17 / 26
十七 こわい
しおりを挟む
芙蓉さんたち三人と別れ、少し買い物をしてから神社に帰りました。すると、鳥居をくぐろうとしたところで、見慣れた人影が走ってくるのが見えました。姿隠しのお守りをぎゅっと握りしめ、蘿月様には何も言わず、さっと彼の後ろに隠れました。近くの茂みに引っ張っていきたい気持ちはありましたが、あまりにも不自然ですので、どうか見つからないようにと、祈るしかありません。
「なんでまたいないんだよ、琥珀ねえさん」
「そんなものわたくしだって知りたいわよっ。やっぱり他のところに住んでるんじゃないかしらね!」
ほんの少しだけ様子を伺うと、金剛とほたるが、慌てながら階段を下ってくるところでした。その後ろから躑躅さんが見たこともないような形相で、「また家荒らしやがって! 二度と来るんじゃないわよッ、泥棒ッ、クソガキッ」と言いながら塩を撒いています。ほたるの髪に塩がかかり、小さく悲鳴が上がりますが、躑躅さんはお構いなしでした。ほたるは髪が美しいのが自慢ですから、塩なんてかけられたら大騒ぎするのだと思いましたが、よほど躑躅さんが恐ろしいのか、躑躅さんに歯向かおうなんて気持ちはないようでした。さすがは弱いものは踏みつけるくせに、強いものには媚びへつらう椎名の娘、と言うべきでしょうか。いえ、よく見ると、ドレスではなく着物であっても豪奢なものを選ばせていたほたるが、みすぼらしい、丈の少々合わない着物を身に着けているようでしたので、持っていたうつくしいものたちは皆、質に出してしまったのかもしれません。そしてその服装の惨めさは、金剛も同じでした。金剛もあの西洋館のパーティーで、燕尾服を着ていましたのに、今ではシャツですら着られないようです。
「なんでだよ、なんで琥珀ねえさん出て行ったんだよ。僕らの家よりよっぽど良いだろ」
「二度とうちに帰ってこられないように、さんざん虐めてあげたのにっ。最悪よもう最悪っ。これ以上ないほど最悪! なんでよ、わたくしたちの役に立ててうれしそうだったじゃないのよ、琥珀おねえさまなんて奴隷と一緒じゃないの」
「萩原からの援助、再開してもらわなくちゃ」
「とにかく、はやく見つけなくちゃ。ああもう、塩が落ちてくる!」
彼らはそれから、ここの神社にいると言った志貴様に悪態をつき、再び躑躅さんに塩をかけられて、慌てて逃げ去っていきました。わたくしはその間ずっと、後ろから彼の手を握っていたのですが、いつの間にか柔らかく握り返されていました。そうして、足跡が消えてから、彼らの暴言が心に突き刺さって、その場に座り込みました。喉元に酸っぱいものがこみ上げてきて、わたくしは口を押えます。すぐに蘿月様が振り向いてわたくしを抱え、手早く、躑躅さんに家を片付けてくるように指示しました。
「琥珀」
「あ、の。気持ちわるくて」
蘿月様に支えられて茂みに入り、その場で吐きました。家を荒らされるのは二度目、ほたると金剛がわたくしを探している、きっとお父様もお義母様も。そして連れ戻されたら、きっとひどい折檻が待っていて、今度こそ骨が折れたり、ひどく血が流れたりすかもしれない、あれ、でも、売り物でもあるわたくしを、そこまでひどく扱うかしら。ああ、でも、志貴様はするわ。わたくしが二度と逆らわないように、足を折るか、踵の上のふくらみを切るかもしれないわ――。そう思ったら、恐ろしく、がたがたと身体が震えました。そしてまた、志貴様に穢されそうになった時を思い出して、胃が空っぽになるまで、吐きました。
わたくしは大馬鹿者です。どうして志貴様が大人しくわたくしを手放すと思ったのでしょう。前世のわたくしを穢し、衰弱して死なせてもなお、新しく生まれたわたくしを欲し、再び犯すことを考えるような男が、志貴様です。わたくしを捕えるために、化け物となることを選んだのが、彼です。わたくしが脱走して、本来のかんなぎの役目に戻ったというだけでは、諦めてくれるはずがありません。それなのにわたくしは、つい、優しい場所にいることに、蘿月様に初夜を捧げたことに安心して、自分が連れ戻される想像をするのが怖くて、つい、目を逸らしていたのです。なんて愚かなのでしょう。ずっと蘿月様と躑躅さんがわたくしを一人にしないようにしてくれたのも、志貴様がわたくしを取り戻しに来たとしても、街でうっかり、椎名の家の者に会ったとしても、やすやすと奪われないためだったのです。頭では分かっていたのに実感も持てず、安心しきって暮らしていたわたくしはあまりにも愚かでした。
「琥珀、深呼吸しろ。そう、そうだ。水を飲みにいこう――抱えるぞ、舌噛まないようにするんだ」
泣いていいぞ、と彼は言いました。わたくしはまた過呼吸を起こしそうになって、ひどくせき込んで、蘿月様の首にしがみつきました。どうしましょう、わたくし、こわい、あそこにもどりたくない、こわい、もうあの苦しいのは耐えられない、いやだ、こわい。そう叫んで、わあわあと泣き声をあげます。
「いいか、お前はこわいことから目を背けて、心を守っていたんだ。気に病むことじゃない」
「でも、でも」
大丈夫だ。あの二人はもう、俺が顔を覚えたから、結界の中には入ってこられないよ。お前にもう怖い思いはさせないよ。彼にそう言い聞かせられて、宥められて、お屋敷の中で水を飲まされました。躑躅さんが温かい毛布をありったけ持ってきて、わたくしの身体を覆い、今は休んでいるようにと言いました。
「ごめんなさい、ごめんなさい、わたくしのせいで」
「琥珀が謝ることはないよ。お前は何も悪いことをしていない」
「あんたの血縁がクズなだけ。血縁でもあんなの家族って言わないわよ。あの婚約者も一緒」
「いいか、琥珀。すべてはお前の前世が捻じ曲げられたせいだ。これから正せるよ。お前のこれからは自由になるんだよ」
「でもわたくし、あの家に生まれた以上、わたくし、一生」
蘿月様が毛布ごとわたくしを抱きかかえて、ゆっくりと背を撫でました。それから何か祈りを捧げるように、わたくしの額にそっと口づけました。神様が人間に祈るなんて変だ、と思いましたが、背をさすられ、水を飲まされ、たまに吐いて、額に口づけをされてと繰り返されるうちに、次第に過呼吸と暴れ出したいような気持ちは落ち着いて、わたくしはただぼろぼろと涙を零すのみとなりました。躑躅さんが細かく切った林檎をわたくしの口に押し込んで、少しずつ咀嚼していくうちに、少しずつ言葉を話せるようになってきて、すみません、と呟きます。
「あんたが望むのなら、あの家の連中みんな地獄に落とせるけれど」
「でも、それは」
「分かった。じゃあしないわ」
躑躅さんに林檎を食べさせてもらいながら、わたくしは少しずつ、考えて、言葉を選んで、口にします。
「わたくしは、安寧というものを、知りました。母以外に、愛されるのは、どういうことかを知りました。これほど優しい場所を知ってしまったら、もう、わたくしを支配し、虐げることを喜びとする人たちの場所には、戻れません」
蘿月様は頷いて、乱れたわたくしの髪を撫でます。不思議と安心して、彼の胸に頭を寄せると、彼の手がまた優しく、わたくしの頬を撫でるのでした。
「自由というのは、生きる場所を自分で選ぶことだ」
「でも世の女性は、生きる場所なんて、選べません」
「今は、そうかもしれないな。ただ、いずれそういう世の中になるよ。自分に相応しい場所を自分で選ぶ時が来る」
お前がここを選んだのは定めのためであるけれど、お前が選んで良かったと思う場所にするから。彼はそう呟きました。
「お前が選んだ自由を、奪わせはしないよ。必ず、俺たちはお前を守る」
「守られてばっかりです、わたくし」
「お前がいなければ、俺たちはとっくのとうに討伐されているよ。躑躅も俺もな。お前が傍にいてくれているだけで、十分救われているんだよ」
だから今は安心しなさい。疲れただろう、眠りなさい――。彼の言葉通り、何もかも忘れるように目を閉じて、眠りたい眠りたいと願っているうちに、本当にわたくしは眠りの世界に落ちていました。
「なんでまたいないんだよ、琥珀ねえさん」
「そんなものわたくしだって知りたいわよっ。やっぱり他のところに住んでるんじゃないかしらね!」
ほんの少しだけ様子を伺うと、金剛とほたるが、慌てながら階段を下ってくるところでした。その後ろから躑躅さんが見たこともないような形相で、「また家荒らしやがって! 二度と来るんじゃないわよッ、泥棒ッ、クソガキッ」と言いながら塩を撒いています。ほたるの髪に塩がかかり、小さく悲鳴が上がりますが、躑躅さんはお構いなしでした。ほたるは髪が美しいのが自慢ですから、塩なんてかけられたら大騒ぎするのだと思いましたが、よほど躑躅さんが恐ろしいのか、躑躅さんに歯向かおうなんて気持ちはないようでした。さすがは弱いものは踏みつけるくせに、強いものには媚びへつらう椎名の娘、と言うべきでしょうか。いえ、よく見ると、ドレスではなく着物であっても豪奢なものを選ばせていたほたるが、みすぼらしい、丈の少々合わない着物を身に着けているようでしたので、持っていたうつくしいものたちは皆、質に出してしまったのかもしれません。そしてその服装の惨めさは、金剛も同じでした。金剛もあの西洋館のパーティーで、燕尾服を着ていましたのに、今ではシャツですら着られないようです。
「なんでだよ、なんで琥珀ねえさん出て行ったんだよ。僕らの家よりよっぽど良いだろ」
「二度とうちに帰ってこられないように、さんざん虐めてあげたのにっ。最悪よもう最悪っ。これ以上ないほど最悪! なんでよ、わたくしたちの役に立ててうれしそうだったじゃないのよ、琥珀おねえさまなんて奴隷と一緒じゃないの」
「萩原からの援助、再開してもらわなくちゃ」
「とにかく、はやく見つけなくちゃ。ああもう、塩が落ちてくる!」
彼らはそれから、ここの神社にいると言った志貴様に悪態をつき、再び躑躅さんに塩をかけられて、慌てて逃げ去っていきました。わたくしはその間ずっと、後ろから彼の手を握っていたのですが、いつの間にか柔らかく握り返されていました。そうして、足跡が消えてから、彼らの暴言が心に突き刺さって、その場に座り込みました。喉元に酸っぱいものがこみ上げてきて、わたくしは口を押えます。すぐに蘿月様が振り向いてわたくしを抱え、手早く、躑躅さんに家を片付けてくるように指示しました。
「琥珀」
「あ、の。気持ちわるくて」
蘿月様に支えられて茂みに入り、その場で吐きました。家を荒らされるのは二度目、ほたると金剛がわたくしを探している、きっとお父様もお義母様も。そして連れ戻されたら、きっとひどい折檻が待っていて、今度こそ骨が折れたり、ひどく血が流れたりすかもしれない、あれ、でも、売り物でもあるわたくしを、そこまでひどく扱うかしら。ああ、でも、志貴様はするわ。わたくしが二度と逆らわないように、足を折るか、踵の上のふくらみを切るかもしれないわ――。そう思ったら、恐ろしく、がたがたと身体が震えました。そしてまた、志貴様に穢されそうになった時を思い出して、胃が空っぽになるまで、吐きました。
わたくしは大馬鹿者です。どうして志貴様が大人しくわたくしを手放すと思ったのでしょう。前世のわたくしを穢し、衰弱して死なせてもなお、新しく生まれたわたくしを欲し、再び犯すことを考えるような男が、志貴様です。わたくしを捕えるために、化け物となることを選んだのが、彼です。わたくしが脱走して、本来のかんなぎの役目に戻ったというだけでは、諦めてくれるはずがありません。それなのにわたくしは、つい、優しい場所にいることに、蘿月様に初夜を捧げたことに安心して、自分が連れ戻される想像をするのが怖くて、つい、目を逸らしていたのです。なんて愚かなのでしょう。ずっと蘿月様と躑躅さんがわたくしを一人にしないようにしてくれたのも、志貴様がわたくしを取り戻しに来たとしても、街でうっかり、椎名の家の者に会ったとしても、やすやすと奪われないためだったのです。頭では分かっていたのに実感も持てず、安心しきって暮らしていたわたくしはあまりにも愚かでした。
「琥珀、深呼吸しろ。そう、そうだ。水を飲みにいこう――抱えるぞ、舌噛まないようにするんだ」
泣いていいぞ、と彼は言いました。わたくしはまた過呼吸を起こしそうになって、ひどくせき込んで、蘿月様の首にしがみつきました。どうしましょう、わたくし、こわい、あそこにもどりたくない、こわい、もうあの苦しいのは耐えられない、いやだ、こわい。そう叫んで、わあわあと泣き声をあげます。
「いいか、お前はこわいことから目を背けて、心を守っていたんだ。気に病むことじゃない」
「でも、でも」
大丈夫だ。あの二人はもう、俺が顔を覚えたから、結界の中には入ってこられないよ。お前にもう怖い思いはさせないよ。彼にそう言い聞かせられて、宥められて、お屋敷の中で水を飲まされました。躑躅さんが温かい毛布をありったけ持ってきて、わたくしの身体を覆い、今は休んでいるようにと言いました。
「ごめんなさい、ごめんなさい、わたくしのせいで」
「琥珀が謝ることはないよ。お前は何も悪いことをしていない」
「あんたの血縁がクズなだけ。血縁でもあんなの家族って言わないわよ。あの婚約者も一緒」
「いいか、琥珀。すべてはお前の前世が捻じ曲げられたせいだ。これから正せるよ。お前のこれからは自由になるんだよ」
「でもわたくし、あの家に生まれた以上、わたくし、一生」
蘿月様が毛布ごとわたくしを抱きかかえて、ゆっくりと背を撫でました。それから何か祈りを捧げるように、わたくしの額にそっと口づけました。神様が人間に祈るなんて変だ、と思いましたが、背をさすられ、水を飲まされ、たまに吐いて、額に口づけをされてと繰り返されるうちに、次第に過呼吸と暴れ出したいような気持ちは落ち着いて、わたくしはただぼろぼろと涙を零すのみとなりました。躑躅さんが細かく切った林檎をわたくしの口に押し込んで、少しずつ咀嚼していくうちに、少しずつ言葉を話せるようになってきて、すみません、と呟きます。
「あんたが望むのなら、あの家の連中みんな地獄に落とせるけれど」
「でも、それは」
「分かった。じゃあしないわ」
躑躅さんに林檎を食べさせてもらいながら、わたくしは少しずつ、考えて、言葉を選んで、口にします。
「わたくしは、安寧というものを、知りました。母以外に、愛されるのは、どういうことかを知りました。これほど優しい場所を知ってしまったら、もう、わたくしを支配し、虐げることを喜びとする人たちの場所には、戻れません」
蘿月様は頷いて、乱れたわたくしの髪を撫でます。不思議と安心して、彼の胸に頭を寄せると、彼の手がまた優しく、わたくしの頬を撫でるのでした。
「自由というのは、生きる場所を自分で選ぶことだ」
「でも世の女性は、生きる場所なんて、選べません」
「今は、そうかもしれないな。ただ、いずれそういう世の中になるよ。自分に相応しい場所を自分で選ぶ時が来る」
お前がここを選んだのは定めのためであるけれど、お前が選んで良かったと思う場所にするから。彼はそう呟きました。
「お前が選んだ自由を、奪わせはしないよ。必ず、俺たちはお前を守る」
「守られてばっかりです、わたくし」
「お前がいなければ、俺たちはとっくのとうに討伐されているよ。躑躅も俺もな。お前が傍にいてくれているだけで、十分救われているんだよ」
だから今は安心しなさい。疲れただろう、眠りなさい――。彼の言葉通り、何もかも忘れるように目を閉じて、眠りたい眠りたいと願っているうちに、本当にわたくしは眠りの世界に落ちていました。
10
あなたにおすすめの小説
烏の王と宵の花嫁
水川サキ
キャラ文芸
吸血鬼の末裔として生まれた華族の娘、月夜は家族から虐げられ孤独に生きていた。
唯一の慰めは、年に一度届く〈からす〉からの手紙。
その送り主は太陽の化身と称される上級華族、縁樹だった。
ある日、姉の縁談相手を誤って傷つけた月夜は、父に遊郭へ売られそうになり屋敷を脱出するが、陽の下で倒れてしまう。
死を覚悟した瞬間〈からす〉の正体である縁樹が現れ、互いの思惑から契約結婚を結ぶことになる。
※初出2024年7月
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
わたしにしか懐かない龍神の子供(?)を拾いました~可愛いんで育てたいと思います
あきた
ファンタジー
明治大正風味のファンタジー恋愛もの。
化物みたいな能力を持ったせいでいじめられていたキイロは、強引に知らない家へ嫁入りすることに。
所が嫁入り先は火事だし、なんか子供を拾ってしまうしで、友人宅へ一旦避難。
親もいなさそうだし子供は私が育てようかな、どうせすぐに離縁されるだろうし。
そう呑気に考えていたキイロ、ところが嫁ぎ先の夫はキイロが行方不明で発狂寸前。
実は夫になる『薄氷の君』と呼ばれる銀髪の軍人、やんごとなき御家柄のしかも軍でも出世頭。
おまけに超美形。その彼はキイロに夢中。どうやら過去になにかあったようなのだが。
そしてその彼は、怒ったらとんでもない存在になってしまって。
耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
汐埼ゆたか
キャラ文芸
准教授の藤波怜(ふじなみ れい)が一人静かに暮らす一軒家。
そこに迷い猫のように住み着いた女の子。
名前はミネ。
どこから来たのか分からない彼女は、“女性”と呼ぶにはあどけなく、“少女”と呼ぶには美しい
ゆるりと始まった二人暮らし。
クールなのに優しい怜と天然で素直なミネ。
そんな二人の間に、目には見えない特別な何かが、静かに、穏やかに降り積もっていくのだった。
*****
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※他サイト掲載
あやかし帝都の婚姻譚 〜浄癒の花嫁が祓魔の軍人に溺愛されるまで〜
鳴猫ツミキ
キャラ文芸
【完結】【第一章までで一区切り】時は大正。天羽家に生まれた桜子は、特異な体質から、家族に虐げられた生活を送っていた。すると女学院から帰ったある日、見合いをするよう命じられる。相手は冷酷だと評判の帝国陸軍あやかし対策部隊の四峰礼人だった。※和風シンデレラ風のお話です。恋愛要素が多いですが、あやかし要素が主体です。第9回キャラ文芸大賞に応募しているので、応援して頂けましたら嬉しいです。【第一章で一区切りで単体で読めますので、そこまででもご覧頂けると嬉しいです】。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
離縁の雨が降りやめば
碧月あめり
キャラ文芸
龍の眷属である竜堂家に生まれた葵は、三つのときに美雲神社の一つ目の龍神様の契約花嫁になった。
これは、龍の眷属である竜堂家が行わなければいけない古くからの習わしで、花嫁が十六になるときに龍神との離縁が約束されている。
花嫁が十六歳の誕生日を迎えると、不思議なことに大量の雨が降る。それは龍神が花嫁を現世に戻すために降らせる離縁の雨だと言われていて、雨は三日三晩降り続いたのちに止む。
雨がやめば、離縁された花嫁は次の龍神の花嫁を産むために美雲神社を去らなければいけない。
だが、葵には龍神との離縁後も美雲神社に留まりたい理由があった。
幼い頃から兄のように慕ってきた御蔭という人の存在があるからだ。
白銀の髪に隻眼の御蔭は美しく、どこか不思議な雰囲気を纏っているが美雲神社の人間からは《見えない存在》として扱われている。
御蔭とともにいることを願っている葵だが、彼のほうは葵に無頓着のようだった。
葵が十六の誕生日を迎えた日。不思議な雨が降り始める。習わし通りであれば三日降り続いたあとやむ雨が、なぜか十日以上も降りやまず……。
こちら、あやかし村おこし支援課
柚木ゆず
キャラ文芸
――廃村の危機を救おう――。
水前寺清香、22歳。大学時代の先輩の紹介が切っ掛けで、卒業後は県北部にある天地村(あまちむら)の村おこしをお手伝いすることになりました。
ただ、その村の住人は全員が『あやかし』で――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる