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レティシア・バーレント
35話 エピローグ
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ジークハルト様は皆の予想どおり賢王となった。
アレンス王国は小国ながら、強い軍隊とバーレント王国、ドメル王国の後ろ盾を持ち、他国からの侵略も戦争も許さない国となった。
フィーネとラルフはアレンス王国に移住し、ずっと私達に仕えてくれている。
ゲオルグとフランチェスカはバーレントに戻り、両国の友好につとめてくれている。
私は3人の王子と姫をひとり産んだ。
三男はゲイルの父母のたっての希望で、ゲイル公爵家の養子となった。
姫はなんと、私と入れ替わりに天に昇っていったレティシア姫の生まれ変わりだった。
生まれてから3歳くらいまでは、レティシアとして生きていた記憶があったようで、色々話を聞かせてくれたが、だんだん記憶が消え、そのうち全くレティシアだったことを忘れてしまった。
ジークハルト様には、結婚式の日に私がレティシア・ゲイルだったとカミングアウトしたのだが、「そんなのとっくにわかっていたよ」と言われてしまった。
結婚してから半世紀が過ぎた。
レティシア・ゲイルも、レティシア・バーレントも、そしてレティシア・アレンスも色々あったけど、今振り返ってみれば楽しい人生だった。
周りのみんなや神様には感謝しかない。
そして、私は今日、愛するジークハルト様や息子達、娘、孫達に囲まれて、最後の時を迎えた。
そうそう、娘はバーレントの兄の息子と結婚したの。バーレントの姫の魂は私の娘になり、バーレントの次期王妃としてバーレントに戻ったの。やはり、収まるところに収まるもんだと思う。
最後の時は城の離宮の自室だった。王位を息子に譲ってから、ジークハルト様と私は離宮でのんびり暮らしていた。
私のベッドの周りには子供や孫、近しい人達が集まっている。
私は一人ひとりの顔を見てにっこりと微笑んだ。
「みんな、ありがとう。今度はちゃんと天に昇るわね」
「「「今度は?」」」
ジークハルト様は以外は不思議そうな顔をしている。
「私もすぐに行くよ。レティをひとりにしておくのは心配だからね」
ジークハルト様が優しく微笑みながら私の頬を撫でる。
「ええ、待っているわ」
私はゆっくりと目を閉じた。
~*~*~*~
目を開くとそこは真っ白な世界だった。
「レティシア様、お久しぶりです。すっかりおばあさんになりましたね」
あら、あの時の神の使いさんだわ。
「迎えにきてくれたのね。ありがとう」
「今度は復讐とか無しですよね?」
「ないわ。あれからずっと幸せな時間を過ごさせてもらったの。素敵な提案をしてくれた神様とあなたには感謝しかないわ」
「良かったです。では、このまま天に昇って下さいますか?」
「ええ、でも……」
「何か心残りがおありですか?」
神の使いは心配そうな顔をしている。
「夫が亡くなった時、天で会えるかしら? お別れの時にすぐに行くと言っていたのだけれど……」
神の使いはファイルと取り出しパラパラとめくっている。
「そうですね。天にいき、落ち着いた頃においでになる予定です。もちろんお会いできますよ。ご心配には及びません」
それなら安心だわ。
「先に行かれているご両親達やアレンスの国王夫妻もレティシア様が来るのを楽しみにお待ちです。さぁ、私がご案内します。今度こそ天に昇りましょう」
みんな待ってくれているのね。
私はこくりと頷き、神の使いの手をとった。
身体がふわりと浮き上がる。すでに魂だけで、身体はないので、正確には魂が浮き上がるかな。
眼下には私を取り囲み泣いている家族が見える。
みんな悲しんでくれているんだな。でも、また会えるから悲しまないでね。
一度目の死の時とは全く違う穏やかで優しい時間。私は神の使いに手をひかれ、ゆっくりと天に昇っていく。
人生に悔いはない。やりたいことは全てやった。
そうね、今度生まれ変わってくる時も、またジークハルト様と結婚したい。
今度は幽霊になって復讐なんてしなくていい平凡な人生がいいな。
貴族も、平民も、王家もない、男も女もみんなが平等でやりたいことをなんで目できる世界がいいな。
そんな世界にいつかなるのかな?
神の使いの顔を見ると、「そんなの私は知りませんよ。そうだ、神の使いになるのはどうですか? レティシア様は神様に好かれているし、すぐに就職できますよ」と笑う。
神の使いか。それも悪くないな。
天界でも楽しいことがありそうだ。私はワクワクしながら光の渦の中を天に向かって昇っていた。
了
***
皆様、ひと月とちょっとお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
別の名前で幽霊小説を書いております私が金峯でも幽霊書いてみようかと、書き始めた小説でした。
本当なら、ジークハルトとの恋バナや留学生活をもう少し書けばよかったかなと思ったりするのですが、初めから6月で終わるつもりでしたので、最後バタバタとはしょりました。
少しお休みをして、また次の作品を書きたいと思っております。
また、お付き合いしてもらえると嬉しいです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
感謝です。
金峯蓮華♡
アレンス王国は小国ながら、強い軍隊とバーレント王国、ドメル王国の後ろ盾を持ち、他国からの侵略も戦争も許さない国となった。
フィーネとラルフはアレンス王国に移住し、ずっと私達に仕えてくれている。
ゲオルグとフランチェスカはバーレントに戻り、両国の友好につとめてくれている。
私は3人の王子と姫をひとり産んだ。
三男はゲイルの父母のたっての希望で、ゲイル公爵家の養子となった。
姫はなんと、私と入れ替わりに天に昇っていったレティシア姫の生まれ変わりだった。
生まれてから3歳くらいまでは、レティシアとして生きていた記憶があったようで、色々話を聞かせてくれたが、だんだん記憶が消え、そのうち全くレティシアだったことを忘れてしまった。
ジークハルト様には、結婚式の日に私がレティシア・ゲイルだったとカミングアウトしたのだが、「そんなのとっくにわかっていたよ」と言われてしまった。
結婚してから半世紀が過ぎた。
レティシア・ゲイルも、レティシア・バーレントも、そしてレティシア・アレンスも色々あったけど、今振り返ってみれば楽しい人生だった。
周りのみんなや神様には感謝しかない。
そして、私は今日、愛するジークハルト様や息子達、娘、孫達に囲まれて、最後の時を迎えた。
そうそう、娘はバーレントの兄の息子と結婚したの。バーレントの姫の魂は私の娘になり、バーレントの次期王妃としてバーレントに戻ったの。やはり、収まるところに収まるもんだと思う。
最後の時は城の離宮の自室だった。王位を息子に譲ってから、ジークハルト様と私は離宮でのんびり暮らしていた。
私のベッドの周りには子供や孫、近しい人達が集まっている。
私は一人ひとりの顔を見てにっこりと微笑んだ。
「みんな、ありがとう。今度はちゃんと天に昇るわね」
「「「今度は?」」」
ジークハルト様は以外は不思議そうな顔をしている。
「私もすぐに行くよ。レティをひとりにしておくのは心配だからね」
ジークハルト様が優しく微笑みながら私の頬を撫でる。
「ええ、待っているわ」
私はゆっくりと目を閉じた。
~*~*~*~
目を開くとそこは真っ白な世界だった。
「レティシア様、お久しぶりです。すっかりおばあさんになりましたね」
あら、あの時の神の使いさんだわ。
「迎えにきてくれたのね。ありがとう」
「今度は復讐とか無しですよね?」
「ないわ。あれからずっと幸せな時間を過ごさせてもらったの。素敵な提案をしてくれた神様とあなたには感謝しかないわ」
「良かったです。では、このまま天に昇って下さいますか?」
「ええ、でも……」
「何か心残りがおありですか?」
神の使いは心配そうな顔をしている。
「夫が亡くなった時、天で会えるかしら? お別れの時にすぐに行くと言っていたのだけれど……」
神の使いはファイルと取り出しパラパラとめくっている。
「そうですね。天にいき、落ち着いた頃においでになる予定です。もちろんお会いできますよ。ご心配には及びません」
それなら安心だわ。
「先に行かれているご両親達やアレンスの国王夫妻もレティシア様が来るのを楽しみにお待ちです。さぁ、私がご案内します。今度こそ天に昇りましょう」
みんな待ってくれているのね。
私はこくりと頷き、神の使いの手をとった。
身体がふわりと浮き上がる。すでに魂だけで、身体はないので、正確には魂が浮き上がるかな。
眼下には私を取り囲み泣いている家族が見える。
みんな悲しんでくれているんだな。でも、また会えるから悲しまないでね。
一度目の死の時とは全く違う穏やかで優しい時間。私は神の使いに手をひかれ、ゆっくりと天に昇っていく。
人生に悔いはない。やりたいことは全てやった。
そうね、今度生まれ変わってくる時も、またジークハルト様と結婚したい。
今度は幽霊になって復讐なんてしなくていい平凡な人生がいいな。
貴族も、平民も、王家もない、男も女もみんなが平等でやりたいことをなんで目できる世界がいいな。
そんな世界にいつかなるのかな?
神の使いの顔を見ると、「そんなの私は知りませんよ。そうだ、神の使いになるのはどうですか? レティシア様は神様に好かれているし、すぐに就職できますよ」と笑う。
神の使いか。それも悪くないな。
天界でも楽しいことがありそうだ。私はワクワクしながら光の渦の中を天に向かって昇っていた。
了
***
皆様、ひと月とちょっとお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
別の名前で幽霊小説を書いております私が金峯でも幽霊書いてみようかと、書き始めた小説でした。
本当なら、ジークハルトとの恋バナや留学生活をもう少し書けばよかったかなと思ったりするのですが、初めから6月で終わるつもりでしたので、最後バタバタとはしょりました。
少しお休みをして、また次の作品を書きたいと思っております。
また、お付き合いしてもらえると嬉しいです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
感謝です。
金峯蓮華♡
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