即席異世界転移して薬草師になった

黒密

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第2章 変わりゆく者達

第十六話 ひと時の休息

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「ふぅ、疲れたな~」

 俺は部屋のベットに倒れてつぶやいた。
 何だか疲れたな、そうえば今何時だろう?
 俺は時計を確認したら、針は十八時を指していた。
 そろそろ夕食か......
 俺達はしばらく部屋でくつろぎ、二十分後に宿の人に夕食の知らせを聞いて食堂に向かった。

「うん、うまい!」

 俺は、一口食べてそう口にした。
 メニューは、サラダにパンそしてオニオンスープに魚のフライだった。
 さてと、食べた後はどうするかな?

 あ、確かユーリにクッキー渡さないとな。
 でも夢の中にどうやって持っていこう......
 するとまた声が聞こえてきた。

「手に持っていれば大丈夫だよ」

 待ってくれ、実はリアンはお前に会いたがっているんだ、だから......

「ああ、そうなんだ......わかった、この事は彼女には話したのかい?」
「いや、この後話すつもりだ」
「わかった、じゃあ君たちに振る舞う紅茶の茶葉でも選んで待っているよ」

 すると声は聞こえなくなった。
 ってあれ?
 俺は確かコーヒーはだぞ。

 でも、どっちでもいけるからまあいっか。
 それよりこの事をリアンに伝えておかないとな。
 俺達はその後、食堂を出て部屋に戻った。

 言うなら今かな。
 俺はリアンに話しかけた。

「リアン、ちょっといいかい?」
「ん? なに?」
「今夜夢の中でユーリに会いに行くんだけどリアンもどうかな? って思ってさ」

 すると、リアンの目つきが変わった。

「本当にあの人に会えるの?」

 俺はその問に頷いた。

「でもどうすれば一緒の夢を見れるの?」
「そこは多分ユーリが何とかしてくれると思うから大丈夫だと思うよ」

 それを聞いてリアンは、何処か不安な表情を浮かべながらもどこか嬉しそうだった。
 俺達は、その後風呂に向かった。
 早く湯船に浸かって疲れを取りたかったし、今夜は早く寝た方が良さそうだしな。

 ちなみに、時計を見たら針は二十時を指していた。

「はぁ、やっぱり癒されるな~」

 やはり風呂が一番リラックスできるような気がするな、ちなみにここは言うまでもなく男風呂である。
 にしても、ここに来るまでにだいぶ素材を集めたけどリラックス効果のある薬は作れないかな。
 取りあえず必要な魔道具も特注で作ってもらえるようだし、今はゆっくり湯船に浸かっているかな。

「ふぅー、いい湯だったな」

 俺は風呂からあがり、部屋に向かっていた。
 リアンを何分か待っていたが、先に戻っているかもしれなかったので一度戻ることにした。

「あら、遅かったじゃない」

 どうやらリアンは、先に戻っていたようだな。
 しかももう寝る準備満々じゃないか......
 今何時だっけ?

 時計を見ると、まだ二十時になったばかりで寝るにはまだ早い気がした。
 寝るとしても二十二時くらいがいいだろうな。
 ユーリも準備してくれているようだし。

「なあ、リアン。 まだ八時だから寝るには早くないか?」

 そう聞くとリアンは、口を開いた。

「なるべく早く会いたいの、ずっと探していたし」

 なるほど、それなら確かにそう思っても仕方ないな。
 だけどまだ寝るには早いしな。
 俺はその後、何とかリアンを説得して二十二時寝ることにした。

「しかし、ユーリもいいな~、リアンにあんなに思われて」

 あくまで俺は、パーティの一人ってだけで今までそういう対象としては見られていないだろうな......
 俺は二十二時まで、薬を作ることにした。
 しかし、あのリアンのいた村は何処に会ったのだろう?

 そうえば彼女は、シベロニアからレイズニアに来ていたって聞いたな。
 としたら次に行くのはシベロニアかな。
 北のネフドナ大陸にあるなら対寒薬とか作っておくかな。

 その後、俺は仕入れて素材で対寒薬と回復薬、そして資金源の万能薬をいくつか作った。
 しかし向こうでも万能薬一つで金貨一枚で売れるかな?
 俺は一応それ以外の薬もいくつか作った。

「疲れた~、何か手が草の臭いがするな、後で石鹸付けて洗っとこ」

 俺は時計を見ると、針は二十一時半を指していた。
 うわ、結構時間たっているな。
 俺は薬を鞄に入れて宿の部屋に戻った。
「はあ~、疲れたな、って準備早いな!?」

 俺は部屋に戻ると、リアンはすでに自分のベッドに入っていた。
 何て言うか、ここまで執着しているとはな。
 俺は心の中でどこか呆れていた。

 だがそれを表情には出さなかった。
 何故なら、今まで探していていた人にようやく会えるなら、やはりここまでするのだろうなって思ったからだ。
 俺は時計を見ると針はもう二十二時になろうとしていた。

 やば、自分で決めたことなのにこのままでは間に合わないな。
 俺は急いで寝る用意を済ませて、部屋の電気を消してベットに入った。

「ねぇ、本当にこれで会えるの?」

 リアンは不安げに聞いてきた。
 まあ、誰だって会いたい人に夢で会えて、しかも好きに話せたり色々できると言われても大体こういう反応だろう。

 俺はリアンの言葉に対してただ、会えるよっとしか言えなかった。
 とにかく今は寝ることだけを考えるか。
 後はユーリに任せるとしよう。

 俺達はすぐに眠りについた。

「う~ん......あれ、ここは?」

 俺は気が付くと、草原の中にいた。
 確かここは、こっちの世界に来る時に初めて来た場所だ。
 ということは、近くにユーリの家があるはずだ。

 ってそうえばリアンは?
 俺は、辺りを見渡した。
 すると、俺のいるところから少し離れた場所で倒れていた。

「おい、リアン! 大丈夫か!?」

 俺は、急いでリアンのもとに駆け寄った。
 すると、リアンはゆっくりと目を覚ました。

「あれ? シン、ここはどこ?」
「ここは夢の中だよ、そしてようこそ僕の世界へ」

 リアンの問いかけにユーリがどこからか現れてそう答えた。

「あれ、あなたは......もしかしてあの時の!?」
「おや? 僕の顔も覚えていてくれたのかい?」

 ユーリがそう聞くと、リアンはユーリに泣きながら抱き着いた。
 俺はただ、黙って見ていることしかできなかった。
 それから二分くらいしてリアンが泣きやんで、ユーリが口を開いた。

「さて、じゃあそろそろ僕の家に行こうか、とっておきの茶葉を用意したよ」

 俺達はユーリに連れられて、ユーリの家に案内された。
 にしても何だか久しぶりな気がするな。
 
   レイズニアやトラリィア、そしてまだ来たばっかだけどテイロニア。
 もうこっちに来てかれこれ一か月近くが立っていた。
 なんかもう少しゆっくりでもよかったような気がするな......

 俺はそう思いながら、ユーリに出された紅茶を一口飲んだ。
 うん、本当にうまいなこの紅茶は......
 するとユーリが微笑みながら話した。

「それはそうだよ、君の居た世界の茶葉の中でもかなりいい茶葉を使ったんだから」

 俺が思うと、ユーリはそう答えた。
 何て言うか、本当にユーリとはほとんど口で話さなくても会話が成立するんだよな。
 そうえばリアンは落ち着いたのだろうか?

 俺はふと、リアンに目を向けると紅茶を飲んで一息ついていた。
 どうやらもう大丈夫そうだな。
 俺は安心してまた一口紅茶を飲み、持ってきたクッキーに手をつけた。

「さて、久しぶりに色々話したいところだがまず先に別の話がある」
「もしかして、この前のアイツの事か?」

 そう聞くと、ユーリが頷いた。

「そうだよ、あいつはとにかくこのまま野放しにはしては置けないからね」 

 まあ、一応ユーリはこの世界の大半を管理する奴だ。
 立場上、あんな危険性の高い奴を野放しにはしないだろう。

「その通り、あれを放っておくとまた被害が出そうだからね」
「ねぇ、さっきから言っているアイツって誰? もしかしてこの前トラリィアで会った化け物のこと?」

 リアンがそう聞くと、ユーリが頷いた。

「でもあの時、確かに倒したはずでしょ?」
「ああ、リアンの言う通り確かにあの時俺は奴を葬り去ったはずなんだ、だけど今日市場で俺は奴に会った、しかも元の人間の状態で」

 そう答えると、リアンは呆気に取られていた。

「まぁ、シンが言った通り奴は今も君達をどこかで狙っているという事だ、計画を邪魔されたことに対する仕返しをするためにね」

 まあ、そうなるだろうな。
 しかし、問題は奴が今俺達と同じ町にいる事は間違いない。
 だが奴は今、町の何処に潜んでるかだ。

 下手に動くと危ないだろうしな、かといって動かないと前には進めない。
 まあ、いずれ決着は付けなければな。

「そうだね、今後の君たちには期待してるよ、できる限りサポートはするよ」

 ユーリはそう答えると、紅茶を飲んだ。

「さて、めんどくさい話は取りあえずこれで終わりだ、せっかくの紅茶が楽しめなくなるからね、リアンもここまで積もる話がいっぱいあるようだし、そっちを僕は聞きたいな」

 その後は、リアンの話やユーリの話を聞きながら、俺は紅茶の味を楽しんだ。
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