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間反対と変化
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「今日も変わらずか...」
私は持っていた双眼鏡をしまいながら珈琲を飲み干す。
端から見ればストーカーか刑事の張り込みと言った所だろう。
だが私は彼に執着も無いし、愛もないし疑ってもいない。
ただ気になるそれだけだ。
彼は今までの契約者達とは違う。
力を手に入れた人間のやることなんて決まってる。
その力を使いヒーローになるものや、悪用するもの。
大体が手に入れた力を誇示したがる。
そもそも奴等はそう言った人間を選び契約する。
力を使ってくれたほうが奴等の契約を果たしやすくなり
やりやすい。
だが彼等は違う。
私はあの糞医者とは違い学者ではないが、気にならないと言えば嘘になる。
何せあいつとは大違い。
力を使わせようとするためにトラブルを招くイタズラ好きなあいつとは。
まさに正反対と言える。
それだから気になるのかもしれない。
それとも私の本質的には嫌な事だがあのアスクレピオスと似ているのか。
それは分からない。
だが私は今日もこの黒い外郭に身を包みながら観察を続ける。
「あいついつまで居るのじゃ?あれで気づかれていないつもりか?」
「まぁ、力を持った俺を監視したいんだろ?世間ってのはいつもそうさ、力を持ったものを注意する。」
俺はゲームをプレイしながら窓の外を見ながら呆れるメドピアに相槌をうつ。
彼等の仲間にならなかった俺は危険分子なんだろう。
しょうがない。
「それはそうとお前もお前じゃ!なんで外に出んのじゃ!?これじゃあわしも娯楽を楽しめんではないか!」
「よく言うぜババ抜きでボロ負けしてもう一回っていいまくってた癖に」
彼女があまりに言うもんだから適当にババ抜きを教えたらドハマリして深夜までやらされた。
そんな奴が娯楽に楽しめないとは...
「そもそもお主大学生とかいうやつじゃろ!?なんで大学とやらに行かないんじゃ!」
「別に毎日行かなきゃ行けないわけじゃないし、最低限の単位は逃さないようにしてるし。」
「学生はもっと遊ぶのが本分だってにここにも書いておるぞ。」
俺が与えたスマホを見せながらそう言う。
「俺だって遊んでるの!」
「そのぱそこんとやらでか?子供なら外で遊ばんか!」
その反応は親か何かかと思う。
その声を煩いと感じてはいるが不快ではない。
どこか懐かしいような感じがするからだ。
親と一緒に居たことがあまりにないのに、
不思議だ。
彼女をゲーセンにでも連れていこうとも思ったがもう少しこの感覚を味わってもいいかとおもえる。
「聞いとるのか!?」
「はいはい聞いてるよ。」
「それは聞いてない奴が...
こんなやりとりも悪くない。
「アヤメが帰ってこない?」
「えぇ、あの任務優先のあのアヤメが。」
「何かトラブルか?」
「いえ、それならまだいいのですがどうやら前回の誰でしたっけ...」
「隆一君か?」
「あーそれそれ!その隆一君とやらが気になって仕方ないようでして...」
「そうか...あのアヤメが...」
「何を感傷に浸ってるんですか!アヤメは我が組織の...」
「分かっているプロフェッサー。だが面白いと思わんかね?毒蛇と彼女。こんな珍しい食べ合わせはあるまい。」
「それはまぁ...」
社長椅子に座りながらワインをのむ。
その味はいつもと違い少し苦い。
「死に至るか それとも...」
ワインを傾けながら外を見る。
外は静かなのにどこか不穏な空気を感じられた。
二つの人格の出会いは、二つの化学物質の接触のようなものだ。
もしなんらかの反応が起きれば、両方が変質するのだ。
カール・グスタフ・ユング
私は持っていた双眼鏡をしまいながら珈琲を飲み干す。
端から見ればストーカーか刑事の張り込みと言った所だろう。
だが私は彼に執着も無いし、愛もないし疑ってもいない。
ただ気になるそれだけだ。
彼は今までの契約者達とは違う。
力を手に入れた人間のやることなんて決まってる。
その力を使いヒーローになるものや、悪用するもの。
大体が手に入れた力を誇示したがる。
そもそも奴等はそう言った人間を選び契約する。
力を使ってくれたほうが奴等の契約を果たしやすくなり
やりやすい。
だが彼等は違う。
私はあの糞医者とは違い学者ではないが、気にならないと言えば嘘になる。
何せあいつとは大違い。
力を使わせようとするためにトラブルを招くイタズラ好きなあいつとは。
まさに正反対と言える。
それだから気になるのかもしれない。
それとも私の本質的には嫌な事だがあのアスクレピオスと似ているのか。
それは分からない。
だが私は今日もこの黒い外郭に身を包みながら観察を続ける。
「あいついつまで居るのじゃ?あれで気づかれていないつもりか?」
「まぁ、力を持った俺を監視したいんだろ?世間ってのはいつもそうさ、力を持ったものを注意する。」
俺はゲームをプレイしながら窓の外を見ながら呆れるメドピアに相槌をうつ。
彼等の仲間にならなかった俺は危険分子なんだろう。
しょうがない。
「それはそうとお前もお前じゃ!なんで外に出んのじゃ!?これじゃあわしも娯楽を楽しめんではないか!」
「よく言うぜババ抜きでボロ負けしてもう一回っていいまくってた癖に」
彼女があまりに言うもんだから適当にババ抜きを教えたらドハマリして深夜までやらされた。
そんな奴が娯楽に楽しめないとは...
「そもそもお主大学生とかいうやつじゃろ!?なんで大学とやらに行かないんじゃ!」
「別に毎日行かなきゃ行けないわけじゃないし、最低限の単位は逃さないようにしてるし。」
「学生はもっと遊ぶのが本分だってにここにも書いておるぞ。」
俺が与えたスマホを見せながらそう言う。
「俺だって遊んでるの!」
「そのぱそこんとやらでか?子供なら外で遊ばんか!」
その反応は親か何かかと思う。
その声を煩いと感じてはいるが不快ではない。
どこか懐かしいような感じがするからだ。
親と一緒に居たことがあまりにないのに、
不思議だ。
彼女をゲーセンにでも連れていこうとも思ったがもう少しこの感覚を味わってもいいかとおもえる。
「聞いとるのか!?」
「はいはい聞いてるよ。」
「それは聞いてない奴が...
こんなやりとりも悪くない。
「アヤメが帰ってこない?」
「えぇ、あの任務優先のあのアヤメが。」
「何かトラブルか?」
「いえ、それならまだいいのですがどうやら前回の誰でしたっけ...」
「隆一君か?」
「あーそれそれ!その隆一君とやらが気になって仕方ないようでして...」
「そうか...あのアヤメが...」
「何を感傷に浸ってるんですか!アヤメは我が組織の...」
「分かっているプロフェッサー。だが面白いと思わんかね?毒蛇と彼女。こんな珍しい食べ合わせはあるまい。」
「それはまぁ...」
社長椅子に座りながらワインをのむ。
その味はいつもと違い少し苦い。
「死に至るか それとも...」
ワインを傾けながら外を見る。
外は静かなのにどこか不穏な空気を感じられた。
二つの人格の出会いは、二つの化学物質の接触のようなものだ。
もしなんらかの反応が起きれば、両方が変質するのだ。
カール・グスタフ・ユング
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