Lost†Angel

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あ――――…空が青い……




昼下がりの午後の屋上で足を開いたまま、俺はぼんやりとそんなことを考える。


早く終わんねぇかな……
背中痛い……




「…ンッ…っはぁ、はぁ…アー…もう、…イくッ――ッ…!」

俺の股座で、さっきから夢中で腰を振り続けていた先輩が、俺のナカで射精した。


生暖かい感触が、胎内で拡がるのを感じる。


「……サンキュ湊。また頼むよ」


先輩が下着を上げ、ベルトを締めながら俺に向かって、スッキリした顔で金を渡してくる。


千円札が5枚。


風俗に行けない高校生の小遣いとしては、妥当な金額だろう。

俺は煙草を咥え火を点けながら、折り畳んだ札束を笑顔で受け取る。


小走りで去っていく先輩の背中を見送りながら、チョコレートの香りのする甘ったるい紫煙を肺に取り入れた。



授業をサボって、俺は時々こうやって、不特定多数の男相手に足を開き、小遣い稼ぎをする。


身体を売るのに罪悪感は、微塵も――――無い。

強いて不満を言うなら、コンクリートに当たる背中が痛いことくらい。


――――ヤる場所、変えようかな……


アナルから中出しされた精液がトロッと溢れ、内股を伝うのを指で拭った。



「おい。授業サボって青姦とはいい御身分だな」


不意に頭上から低い声が降って来た。

見上げた先には、担任教師の姿。




「そっちこそ。覗き見とはいい趣味だな」

悪びれる様子もなく、お互い煙草を吸ったまま、まるで挨拶かのような間延びした会話をする。




「生徒指導室に来い」



呼び出された生徒指導室の扉を開ける。

そこは既に見慣れたお馴染みの部屋の景色だった。


そしてそこには当然、担任教師の姿。


「……なんの用ですか?」


棒読みの丁寧語を口に出しながら、面倒臭そうに煙草の空箱を机に投げ捨てた。

煙草を吸いながら担任が、座れとソファーに視線で促す。


「おまえなー……いい加減にしろよ」


態とらしく溜息を吐きながら、隣に腰を下ろす教師を、俺は上目遣いで見上げる。


「何が?」


喫煙のことか、はたまた売春のことか――――


「どっちもだ」


灰皿に吸殻を押し付け火を消すと、担任は俺の顎を掴んだ。

反抗的な目で睨みつけたまま、口端を僅かに上げ薄く唇を開く。




「……生意気な糞餓鬼が」

俺の唇を塞ぎ、そのまま体重を掛けられ、ソファーに押し倒される。


抵抗は、しない――――

四十手前の男の力で押さえつけられたまま、先程中途半端なまま終わった疼きを取り戻す。

教師の目の奥に、明らかに興奮した欲情している雄を感じた。



「このままじゃ、留年決定だぞ」

「……好きにしていいよ」


その台詞は、交渉成立という意味だ。


「…ッ…ん…ッ…」

歯列を割り舌が捻じ込まれ、教師の手が俺のシャツの裾を捲り中に滑り込み、胸板に這い乳首を弄ってくる。

煙草の味のするキスに眩暈がし、力が抜けそうになりながら、蕩けた濡れた瞳を向ける。


「……いい子だな」

教師の口角が歪み舌に噛みつかれ、ビクッと身を強張らせた。

苦悶の表情を浮かべ、無意識に拒むように顔を逸らそうとすると、

それを赦さないとでもいうように両手で固定され、繰り返される舌遣いに翻弄される。



硬くなった乳首を抓られ、甘い吐息が漏れた。

喘ぎたくなくて、咄嗟に自分の指を噛み締める。




単位だって身体で買える。

世の中なんか腐ってる。舐め腐った世の中だ。




「……可愛い啼き声聞かせろよ」


担任教師が俺のベルトを外し、口元から手を外すと、頭上で両手首を纏めて拘束した。

解こうと動かすと革が喰い込み、痛みに表情が歪む。

涙目で睨みつけながら、軽蔑したような冷めた視線を投げる。

反抗的な態度を咎めるように、首筋に歯を立てられビクッと背中を仰け反らせた。


感じそうになるのを我慢しようにも、身体は正直に反応する。


「…ッ…痛…ぃ……」

「好きだろ?無理やりヤられんのが」

「…好き、じゃ…ない…」


耳元で囁かれ耳朶を噛まれる。

掠れた声を絞り出しながら、羞恥心を煽る言葉に目の下が赤くなる。


「嘘吐け。じゃあコレは何だよ?ド変態が」


興奮した教師の大きな手が俺の勃起した性器に触れ、鈴口から溢れる蜜を指先に絡め、嫌がる俺の咥内に突っ込まれた。


「……っや…ンッ…ぅ…んッ…ッく…っはぁ…ァ…」

舌を撫でられ開いた口元から唾液が顎に伝い、胸元を流れていく。


身体を起こされ四つん這いにされると、下着ごとズボンを膝まで下げられ、平手で思い切り尻臀を叩かれた。

「…ぅあァッ……」

バチンと乾いた音が部屋に響き小さく悲鳴を上げ、思わず下腹に力が入るとアナルから精液が垂れ流れ出てきた。

その白濁も指で拭い、咥内に運ぶと舌に塗り付けられ、俺は苦味で目尻に溜まった涙がツーと伝い流れる。


――――クソッ…嫌なのに……!


頭で嫌だと思えば思うほど、身体は素直に感じて淫らに乱れる。



「……ッ…!?」

次の瞬間、何の前触れもなく、いきなりアナルに凶器のようなペニスを捻じ込まれた。


突然の衝撃に声が出ず、酸素を求めるように呼吸を繰り返す。


「…ッアァ…んぁッ…や、だ…、やめ…ッ…」


何とか声を絞り出し、髪を振り乱しながら赦しを懇願する。

先に出されていた白濁のおかげで、滑りはマシとはいえ、痛いのには違いない。


グチュ、ヌチュ…と卑猥な水音が響き、成人した大人の男の赤黒い巨根が、俺の肉壁を強引に抉じ開けるように、好き勝手に出入りしている。


「ホラ、イイ声で啼けよッ…!」

「…っやぁ…んぁ…や、ぁあッん……そこ、ダメッ…」


めちゃくちゃに前立腺を突かれ亀頭が掠めると一際高い声が漏れ、イイ所を容赦なく攻められる。

最奥を激しく犯されながら、俺は細腰をガクガクと揺らし、あられもない嬌声を上げ喘ぎ続けた。


授業終了のチャイムが鳴り、部屋の外の廊下で生徒たちが移動する会話や騒めきが聞こえ、焦った顔で時計を見上げる。


「…ッ…ぁ…ん…も、イ…っ、ちゃ…ぅ…ッ――!!…」


いつ人に見られるかわからないスリルが余計に興奮を高め、内股がビクビクと痙攣し射精した。

ガチガチに勃起していたペニスから、ドピュッと勢い良く白濁が飛び出しソファーに飛び散った。


「…そろそろ…出すぞ、…――――!」

俺がイくのと同時に、俺の中で教師が果て、ドクドクと濃い大量の精液が注ぎ込まれる。


まだ半勃ちのペニスをズルリと体内から引き抜かれると、泡立った精液がアナルから溢れ内股を伝い流れた。



――――最悪だ。早く風呂に入りたい……


無言で衣服を整え部屋から出る去り際に、一服しながら教師が言い放った。


「続きはまた今度な」




放課後、誰よりも早く寮に戻り、誰もいない風呂場でシャワーを浴びた。


こびりついた精液を落とすように、頭から湯を流し続けボディーソープを泡立て、ゴシゴシと強めにボディータオルで擦り続ける。


「…ッ痛ぅ」


アナルから流れる赤と白の液体が内股に伝い、出血していることに気付いた。




――――あの時と同じだ……




鏡の中の自分は、どんな顔をしている?



擦り過ぎた肌が真っ赤になり、ヒリヒリと痛んだ。

いくら洗っても、穢れは落ちない気がした。



……馬鹿みてぇ



自分から望んで自ら汚しているだけじゃないか。

浴室から出て頭からバスタオルを被ったまま、自嘲気味にフッと笑いが溢れた。


「結城…?」

いつの間にか帰ってきた同じ部屋のルームメイトに呼び止められる。


この学校で風紀委員と寮長をやってる人物だった。



通常3年生は一人部屋が与えられるのに、2年生の俺と同部屋にされてるのは、

大方、問題児のお目付役というところだろう。



「………」


「どうしたんだ?…あー、こんなに傷付けて…折角の白い綺麗な肌が台無しじゃないか……」

無言で何も答えない俺の腕を取り、心配そうに声をかけてくる。


「……触んなッ」

声を荒げ腕を振り解くように払った。


一瞬ショックそうな表情を浮かべながら、尚も「大丈夫か?」と声をかける寮長に心底嫌気がさす。


心配してる振りされたって、余計惨めになるだけだ。


――――アンタだってどうせ知ってんだろ?


この学校で暗黙の了解のように、他人が面白可笑しく影で噂してるのは知ってるよ。


金さえ貰えれば誰彼構わず足を開く、糞ビッチだって。

薄汚れた発情期の野良ネコだって、腹の中では嘲笑ってるくせに。



お願いだから……その清廉潔白な手で、穢い俺に触らないでくれ……



「二度と俺に『綺麗』とか言うな」






――――封印したはずの過去が、忘れたい記憶を甦らせる。




好きで女顔に生まれたわけじゃない。


自分の容姿を自慢に思ったことなんて一度だってない。


綺麗や可愛いと言われて、喜ぶ男なんかいるわけない。


どんなナリをしていようと、俺は歴とした男だ。



満員電車の中でさっきから、俺の股間を触り続けてる中年のオッサンは、

本気で俺を男だと思っていないんだろうか?


んなわけあるか―――

どっからどう見たって、学ランの制服姿の男子高生だ。



俺は朝のラッシュの中、入学早々身動きの取れない満員電車の中で、文字通り揉みくちゃにされながら、儀式のような洗礼を受けていた。


――――…暑い……


ボーッとする頭で思考が回らず頬が紅潮し、周囲の熱気にやられ声を出すのも億劫になる。



俺が抵抗しない事を良いことに、人の股座を弄っていた手は下着の中に入っていく――――


流石に身の毛のよだつ思いで、必死に距離を取ろうと動こうとするが、後を追うように指を動かされ鳥肌が立った。


尻の割れ目をなぞる指と、背後から硬くなったモノを押し付けられてる感覚が伝わる。



――――気色悪ぃ……


吐き気を催しそうな程の不快感に襲われる。

俺はこの中年のエスカレートしてくる行為を、ただ窓の外を眺め気付かないフリをしてやり過ごす以外に術がない。



何でもいい――早く着いてくれ……


寮に入ってさえしまえば、明日からもうこんなラッシュに巻き込まれることもなくなる。


既に限界を迎え最寄り駅に着いた瞬間、青褪めた顔でその場に蹲りそうになる。

人波に押され数秒後フラリとそのまま危うくホームに落ちそうになったのを、咄嗟に掴まれた腕に助けられた。



「どうして『助けてくれ』って言わないんだ?」


…え……?


それは冷酷な迄に無表情な顔で、俺をなにか珍しいものでも見るかのように、ただ眺める背の高い男だった。





「…ぅげッ…ゲホッ…ゲホッ……」

ホームの水道のある場所で嘔吐し、嗽を繰り返す俺を眺めながら、男がハンカチを差し出す。



「その制服、おまえうちの学校の生徒だろ?」



うちの…?確かにそう聞こえた。

という事は、この男は、これから俺が通う学校の関係者らしい。



黙ってハンカチを受け取り、脱いだ上着の裾を洗いながら鼻先で嗤う。



俺の制服には中年親父の精液が、べっとりとかけられていた。


「…………『男が男に痴漢された』なんて言って、誰が信じる……?」


黙々と汚れた部分を粗方洗い流し、渡されたハンカチで水分を拭き取る。



こんなこと、一度や二度じゃない。

日常茶飯事に触られてりゃ、残念ながら嫌でも慣れるってもんだ。


「わかるか?アイツら、俺が男だとわかってて触ってくるんだぜ?…気色悪ぃ変態に触られる惨めな気持ちが、アンタにわかるかよ……」



初対面の見ず知らずの男相手に身の上話を語るほど、俺は社交的には出来ていない。


礼だけ述べたらさっさとこの場から、立ち去ってしまうことだけを考えていた。



男は胸ポケットから取り出した煙草の穂先を炙り一服しながら、俺の頭のてっぺんから爪先までを一瞥するように見下ろし、細い紫煙を吐き出した。


……は?―――いやいや、駅のホームなんて禁煙だろうが……

大の大人が何やってんだ――?



俺の思考回路にはお構いなしに男が言葉を吐き出す。



「それだけ色白痩身で華奢な女顔してりゃな、例え男だって構わないっていう物好きもいるだろうよ」



なんだそれ……

まるで俺が悪いみたいじゃねぇか……


無言のままムッとした表情で見上げ相手を睨みつける。


それまで無表情だった男は、俺の顔を正面から見つめるとニヤッと口角を上げ、胸ぐらを掴んで持ち上げると、鼻先が触れる距離まで顔を近付けた。



「恨むんならテメェの容姿を恨むんだな。人形みたいな綺麗な顔に産んでくれた親に感謝しとけ」



それが俺と、一年後担任になる教師との出会いだった。
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