8 / 11
夢なら覚めないで欲しい(ブランシュ視点)
まさかこんなに早くクロヴィス様に会うなんて、しかもいきなり婚約なんてびっくりしてしまう。
これが夢なら覚めないで欲しい。
きっと神様が私を可哀想に思い素敵な夢を見せてくれているのだろう。
婚約が決まってからクロヴィス様は毎日アカデミーの帰りに私に会いにきてくれる。
こんなに幸せでいいのかと不安になるけど夢だしいいよね。
私は13歳になり、アカデミーに入学することになった。
クロヴィス様とヘンリーお兄様はアカデミーの高等科に進み、セレスティアお姉様は高等科の3年生になった。
我が国は13歳になると貴族の子供は皆、王立アカデミーに入学する。中等科は13歳から15歳、16歳から18歳は高等科。高等科は専攻科が分かれている。
クロヴィス様とヘンリーお兄様は経営科、セレスティアお姉様は淑女科に在籍している。
私も前は淑女科にいた。卒業したらクロヴィス様と結婚して幸せになるはずだったのに、あの男と無理矢理結婚させられた。
入学式のあと、アカデミーではパーティーがある。
中等科、高等科の生徒と先生が参加する。
前の入学パーティーはまだクロヴィス様と出会う前だったので父がエスコートしてくれた。
今日はもちろんクロヴィス様がエスコートしてくれる。
入学式は制服だが、パーティーはドレス着用だ。私はクロヴィス様色のドレスを着た。
セレスティアお姉様をエスコートしているのは婚約者のランディス公爵子息のハワード様だ。
お姉様がアカデミーを卒業したらハワード様と結婚することが決まっている。
前にルブラウン家とうちとでしていた共同事業は今はランディス公爵家としていて、ルブラウン家とは全く接点がない。
ルブラウン家はこの夢の中の世界では存在しないのかもしれないな。
「ブランシュ、どうしたの?」
ぼんやりと考えていたら隣にいるクロヴィス様が心配して私の顔を覗き込んできた。
「ありがとうございます。大丈夫ですわ。人が多いのでぼんやりしちゃいました」
私はへへへと笑った。
その時、あの男に似た人の姿を発見した。
いや、間違いなくあの男だ。
一瞬目があったような気がした。
まさか、ここは夢の中の世界。私の夢に勝手に出てこないで! せっかく幸せな気分でいるのに。
クロヴィス様が私の腕をぎゅっと掴んで私を隠すように前に出た。
「ブランシュ、危ないから私の後ろにいるといい」
そうね。さっき人が多くてぼんやりしたと言ったものね。
まさか、クロヴィス様もあの男に気がついて私を隠したなんてそんな事あるわけないわね。
「クロヴィス、ブランシュ、そろそろ家に戻った方がいい」
ヘンリーお兄様が側に来てクロヴィス様にそう言った。
「そうだね。ブランシュも人が多くて疲れたみたいだし、そろそろもどろうか」
言い方は優しいが私に有無を言わせない圧を感じる。私はこくんと頷いた。
会場を出てクロヴィス様のエスコートでスタンリッド家の馬車に乗る。
私達は向かいあって座った。
私はあの時のショックからか、少し震えが止まらない。
クロヴィス様はそれに気がついたようで私の隣に座り直し、私の肩をか抱きしめてくれた。
「結婚はブランシュがアカデミーを卒業してからだと決まったけど、もし、嫌じゃなかったらすぐにでも入籍しないか? 一緒に暮らすのは卒業してからでいい。とにかく早くスタンリッド家の人間になって欲しい」
クロヴィス様が突然そんなことを言う。
「不安なんだ。ブランシュを誰かに取られるんじゃないかって。爵位が上の者がゴリ押ししてきたら逆らえない。でも結婚していたら離縁させてまでブランシュを私が取り上げようとはしないだろう」
爵位が上の者がゴリ押し?
これってルブラウン家の事をいっているのかしら?
嫌だ! 絶対に嫌だ! もうクロヴィス様から離れたくない。
「はい。私もクロヴィス様と早く結婚したいです」
「よかった。では、シューナアス伯爵に話をしてみるね」
クロヴィス様は家に戻るとすぐにご両親に話をしたようだ。次の日スタンリッド家から我が家に話がきた。
父はいい顔はしなかったが、兄や姉も私達の味方になってくれて一緒に父を説得してくれた。
入籍はするが、卒業までは白い結婚を約束すること。結婚式が済むまでは私はシューナアス家で暮らす事。その条件で渋々入籍を認めてくれた。
次の佳き日に私達は入籍し、私はブランシュ・スタンリッドとなった。
これが夢なら覚めないで欲しい。
きっと神様が私を可哀想に思い素敵な夢を見せてくれているのだろう。
婚約が決まってからクロヴィス様は毎日アカデミーの帰りに私に会いにきてくれる。
こんなに幸せでいいのかと不安になるけど夢だしいいよね。
私は13歳になり、アカデミーに入学することになった。
クロヴィス様とヘンリーお兄様はアカデミーの高等科に進み、セレスティアお姉様は高等科の3年生になった。
我が国は13歳になると貴族の子供は皆、王立アカデミーに入学する。中等科は13歳から15歳、16歳から18歳は高等科。高等科は専攻科が分かれている。
クロヴィス様とヘンリーお兄様は経営科、セレスティアお姉様は淑女科に在籍している。
私も前は淑女科にいた。卒業したらクロヴィス様と結婚して幸せになるはずだったのに、あの男と無理矢理結婚させられた。
入学式のあと、アカデミーではパーティーがある。
中等科、高等科の生徒と先生が参加する。
前の入学パーティーはまだクロヴィス様と出会う前だったので父がエスコートしてくれた。
今日はもちろんクロヴィス様がエスコートしてくれる。
入学式は制服だが、パーティーはドレス着用だ。私はクロヴィス様色のドレスを着た。
セレスティアお姉様をエスコートしているのは婚約者のランディス公爵子息のハワード様だ。
お姉様がアカデミーを卒業したらハワード様と結婚することが決まっている。
前にルブラウン家とうちとでしていた共同事業は今はランディス公爵家としていて、ルブラウン家とは全く接点がない。
ルブラウン家はこの夢の中の世界では存在しないのかもしれないな。
「ブランシュ、どうしたの?」
ぼんやりと考えていたら隣にいるクロヴィス様が心配して私の顔を覗き込んできた。
「ありがとうございます。大丈夫ですわ。人が多いのでぼんやりしちゃいました」
私はへへへと笑った。
その時、あの男に似た人の姿を発見した。
いや、間違いなくあの男だ。
一瞬目があったような気がした。
まさか、ここは夢の中の世界。私の夢に勝手に出てこないで! せっかく幸せな気分でいるのに。
クロヴィス様が私の腕をぎゅっと掴んで私を隠すように前に出た。
「ブランシュ、危ないから私の後ろにいるといい」
そうね。さっき人が多くてぼんやりしたと言ったものね。
まさか、クロヴィス様もあの男に気がついて私を隠したなんてそんな事あるわけないわね。
「クロヴィス、ブランシュ、そろそろ家に戻った方がいい」
ヘンリーお兄様が側に来てクロヴィス様にそう言った。
「そうだね。ブランシュも人が多くて疲れたみたいだし、そろそろもどろうか」
言い方は優しいが私に有無を言わせない圧を感じる。私はこくんと頷いた。
会場を出てクロヴィス様のエスコートでスタンリッド家の馬車に乗る。
私達は向かいあって座った。
私はあの時のショックからか、少し震えが止まらない。
クロヴィス様はそれに気がついたようで私の隣に座り直し、私の肩をか抱きしめてくれた。
「結婚はブランシュがアカデミーを卒業してからだと決まったけど、もし、嫌じゃなかったらすぐにでも入籍しないか? 一緒に暮らすのは卒業してからでいい。とにかく早くスタンリッド家の人間になって欲しい」
クロヴィス様が突然そんなことを言う。
「不安なんだ。ブランシュを誰かに取られるんじゃないかって。爵位が上の者がゴリ押ししてきたら逆らえない。でも結婚していたら離縁させてまでブランシュを私が取り上げようとはしないだろう」
爵位が上の者がゴリ押し?
これってルブラウン家の事をいっているのかしら?
嫌だ! 絶対に嫌だ! もうクロヴィス様から離れたくない。
「はい。私もクロヴィス様と早く結婚したいです」
「よかった。では、シューナアス伯爵に話をしてみるね」
クロヴィス様は家に戻るとすぐにご両親に話をしたようだ。次の日スタンリッド家から我が家に話がきた。
父はいい顔はしなかったが、兄や姉も私達の味方になってくれて一緒に父を説得してくれた。
入籍はするが、卒業までは白い結婚を約束すること。結婚式が済むまでは私はシューナアス家で暮らす事。その条件で渋々入籍を認めてくれた。
次の佳き日に私達は入籍し、私はブランシュ・スタンリッドとなった。
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢は結婚前日に親友を捨てた男を許せない
有川カナデ
恋愛
シェーラ国公爵令嬢であるエルヴィーラは、隣国の親友であるフェリシアナの結婚式にやってきた。だけれどエルヴィーラが見たのは、恋人に捨てられ酷く傷ついた友の姿で。彼女を捨てたという恋人の話を聞き、エルヴィーラの脳裏にある出来事の思い出が浮かぶ。
魅了魔法は、かけた側だけでなくかけられた側にも責任があった。
「お兄様がお義姉様との婚約を破棄しようとしたのでぶっ飛ばそうとしたらそもそもお兄様はお義姉様にべた惚れでした。」に出てくるエルヴィーラのお話。
能ある妃は身分を隠す
赤羽夕夜
恋愛
セラス・フィーは異国で勉学に励む為に、学園に通っていた。――がその卒業パーティーの日のことだった。
言われもない罪でコンペーニュ王国第三王子、アレッシオから婚約破棄を大体的に告げられる。
全てにおいて「身に覚えのない」セラスは、反論をするが、大衆を前に恥を掻かせ、利益を得ようとしか思っていないアレッシオにどうするべきかと、考えているとセラスの前に現れたのは――。
(完)婚約破棄ですか? なぜ関係のない貴女がそれを言うのですか? それからそこの貴方は私の婚約者ではありません。
青空一夏
恋愛
グレイスは大商人リッチモンド家の娘である。アシュリー・バラノ侯爵はグレイスよりずっと年上で熊のように大きな体に顎髭が風格を添える騎士団長様。ベースはこの二人の恋物語です。
アシュリー・バラノ侯爵領は3年前から作物の不作続きで農民はすっかり疲弊していた。領民思いのアシュリー・バラノ侯爵の為にお金を融通したのがグレイスの父親である。ところがお金の返済日にアシュリー・バラノ侯爵は満額返せなかった。そこで娘の好みのタイプを知っていた父親はアシュリー・バラノ侯爵にある提案をするのだった。それはグレイスを妻に迎えることだった。
年上のアシュリー・バラノ侯爵のようなタイプが大好きなグレイスはこの婚約話をとても喜んだ。ところがその三日後のこと、一人の若い女性が怒鳴り込んできたのだ。
「あなたね? 私の愛おしい殿方を横からさらっていったのは・・・・・・婚約破棄です!」
そうしてさらには見知らぬ若者までやって来てグレイスに婚約破棄を告げるのだった。
ざまぁするつもりもないのにざまぁになってしまうコメディー。中世ヨーロッパ風異世界。ゆるふわ設定ご都合主義。途中からざまぁというより更生物語になってしまいました。
異なった登場人物視点から物語が展開していくスタイルです。
やさしい・悪役令嬢
きぬがやあきら
恋愛
「そのようなところに立っていると、ずぶ濡れになりますわよ」
と、親切に忠告してあげただけだった。
それなのに、ずぶ濡れになったマリアナに”嫌がらせを指示した張本人はオデットだ”と、誤解を受ける。
友人もなく、気の毒な転入生を気にかけただけなのに。
あろうことか、オデットの婚約者ルシアンにまで言いつけられる始末だ。
美貌に、教養、権力、果ては将来の王太子妃の座まで持ち、何不自由なく育った箱入り娘のオデットと、庶民上がりのたくましい子爵令嬢マリアナの、静かな戦いの火蓋が切って落とされた。
王太子殿下が私を諦めない
風見ゆうみ
恋愛
公爵令嬢であるミア様の侍女である私、ルルア・ウィンスレットは伯爵家の次女として生まれた。父は姉だけをバカみたいに可愛がるし、姉は姉で私に婚約者が決まったと思ったら、婚約者に近付き、私から奪う事を繰り返していた。
今年でもう21歳。こうなったら、一生、ミア様の侍女として生きる、と決めたのに、幼なじみであり俺様系の王太子殿下、アーク・ミドラッドから結婚を申し込まれる。
きっぱりとお断りしたのに、アーク殿下はなぜか諦めてくれない。
どうせ、姉にとられるのだから、最初から姉に渡そうとしても、なぜか、アーク殿下は私以外に興味を示さない? 逆に自分に興味を示さない彼に姉が恋におちてしまい…。
※史実とは関係ない、異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
姉の所為で全てを失いそうです。だから、その前に全て終わらせようと思います。もちろん断罪ショーで。
しげむろ ゆうき
恋愛
姉の策略により、なんでも私の所為にされてしまう。そしてみんなからどんどんと信用を失っていくが、唯一、私が得意としてるもので信じてくれなかった人達と姉を断罪する話。
全12話
愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。