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クリス様とお茶会2

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*途中からクリスティーナ視点になります*


 今日は私はクリス様とのお茶会だ。
お父さまとお母さまはライザとフィルを連れて王宮に行く。

 ライザと第3王子の顔合わせらしい。うまく行くも行かないも、もう婚約は国同士で決まっているそうなので例え嫌いでも断れないみたいだ。

 まぁ、ライザも第3王子もどちらも良い人達なのできっと上手く行くだろう。


「クリス様は参加しなくてよかったのですか?」
「今日は陛下と王妃様と第3王子だけみたいよ。まだそんなに仰々しくなく、ただお茶を飲むくらいらしいわ」

 クリス様は私が持参したお土産のカヌレを美味しそうに頬張っている。

「ところで、最近若いイケメンと街に繰り出してるらしいじゃない? ちょっとした噂になってるわよ」

 クリス様はクスクス笑っている。

「あぁ、あれは従兄弟ですわ。第3王子の婚約者とその兄です。昨日は弟も一緒に4人で街に買い物に行ってましたの」
「あらそうなの。ふたりでカヌレ食べていたって話よ」

 あ~、確かにふたりでカヌレ食べてたわ。

「ユリウス様が知ったら大変なんじゃない?」

 なぜユリウス様が知ったら大変なんだろ?

「えっ? 従兄弟ですよ。ユリウス様にも紹介しないといけませんね」

「全くヴィオの天然にも困ったものね」




ークリスティーナ視点ー

 ヴィオとは、もう10年近い付き合いになる。

 子供の頃から一緒に王子妃教育を受けた中だ。王子妃教育は結構過酷だったがふたりで励まし合って乗り越えてきた。

 私が婚約した第1王子は当たりだったが、ヴィオが婚約した第2王子はハズレだった。

 なんでヴィオみたいな良い子があんなクソ野郎と結婚しなきゃならないんだろうと怒っていたら、上手い具合に婚約解消できてよかった。
 10年分の苦労に見合った慰謝料は全部あちこちの孤児院に寄附したらしい。

 ヴィオらしいといえばヴィオらしいけどね。

 そのあとすぐに婚約した相手がまたくせ者。ヴィオはなんでこんなに男運が悪いんだろう。

 ヴィオの新しい婚約者のユリウス様は第1王子の側近で騎士。しかも次期筆頭公爵だ。金もある権力もある。見目も麗しい。
 でも、性格が酷い。笑いながら人を殺すような奴だ。あの家はそういう家らしい。

 私は王子と婚約するまでそんな内情は全く知らなかった。
 ヴィオのことはずっと前から狙っていたようだ。ヴィオに対してだけ態度が全く違う。きっと第2王子はユリウス様に消されたんだろうな。

 殿下はユリウス様をからかうのを楽しみにしている。
 いつも無表情なのにヴィオが絡むと崩れる。それを見るのが楽しいらしい。

 昨日も従兄弟だとわかっていたけど、ヴィオが男と楽しげにしていたと殿下と私でからかってやった。

 ユリウス様は血相変えて飛び出して行ったなぁ。

 ヴィオ、ごめんね。まぁ、危害は加えないと思う。

 まぁ、私としてもヴィオが知らない男と結婚するよりは夫の側近と結婚してくれた方がうれしいけど、あんな腹黒い一家の中に入ってヴィオは大丈夫なのかしらね。なんだかちょっと心配になる。

 その従兄弟が良い人だったら、ヴィオを攫っていってくれないかしらね?
 隣国の王子だし、あのユリウス様も手が出せないだろう。

 いや、あの人はきっと手を出すな。ヴィオを手に入れるためならなんでもやりそうで怖いもん。

 ぱっと見は冷酷なイケメンなんだけど、中身は粘着質のヤンデレだよね。

 あ~怖い怖い。ヴィオがんばれ! 私はヴィオを応援してるよ。



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