシアついう名前だった。
私の初恋の人、兄の元婚約者だったレティシア嬢と同じ名前だ。
しかし、外見は全く違った。
レティシア姫は小柄で柔らかそうな感じ。丸い顔で目が大きく。女性というより、女の子という方がピッタリ来る感じの物凄く可愛らしい人だった。
レティシア・ゲイル嬢が華やかな大輪の真紅の薔薇なら、レティシア姫はラナンキュラスのような可憐な雰囲気だと思った。
しかし、中身は見た目とは違って、剣や弓が得意だったり、馬に乗るのが好きだったり、元気で明るく。少し気の強い、向日葵のような女の子だった。
姫は見かけによらず、とても強く、軍隊の鍛錬などにも参加して、初心者の隊員達をしごいてくれた。
私と手合わせをしたり、遠乗りをしたり、姫と過ごす毎日は、今まで生きてきて初めてと言ってもいいくらいの楽しい日々だった。
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レティシア嬢、申し訳ない。薄情な私を許して欲しい。
でも、相手は大国の姫だ。我が国のような復興途中の小国の妃になどなってはくれないだろう。
このまま、バーレント王と一緒に帰国してしまうのを指を咥えて見送るしかないのか。もう後悔はしたくない。
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