EligereStory

宇津木じゃむ

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◆本編◆

episode.1 新たな人生

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暗い、暗い。


何処までも、暗く周りが分からない。
だが、覚えている事はある。


俺は、教え子である“彼ら”と“彼ら”の仲間の手によって倒された。

かつて、俺は俺の望みと就いて来てくれた仲間の望みのために“世界を壊し、世界を創り変える”という大罪を犯そうとしていた。


(それを教え子達に、それは間違いだと指摘され考えの違いによって衝突した……だったな)


何処で、間違えたのか。
いや、そもそも間違ったやり方だったのか。

“正義”というのは、何を示して“正義”と言えるのだろうか。


(“正義”というのは、定義がないのかもしれないな)


様々な視点から繰り出されるのが、それぞれの“正義”とも言えるのだろう。
だが、その振りかざした“正義”は他人にとっては“悪”なのかもしれない。


(まぁ、終わった事だ)

(俺は、この結果を望んでいたのかもしれない)


元々、死ぬという定義が失った自身にとっての望みというのは“死ぬ”事だ。
呪われし身体から、やっと解放された。

それだけが、望みだった。


この暗やみに身を委ねようと、その瞳を閉じた時だった。
微かに、少女の泣き声を聞いた。


“っ……ぅ……”


それは、気のせいではない。
直ぐ側で、淡い光に包まれては座り込んでは泣いている幼い少女だった。

それは、何処か懐かしくも何処か切なくも感じるのは自分と重ねていたのかもしれない。


「どうしたん、そんな所で泣いて?」

“ぇ……?”


その幼い少女が顔を上げれば、淡い水色の髪色に蒼色の瞳をしているんだというは分かった。


「そのー、なんや?俺に、話せるなら話してみ?少しは、軽くなるで」

“っ……あのね、おにいさんっ”

「おう、話してみ?」


その少女は、自分は“生きていたらいけない存在”なんだという話をしていた。

自分が生きている事で、大切な人達を苦しめて傷つけてしまっている。
何度繰り返しても、同じ“最悪な結末”を迎えては最初に戻るという結果を繰り返しているという。


“もうっ、嫌なの……友達も仲間も……傷つけるなんて、したくないっ”

「……そうやな……」


泣いている少女を優しく抱きしめては、その少女の頭を優しく撫でては少女を落ち着かせていく。


(どうせ、もう“彼処”には戻れない)

「なら、お兄さんが“お嬢ちゃんを殺しに行こう”じゃないか」

“ぇ?”

「誰かを傷つける前に、お兄さんがお嬢ちゃんを殺しに行けば……その“最悪な結末”なんて迎えたりしないやろ?」

“……うんっ……いい、の?”

「おう、構わへんよ」


泣いていた少女は見上げて、此方を見ては嬉しそうに微笑んでいた。
端から聞けば、ヤンデレのような発言だが元々“色々と壊れた”存在だから違和感などない。


(色々と戻れないなら、それを演じればいい)

「お嬢ちゃんの名前、教えてくれへん?ちゃんと、探して殺すからさ?」

“うん……、私は“リィフル”……”


ーちゃんと、殺しに来てね。




眩しい光に包まれて、意識を閉ざすと同時に優しく暖かい温もりを感じていた。
それは、あの少女の温もりなんだと理解してた。


(エエよ、再び演じればエエだけやろ?待っててや、お嬢ちゃん)

(必ず、約束を果たしてやる)



ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



寒いと思い目を覚ましてみれば、大きな樹に寄りかかっていたようだ。
ふと周りを見渡せば、どうりで寒い筈だと理解する。


「……そりゃー、寒いわけやな」


周りは雪が積もっていて、滝なども凍っているのが確認出来る。
その氷で自分の姿を確認しては、少しだけ安心と嫌悪を感じていた。

氷に映った姿は、黒色の髪色にロングウルフカットで長さが膝上ぐらいで尻尾は三つ編みにしてあり、細目にツリ目をした左目がショッキングピンクに右目が若葉色のオッドアイの瞳をして、右耳だけに紅い石が付いたイヤリングをしていて黒色の暗殺者用の軍服にモスグリーンのロングコートに二の腕や腰に合計六つの長いベルトを身に付けた服装をした青年だった。


(生前の姿のままって事は、あの呪いさえも付属済みってわけだな……最悪っ)

「とりあえずは、村か街とかを探すのが最善やな……」


何かを感じて目を閉じれば、少し離れた場所なのだろうか。
何やら、騒がしい声と微かに血の匂いと共に何かが燃えているような匂いもしている。


「…………なんや、明らかに面倒臭い事が起きてるっぽいな」

“レーヴェ、レーヴェっ!”

「っ!?」


いきなり目の前に、金色の毛並みを持った大きな狼が降り立っては嬉しそうに目を輝かせながらも尻尾を振っていた。


「お前っ、なんで………」

“んー、?レーヴェを追いかけたい、そう願ったら行けたわっ!ははっ!”

「………バカやな、相変わらず」


こんな辺境で知らない世界に、自分を追いかけてまでやってくる“仲間”に呆れるしかなかった。
だが、それも含めて何処か嬉しくも感じていた。


“他の奴らも、きっと来るぞ!レーヴェの下にっ!!”

「………………………は?」

“そう!!皆、レーヴェの事を慕ってるし?大好きな“先生”やからなっ!”

「っ~…………、お前らは馬鹿やな………ほんまにっ」





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