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私、やらかした?
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私とハインリッヒ様は、護衛騎士達にそのまま奥にある王家のプライベートなゾーンに連れて行かれた。
目の前には先程謁見の間でご挨拶させていただいた国王陛下と王太子殿下がいる。
「ハインリッヒ、これはどういい事かな?」
王太子殿下はハインリッヒ様を見ている。
「なんでもありません。廊下で夜会の会場に戻る道がわからなくなっているご令嬢に声をかけたら、私があまりにも怖かったのか驚かれ、倒れそうになっていたのでお支えしていたところです」
そんなことはない。私が一世一代の愛の告白をし、求婚したのに。無かったことにするつもりなのか。迷惑なのか。私は目から涙がぽろぽろと流れてきた。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。悪いのは私です。この方は何も悪くありません」
私はそう言って頭を下げた。
国王陛下は手を伸ばし、私の頭を撫でた。
「シャーロット嬢、ハインリッヒの言う通りだと受け取っていいのか? 今、ここにいるのはアーノルドと私、そして護衛の者だけだ。皆、口は貝のようにかたい。思っている事は全て述べて良いのだよ」
私は陛下の言葉に首を振った。
「シャーロット嬢、陛下の前で偽りを申すと不敬にあたる。嘘偽りは申さぬように。ハインリッヒもな」
アーノルド殿下がそんな事を言い私をビビらす。
不敬なんて言われても。本当の事を言ったらハインリッヒ様は迷惑だし、嘘をつくと不敬。どうしたらいいのだろう。私は困ったが、せっかくここまで頑張ったのだから、ハインリッヒ様に迷惑をかけることにした。どうせ私は振られるし、もう会うこともない。だったらここで自分の気持ちを伝えよう。
そう思い、深呼吸をした。
「私は謁見の時にこの方にひと目惚れを致しました。夜会の会場でお会いできたらいいなと思っておりましたが、お姿を拝見できず、諦めておりましたところ、お花摘みに行った帰りに道に迷い困っていたところを助けていただきました。ここで離れてしまってはもう二度とお会いできないかもしれないと思い、私が追いかけて、縋りつき、結婚してほしいとお願いいたしました。私などにそのようなことを突然言われ、迷惑に思われているのは存じておりますが、私は好きなのです」
私は一気に思いを話した。
「ハインリッヒ、シャーロット嬢を娶れ。これは王命だ」
国王陛下はそう仰ると私にウインクをした。
えっ? 王命? どうなってるの?
私は狼狽えながらハインリッヒ様を見た。
「仰せのままに」
ハインリッヒ様は難しい顔をしている。
そりゃ国王陛下から王命なんて言われたら断れない。私はうれしいけどハインリッヒ様は迷惑だろうな。
好きな人が嫌な思いをするのは辛い。それに恋人がいるのかもしれない。
私、ひょっとしてやらかした? うわ~。やっちまった。
いつもお父様やお母様、お兄様によくよく考えてから動くように、できれば動くな、何もするなと言われているのに。忘れてた。
「シャーロット! 花を摘みに行ったまま姿が見えないから探していたが、お前、また何かやらかしたのか」
「シュープリームス侯爵、まぁ、そう怒るな」
「陛下、娘がご迷惑をかけたのではありませんか。これはほんとに思い込んだら突っ走ってしまう娘で、家族でいつも言い聞かせているのですが、今日も何かご迷惑をおかけしたのであれば謝罪いたします」
陛下に呼ばれたらしく、護衛の方と共に現れた父が陛下に頭を下げている。
すみませんお父様、私はまたやらかしてしまったようです。
私が項垂れていると、走ってくるような足音が聞こえた。
「陛下、お呼びでしょうか」
「おお、クロフォード侯爵、やっと来たか」
クロフォード侯爵? 誰だろう?
国王陛下は私達を見てにっこり笑った。
「ハインリッヒ・クロフォード、シャーロット・シュープリームス。国王の名において、お前たちふたりに婚姻の命を申し渡す。ハインリッヒ、シャーロット、これは王命だ。辞退することは許さぬ。これから、ふたりの婚姻についての全ての事はアーノルドに任す。ハインリッヒは我が妹の嫡男、お前の従兄弟だ。お前が取り仕切れ。任せたぞ」
え~! アーノルド殿下が仕切るの?
「畏まりました。ハインリッヒの結婚の儀は私が取り仕切ります。ご安心下さい」
アーノルド殿下は国王陛下に礼をする。
お父様とクロフォード侯爵様は何のことかわからず目をパチクリさせている。
結婚できるのはうれしいけど、なんだか大事になっていませんか?
どうしよう。
私は頭をかかえた。
目の前には先程謁見の間でご挨拶させていただいた国王陛下と王太子殿下がいる。
「ハインリッヒ、これはどういい事かな?」
王太子殿下はハインリッヒ様を見ている。
「なんでもありません。廊下で夜会の会場に戻る道がわからなくなっているご令嬢に声をかけたら、私があまりにも怖かったのか驚かれ、倒れそうになっていたのでお支えしていたところです」
そんなことはない。私が一世一代の愛の告白をし、求婚したのに。無かったことにするつもりなのか。迷惑なのか。私は目から涙がぽろぽろと流れてきた。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。悪いのは私です。この方は何も悪くありません」
私はそう言って頭を下げた。
国王陛下は手を伸ばし、私の頭を撫でた。
「シャーロット嬢、ハインリッヒの言う通りだと受け取っていいのか? 今、ここにいるのはアーノルドと私、そして護衛の者だけだ。皆、口は貝のようにかたい。思っている事は全て述べて良いのだよ」
私は陛下の言葉に首を振った。
「シャーロット嬢、陛下の前で偽りを申すと不敬にあたる。嘘偽りは申さぬように。ハインリッヒもな」
アーノルド殿下がそんな事を言い私をビビらす。
不敬なんて言われても。本当の事を言ったらハインリッヒ様は迷惑だし、嘘をつくと不敬。どうしたらいいのだろう。私は困ったが、せっかくここまで頑張ったのだから、ハインリッヒ様に迷惑をかけることにした。どうせ私は振られるし、もう会うこともない。だったらここで自分の気持ちを伝えよう。
そう思い、深呼吸をした。
「私は謁見の時にこの方にひと目惚れを致しました。夜会の会場でお会いできたらいいなと思っておりましたが、お姿を拝見できず、諦めておりましたところ、お花摘みに行った帰りに道に迷い困っていたところを助けていただきました。ここで離れてしまってはもう二度とお会いできないかもしれないと思い、私が追いかけて、縋りつき、結婚してほしいとお願いいたしました。私などにそのようなことを突然言われ、迷惑に思われているのは存じておりますが、私は好きなのです」
私は一気に思いを話した。
「ハインリッヒ、シャーロット嬢を娶れ。これは王命だ」
国王陛下はそう仰ると私にウインクをした。
えっ? 王命? どうなってるの?
私は狼狽えながらハインリッヒ様を見た。
「仰せのままに」
ハインリッヒ様は難しい顔をしている。
そりゃ国王陛下から王命なんて言われたら断れない。私はうれしいけどハインリッヒ様は迷惑だろうな。
好きな人が嫌な思いをするのは辛い。それに恋人がいるのかもしれない。
私、ひょっとしてやらかした? うわ~。やっちまった。
いつもお父様やお母様、お兄様によくよく考えてから動くように、できれば動くな、何もするなと言われているのに。忘れてた。
「シャーロット! 花を摘みに行ったまま姿が見えないから探していたが、お前、また何かやらかしたのか」
「シュープリームス侯爵、まぁ、そう怒るな」
「陛下、娘がご迷惑をかけたのではありませんか。これはほんとに思い込んだら突っ走ってしまう娘で、家族でいつも言い聞かせているのですが、今日も何かご迷惑をおかけしたのであれば謝罪いたします」
陛下に呼ばれたらしく、護衛の方と共に現れた父が陛下に頭を下げている。
すみませんお父様、私はまたやらかしてしまったようです。
私が項垂れていると、走ってくるような足音が聞こえた。
「陛下、お呼びでしょうか」
「おお、クロフォード侯爵、やっと来たか」
クロフォード侯爵? 誰だろう?
国王陛下は私達を見てにっこり笑った。
「ハインリッヒ・クロフォード、シャーロット・シュープリームス。国王の名において、お前たちふたりに婚姻の命を申し渡す。ハインリッヒ、シャーロット、これは王命だ。辞退することは許さぬ。これから、ふたりの婚姻についての全ての事はアーノルドに任す。ハインリッヒは我が妹の嫡男、お前の従兄弟だ。お前が取り仕切れ。任せたぞ」
え~! アーノルド殿下が仕切るの?
「畏まりました。ハインリッヒの結婚の儀は私が取り仕切ります。ご安心下さい」
アーノルド殿下は国王陛下に礼をする。
お父様とクロフォード侯爵様は何のことかわからず目をパチクリさせている。
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どうしよう。
私は頭をかかえた。
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