15 / 29
第5章 癒す魂と身体編
夢に潜む女神と罪の回帰
しおりを挟む
銀河病院──それは宇宙の果てに存在する、魂を癒す唯一の療養機関。時空の裂け目を超え、幾千万の種族が交錯するこの場所において、少年・比嘉聖悟は新たな人生の“始まり”を迎えていた。
「おはよう、聖悟くん。今日は魂制御訓練と神経反応検査、それから午後には無我の境地セラピーがあるよ」
笑顔でスケジュールを告げるのは、主治医でもある銀河狐。助手の銀河天使ダンも優しくフォローする。
「今日はリュウケンと一緒に瞑想する時間もある。魂の安定は日々の積み重ねだからね」
隣には、今も彼を見守る忠実な相棒リュウケン(一章の最初に見せた姿)が寄り添っていた。銀河病院の技術で再現された心の化身だが、確かにそこには温もりがあった。
“もう誰も傷つけない”
聖悟の毎日は、静かで、平和で、どこか夢のようだった。過去に苦しんだすべてが、まるで遠い彼方の物語のように薄れていく──
……そのはずだった。
⸻
ある夜。
特別な治療を終え、疲れ切った身体を銀河病院の保護室のベットに横たえた聖悟は、夢の中で**“誰か”の囁き声**を聞いた。
「……あなたは、本当にそれで満足なの……?」
暗闇の中で、白く浮かび上がるその姿は──
女神だった。けれど、神聖ではなかった。
その瞳は悲しみに満ち、身体は黒い霧に包まれ、虚無の中で微笑んでいる。
「私は“罪悪感”の女神……あなたの心に棲む影……。あなたは知ってるはず。あの怒神は終わった。でも、あなたの中にはまだ“終わっていないもの”がある」
「……やめてくれ。俺はもう……もう戻りたくない!」
叫ぶ聖悟の声も虚しく、彼の足元から時空が砕けていく。
「これは“罰”じゃない。“癒し”なのよ、聖悟……。本当に自分を赦せるまで、あなたは……夢の中でも、現実でも、もう一度歩くの」
⸻
次に聖悟が目を覚ましたのは──
かつての地球。魂能力の存在がまだ“未知のもの”とされていた時代の、彼の通っていた古びた中学校の屋上だった。
「あれ……? なんで、制服……?」
掌を見下ろすと、少し幼くなっている。スマホも、病院の記録端末もない。銀河狐も、リュウケンも、どこにもいない。
ただ──目の前には。
「やぁ、久しぶりだね。いや、こっちは“初対面”かな?」
そこに立っていたのは、ダークの狐だった。
黒いフードに燃える様に映る紅き双眸。魂を引き裂くようなプレッシャー。
だが、彼の姿はどこか無垢で、純粋に聖悟を見下している。
「君の魂、強いね。……興味あるよ。仲間にならない?」
──時間が戻った。だが、違う。
今度は聖悟だけがすべてを知っている。彼の中に、銀河病院で得た知識と記憶、魂制御技術は眠っている。
でも、この世界の彼は「ただの中学生」にしか見えない。
⸻
「俺は……俺は、選ばない。もう、誰も巻き込まない……!」
心に“罪悪感”の女神の残響を抱えながら、聖悟は新たな時間の中で違う選択をしようとする。
しかし、夢か現実か曖昧なこのループの中で、ダークの狐との再会はすでに始まっていた。
そして──この世界にはまだ知られていない“第三の力”、魂能力でも怒神でもない、re:gentの鍵が眠っているというのか?
聖悟の旅は、再び“初めて”の道へと進み出した。
「おはよう、聖悟くん。今日は魂制御訓練と神経反応検査、それから午後には無我の境地セラピーがあるよ」
笑顔でスケジュールを告げるのは、主治医でもある銀河狐。助手の銀河天使ダンも優しくフォローする。
「今日はリュウケンと一緒に瞑想する時間もある。魂の安定は日々の積み重ねだからね」
隣には、今も彼を見守る忠実な相棒リュウケン(一章の最初に見せた姿)が寄り添っていた。銀河病院の技術で再現された心の化身だが、確かにそこには温もりがあった。
“もう誰も傷つけない”
聖悟の毎日は、静かで、平和で、どこか夢のようだった。過去に苦しんだすべてが、まるで遠い彼方の物語のように薄れていく──
……そのはずだった。
⸻
ある夜。
特別な治療を終え、疲れ切った身体を銀河病院の保護室のベットに横たえた聖悟は、夢の中で**“誰か”の囁き声**を聞いた。
「……あなたは、本当にそれで満足なの……?」
暗闇の中で、白く浮かび上がるその姿は──
女神だった。けれど、神聖ではなかった。
その瞳は悲しみに満ち、身体は黒い霧に包まれ、虚無の中で微笑んでいる。
「私は“罪悪感”の女神……あなたの心に棲む影……。あなたは知ってるはず。あの怒神は終わった。でも、あなたの中にはまだ“終わっていないもの”がある」
「……やめてくれ。俺はもう……もう戻りたくない!」
叫ぶ聖悟の声も虚しく、彼の足元から時空が砕けていく。
「これは“罰”じゃない。“癒し”なのよ、聖悟……。本当に自分を赦せるまで、あなたは……夢の中でも、現実でも、もう一度歩くの」
⸻
次に聖悟が目を覚ましたのは──
かつての地球。魂能力の存在がまだ“未知のもの”とされていた時代の、彼の通っていた古びた中学校の屋上だった。
「あれ……? なんで、制服……?」
掌を見下ろすと、少し幼くなっている。スマホも、病院の記録端末もない。銀河狐も、リュウケンも、どこにもいない。
ただ──目の前には。
「やぁ、久しぶりだね。いや、こっちは“初対面”かな?」
そこに立っていたのは、ダークの狐だった。
黒いフードに燃える様に映る紅き双眸。魂を引き裂くようなプレッシャー。
だが、彼の姿はどこか無垢で、純粋に聖悟を見下している。
「君の魂、強いね。……興味あるよ。仲間にならない?」
──時間が戻った。だが、違う。
今度は聖悟だけがすべてを知っている。彼の中に、銀河病院で得た知識と記憶、魂制御技術は眠っている。
でも、この世界の彼は「ただの中学生」にしか見えない。
⸻
「俺は……俺は、選ばない。もう、誰も巻き込まない……!」
心に“罪悪感”の女神の残響を抱えながら、聖悟は新たな時間の中で違う選択をしようとする。
しかし、夢か現実か曖昧なこのループの中で、ダークの狐との再会はすでに始まっていた。
そして──この世界にはまだ知られていない“第三の力”、魂能力でも怒神でもない、re:gentの鍵が眠っているというのか?
聖悟の旅は、再び“初めて”の道へと進み出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる