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出港! ~ コルテリアン王国へ ① ~
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「紅茶のお砂糖は?」
「角砂糖1個半で!あっ、ミルクも忘れずにね」
「あれ、マリアってそんなに甘党だったっけ?」
「うん、ちょっと気が変わった気がするの」
「甘いのいいよねえ、私は2個入れちゃおうかな♪」
「いやいや二人とも甘過ぎだろ…
俺はストレートで頼むぜ、ミルクの」
「何よ、ミルクのストレートって!
ティルなんて、直接牛の乳から飲んでいればいいんだわ」
目覚めのいい朝。目の前には昨日買い込んだ、大量のパンたち。
それを3人で囲んで、わいわい食べる朝食の時間。
サラが入れてくれた温かい紅茶は、程よい甘さのミルクと
砂糖で仕上げられており、アールグレイの風味が鼻をつく。
いい香り。
そしてクロワッサンを頬張る。
本当は多分、焼き立てがいいんだろうけど、冷めても全然美味しい。
現実で食べていたコンビニのおにぎりよりも、全然美味しい。
何よりも、こうやって誰かと食卓を囲んで食べられることが
嬉しかった。
「マリア、調子良さそうだな」
「ん?うん、昨晩はよく休めたから」
「それならよかった。
昨日はやっぱり、少し無理させちゃったかなあと思ってたの」
「そりゃあ、あんなセレモニーの後でそのまま出発は鬼だろ。
親父のやつ、しきたりだなんだ、相変わらず頭が硬ぇの」
「そうね。でも今日はもう出港なんだし!
目指せ、南の ”コルテリアン王国” へ!」
「船のチケットってもう取ったんだっけ?」
「んーん、当日しかダメって言われたから、後で買いに行くわ。
マリア、一緒にいきましょう!」
「おっけーい、あとでね」
「あ、マリアそのメロンパン、私が食べようとしてたやつ!」
「ほえ?いっぱいあるからいいじゃない」
「違うの~!!端っこのパリパリしてるところが
多めだったから狙ってたのに~!!!」
サラの気持ちは十分にわかるが、私は既にそのパリパリのメロンパンを
既に頬張ってしまっている。すまない、サラ。
この世界はおそらく思ったよりも面白いし、
居心地もきっと悪くない。
死ぬ前に見ている夢としては上出来じゃない?
そうしたら思い切り楽しく過ごしてみるしかないんじゃない?
現実のことなんてさっぱり忘れて、今は楽しむしかない。
「あ、サラ。紅茶もう一杯欲しいなあ」
「もーーーマリアはっ」
こんなにも、人と話すのが楽しいことがあったのか。
へへ、といたずら風に笑ってみせれば、
サラもまた仕方なさそうに笑っては
私の空いたカップを持って、紅茶を入れてくれた。
「角砂糖1個半で!あっ、ミルクも忘れずにね」
「あれ、マリアってそんなに甘党だったっけ?」
「うん、ちょっと気が変わった気がするの」
「甘いのいいよねえ、私は2個入れちゃおうかな♪」
「いやいや二人とも甘過ぎだろ…
俺はストレートで頼むぜ、ミルクの」
「何よ、ミルクのストレートって!
ティルなんて、直接牛の乳から飲んでいればいいんだわ」
目覚めのいい朝。目の前には昨日買い込んだ、大量のパンたち。
それを3人で囲んで、わいわい食べる朝食の時間。
サラが入れてくれた温かい紅茶は、程よい甘さのミルクと
砂糖で仕上げられており、アールグレイの風味が鼻をつく。
いい香り。
そしてクロワッサンを頬張る。
本当は多分、焼き立てがいいんだろうけど、冷めても全然美味しい。
現実で食べていたコンビニのおにぎりよりも、全然美味しい。
何よりも、こうやって誰かと食卓を囲んで食べられることが
嬉しかった。
「マリア、調子良さそうだな」
「ん?うん、昨晩はよく休めたから」
「それならよかった。
昨日はやっぱり、少し無理させちゃったかなあと思ってたの」
「そりゃあ、あんなセレモニーの後でそのまま出発は鬼だろ。
親父のやつ、しきたりだなんだ、相変わらず頭が硬ぇの」
「そうね。でも今日はもう出港なんだし!
目指せ、南の ”コルテリアン王国” へ!」
「船のチケットってもう取ったんだっけ?」
「んーん、当日しかダメって言われたから、後で買いに行くわ。
マリア、一緒にいきましょう!」
「おっけーい、あとでね」
「あ、マリアそのメロンパン、私が食べようとしてたやつ!」
「ほえ?いっぱいあるからいいじゃない」
「違うの~!!端っこのパリパリしてるところが
多めだったから狙ってたのに~!!!」
サラの気持ちは十分にわかるが、私は既にそのパリパリのメロンパンを
既に頬張ってしまっている。すまない、サラ。
この世界はおそらく思ったよりも面白いし、
居心地もきっと悪くない。
死ぬ前に見ている夢としては上出来じゃない?
そうしたら思い切り楽しく過ごしてみるしかないんじゃない?
現実のことなんてさっぱり忘れて、今は楽しむしかない。
「あ、サラ。紅茶もう一杯欲しいなあ」
「もーーーマリアはっ」
こんなにも、人と話すのが楽しいことがあったのか。
へへ、といたずら風に笑ってみせれば、
サラもまた仕方なさそうに笑っては
私の空いたカップを持って、紅茶を入れてくれた。
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