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今日の王宮ての色々な出来事1
しおりを挟む屋敷に戻ると、すでにお父さま達は戻っていた。
ライザは第3王子のことがすっかり気にいったようだ。
「お姉さま、ライアン殿下ってとっても素敵なの。会うまで嫌な人だったらどうしようと思っていたけれど、良い人でよかったわ」
王家からお土産にもらったマカロンを頬張りながら嬉しそうにしている。
「国王陛下も王妃様も優しいし、この国に嫁いできても大丈夫みたい。安心したわ」
「そうね。第1王子も第1王子妃のクリス様もとっても良い方よ。頼りになるわ」
喜んでいるライザの背中押しをしておいた。
「ライアン殿下って公爵になるんだ?」
リカルドが聞く。
「そうね。婿入りしないなら、公爵になると思うわ。第1王子のアンソニー殿下と第3王子のライアン殿下は同腹で仲もいいし、側近として支えていくのではないかしら」
ライアン殿下が謀反なんてないわね。
「ヴィオも次期公爵夫人だし、ユリウス様はアンソニー殿下の側近だからライザと一緒になる機会もあると思うわ。ヴィオの義母のアルブラン公爵夫人は陛下のお姉さまだし、私の従姉妹なの。ものすごく頼りになる人だから、ライザも頼ればいいと思う。王妃様とも学生時代からの友達だしね」
お母さまはニコニコしながらライザに話しかけている。
我が国は伯爵家以上の女児は12歳から14歳まで3年間淑女学校で淑女教育を受ける。15歳からは結婚したり、王立学校で男子と一緒に学ぶこともできる。
私とクリス様は2人しかいなかったので王子妃教育と淑女教育を一緒にふたりで受けることになった。
なぜか私達が生まれた前後の5年間、伯爵家以上の爵位の家に男児しか生まれなかったからだ。その間淑女学校は休校になった。私の2歳下からは普通に女児が6~7人くらい産まれたのでまた開校となったようだ。
普通通りに女児が沢山産まれていれば私は第2王子の婚約者になることなんかなかったはず。
いくらお父さまが隣国の王子だったとしてもただの伯爵家だ。普通王子は他国の王女か公爵家、侯爵家の令嬢と結婚する。
伯爵令嬢も側妃ならなれるかな? そんな感じだ。
「お姉さま、やっぱりアルブラン次期公爵様と結婚するの? お兄様と結婚する気は無い?」
無い無い!絶対無い!
「無いですわ。私にはユリウス様がおりますし、フィルはお好きな方がいるのではなくって?」
チッ。
えっ? ライザ、今舌打ちした? 王女が舌打ちなんかしちゃダメでしょう。
「お兄さまが好きなわけじゃ無いの。政略結婚よ。我が国の公爵令嬢なんだけど、私は嫌いなの!」
ヤキモチだな。
「ライザは嫌いでも、フィルはそんなことないんじゃないかしら? 一生懸命お土産を選んでいたわよ」
ライザは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「義務でやってるだけだわ」
そう言えばフィルは?
「フィルは一緒に帰ってこなかったの?」
「謁見のあと、アンソニー殿下と約束があると言って残ったよ。留学の話かもしれないね」
お父さまがマカロンをつまみながらそう言う。
あぁ、そうだ。留学したいと言っていたな。
でも、なんで留学するんだろう?
私もマカロンを頬張り、紅茶を飲んだ。
*第1王子→アンソニー
第3王子→ライアン
今更ですがやっと名前がつきました*
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