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プロローグ(ミッシェル)
母があの男に殺された。あの男に母は人生をめちゃくちゃにされた。
何が死んで詫びろだ。死んで詫びるのはお前の方だ。殺してやりたい。
私も姉も、あの男を父親などと思った事はない。
私は祖父から爵位を譲り受け侯爵になった。あの男はそれが気に入らなかったのだろう。逆恨みをし、母を殺した。
私は捕らえられているあの男に会いにいった。
「何しにきた」
「あんたに言っておきたいことがあった」
「なんだ? 爵位を私に渡すと言いに来たか。私はあの女のせいで……」
「母上はあんたのせいで不幸になった。お祖父様から聞いたよ。この縁談はお祖父様が頭を下げて、母上にルブラウン侯爵家に嫁いできてもらったと。ルブラウン侯爵家は母上の実家のシューナアス伯爵家と共同事業をしていた。裕福なシューナアス伯爵家に手を引かれては困るので母上を人質に取ったそうだ。侯爵に言われては伯爵は断る事はできない。母上は婚約の準備をしていた恋人と泣く泣く別れた。あんたは爵位が下の者が婚約の申し込みを断ることなどできると思っていたのか? 母上は死ぬ以外あんたとの結婚を回避する事はできなかったんだよ! あんたにはできただろう? あんたが断れば全ては丸く収まっていたんだよ!」
「嘘だ! あの女の家が私と結婚しなければ共同事業から手を引くと父上を脅したんだ!」
「お祖父様がそう言ったのか?」
「……」
「はっきりしろよ!」
私は怒りが抑えられず、面会室のテーブルを拳でたたいた。
「あんたが好きな女と気楽に暮らしている時、母上はルブラウン侯爵家の為に朝から晩まで身を粉にして働いていた。あんたが遊んでいる時にだよ。あんたのせいで母上の人生はめちゃくちゃになった。本当なら愛する人と結婚して幸せに暮らしていたはずだ。あんたは母上と母上の愛する人の人生を壊したんだ。ふたりはあんたのせいで引き裂かれて、母上は侯爵家の仕事をあんたの代わりにさせられた。そしてあんたに殺された。私はあんたを許さない。絶対に許さない。もちろんお祖父様もお祖母様も許さない。自分に半分流れているこの血も許さない。じゃあな」
私は言いたいことだけ言って面会室を出た。
あいつの反応なんてどうでもよかった。ただ真実を告げておきたかっただけだ。
母上が亡くなってすぐ、墓前でひとりの男が剣で心臓を貫き自死していた。
クロヴィス・スタンリッド卿。前のスタンリッド伯爵の嫡男だったが、ある日突然、廃嫡を願い出て、辺境の地の騎士団に入団したそうだ。死ぬまで独身だったらしい。彼は母上の昔の恋人だった。
別れた後も母上のことだけ思い続けていたようだ。
私はこのふたりの息子として産まれたかった。
自分の血を呪った。
私は妻と離縁し、侯爵家の全てを売った。
妻には莫大な慰謝料、祖父母には小さな家を渡した。
私は残りの金を全て持ち、闇魔導士のもとへ向かった。
何が死んで詫びろだ。死んで詫びるのはお前の方だ。殺してやりたい。
私も姉も、あの男を父親などと思った事はない。
私は祖父から爵位を譲り受け侯爵になった。あの男はそれが気に入らなかったのだろう。逆恨みをし、母を殺した。
私は捕らえられているあの男に会いにいった。
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「あんたに言っておきたいことがあった」
「なんだ? 爵位を私に渡すと言いに来たか。私はあの女のせいで……」
「母上はあんたのせいで不幸になった。お祖父様から聞いたよ。この縁談はお祖父様が頭を下げて、母上にルブラウン侯爵家に嫁いできてもらったと。ルブラウン侯爵家は母上の実家のシューナアス伯爵家と共同事業をしていた。裕福なシューナアス伯爵家に手を引かれては困るので母上を人質に取ったそうだ。侯爵に言われては伯爵は断る事はできない。母上は婚約の準備をしていた恋人と泣く泣く別れた。あんたは爵位が下の者が婚約の申し込みを断ることなどできると思っていたのか? 母上は死ぬ以外あんたとの結婚を回避する事はできなかったんだよ! あんたにはできただろう? あんたが断れば全ては丸く収まっていたんだよ!」
「嘘だ! あの女の家が私と結婚しなければ共同事業から手を引くと父上を脅したんだ!」
「お祖父様がそう言ったのか?」
「……」
「はっきりしろよ!」
私は怒りが抑えられず、面会室のテーブルを拳でたたいた。
「あんたが好きな女と気楽に暮らしている時、母上はルブラウン侯爵家の為に朝から晩まで身を粉にして働いていた。あんたが遊んでいる時にだよ。あんたのせいで母上の人生はめちゃくちゃになった。本当なら愛する人と結婚して幸せに暮らしていたはずだ。あんたは母上と母上の愛する人の人生を壊したんだ。ふたりはあんたのせいで引き裂かれて、母上は侯爵家の仕事をあんたの代わりにさせられた。そしてあんたに殺された。私はあんたを許さない。絶対に許さない。もちろんお祖父様もお祖母様も許さない。自分に半分流れているこの血も許さない。じゃあな」
私は言いたいことだけ言って面会室を出た。
あいつの反応なんてどうでもよかった。ただ真実を告げておきたかっただけだ。
母上が亡くなってすぐ、墓前でひとりの男が剣で心臓を貫き自死していた。
クロヴィス・スタンリッド卿。前のスタンリッド伯爵の嫡男だったが、ある日突然、廃嫡を願い出て、辺境の地の騎士団に入団したそうだ。死ぬまで独身だったらしい。彼は母上の昔の恋人だった。
別れた後も母上のことだけ思い続けていたようだ。
私はこのふたりの息子として産まれたかった。
自分の血を呪った。
私は妻と離縁し、侯爵家の全てを売った。
妻には莫大な慰謝料、祖父母には小さな家を渡した。
私は残りの金を全て持ち、闇魔導士のもとへ向かった。
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