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プロローグ

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 今日ものんびりとお義母さまとお茶を飲んでいる。

 私はヴィオレッタ・メトロファン。もうすぐ15歳、メトロファン伯爵家の娘だ。

 5歳の時にこの国の第2王子と婚約することになってしまい、それから10年近くほぼ毎日、王宮に通い講師の方々から王子妃になる為の教育を受けていた。

 なのに、なんと婚約解消されてしまったのだ。

 しかも結婚式まであと1年になった時にだ。王子妃教育もすっかり終わり、そろそろ王家の秘密の部分を学びましょうと言われていた。
 
 学んでからじゃなくてよかったわ。そんなの知っちゃったら逃げられないものね。幽閉されて秘密裏に始末されるしかなかったもんね。

 第2王子は使節団として来ていた隣の隣のそのまた隣の南の国の王女と真実の愛とやらに落ち、私と婚約解消し、王女にくっついて行ってしまった。

 まぁ、私はぶっちゃけ第2王子がいまいち好きではなかった。
 感性が全く合わないし、話も噛み合わなかった。はっきり言って嫌なやつだった。それより何より王家なんて勘弁してほしい。

 勉強は好きだから、王子妃教育はそれなりに楽しかったけど、私が第2王子の婚約者に選ばれたのは同じ年くらいの娘が私しかいなかったから。
 公爵家も侯爵家も男ばかりなので伯爵家にもかかわらず私に白羽の矢が立った。まぁ、第2王子の真実の愛は結果オーライだったのだけれど、婚約解消したし、のんびりしようと思っていたら、今度は筆頭公爵家から婚約の打診が来て、お父様はOKしてしまったの。

 ということで今日も私はここアルブラン公爵家のサロンでお義母さまとお茶会中だ。

 婚約して3ヶ月、最近は「もう、ヴィオちゃん優秀だし、教えることも特にないのよ」と仰るお義母さまと一緒に領地に行ったり、公爵家の執務をお手伝いしたりしている。

 15歳の誕生日が来たら結婚式を挙げて、次期アルブラン公爵夫人となる予定だ。

 アルブラン公爵夫妻と私の父母は昔から仲が良く、子供の頃からよく知っている。

 実の両親はもちろん、アルブラン公爵夫妻もまるで実の娘のように私を可愛がってくれている。

今の状態は天国といえば天国なのよね。
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