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第6章 SAS高専編
陰を喰らう鳥
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魂能力高専──通称SAS。魂能力者たちがその力を制御し、鍛え、社会に貢献するために集う特別な学び舎。
比嘉聖悟は、度重なるループと魂の試練を経て、ついにこの場所へと辿り着いた。
怒神の呪い、罪悪感の女神、数々の強敵。すべてを越えてきた今、彼に必要なのは「信頼できる仲間」だった。
リュウケンは唯一無二の存在だ。だが、この先に待ち受けるフォボス一派の脅威に立ち向かうには、もう一人、いや……もう何人か仲間が必要だ。
そんな想いが、彼の胸を強く打っていた。
その夜。SASの校舎は静まり返り、夜の校舎を淡く照らす月光が、廊下をぼんやりと照らしていた。聖悟は、自室の窓を開け、静かに校内へと忍び込んだ。
懐にしまってあるのは、あの“マスタースカウトカード”だ。
ダークの狐が使っていた悪しき道具。しかし銀河病院の調整を経て、純粋な契約用に再構築された“光属性用スカウトカード”として、彼に託されたものであった。
「このカード……俺の魂と共鳴する者にだけ、力を与えてくれるはず……」
彼が目指したのは、SASの旧図書塔。いまでは使われていないその場所には、一匹の“存在”が住み着いているという噂があった。
──夜の闇と同化する鳥。
──人の心の奥底に潜む影を喰らい、羽ばたく影の魔物。
その名も、《陰の鳥(カゲノトリ)》。
図書塔の扉は錆びついていたが、聖悟の手が触れた瞬間、まるで“待っていた”かのように軋んで開いた。
中は黒い羽が宙を舞い、冷たい風が聖悟の頬をかすめる。
「来たな……魂能力者の少年よ」
天井から響いた不気味な声。聖悟が顔を上げると、逆さにぶら下がる巨大な影の鳥がそこにいた。
目は紅く光り、翼は星のない夜の如く深く黒い。
「俺を仲間にするつもりならば、魂で語れ」
聖悟は頷いた。そしてスカウトカードを空中へ掲げた。カードが白銀の光を放ち、魔法陣が床に浮かび上がる。
「魂能力──交信!」
聖悟の心がカゲノトリへと向かって開かれていく。
──俺は今まで、誰かに操られ、自分を失い、何度もやり直してきた。
──でも、今は違う。俺は、俺の意思でこの世界を守りたい。
──そのために、あんたの力が必要だ。
その強い想いに応えるように、カゲノトリの目が細められる。
「……その言葉に、偽りはないようだな。魂は……澄んでいる」
バサリ──!
巨大な翼を広げたカゲノトリが床に降り立つと、魔法陣の中央に入り込む。
「ならば契約しよう。私の名は“カゲノトリ”。影と夜の使い手にして、真実を見通す者なり」
光が弾ける。
スカウトカードが黒と銀に染まり、聖悟の胸元へと収まっていく。
「ありがとう、カゲノトリ。これから……共に戦おう」
「……ああ、我が主よ。闇を越える者と共にあるは光の真理なり」
こうして、聖悟は“影を喰らう鳥”という強力な仲間を得た。
リュウケン、カゲノトリ──まだ小さなチームだが、確かな一歩だった。
だが、彼らの行く手には、フォボス一派の魔の手がすでに忍び寄っていた──。
(次章へつづく)
比嘉聖悟は、度重なるループと魂の試練を経て、ついにこの場所へと辿り着いた。
怒神の呪い、罪悪感の女神、数々の強敵。すべてを越えてきた今、彼に必要なのは「信頼できる仲間」だった。
リュウケンは唯一無二の存在だ。だが、この先に待ち受けるフォボス一派の脅威に立ち向かうには、もう一人、いや……もう何人か仲間が必要だ。
そんな想いが、彼の胸を強く打っていた。
その夜。SASの校舎は静まり返り、夜の校舎を淡く照らす月光が、廊下をぼんやりと照らしていた。聖悟は、自室の窓を開け、静かに校内へと忍び込んだ。
懐にしまってあるのは、あの“マスタースカウトカード”だ。
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「このカード……俺の魂と共鳴する者にだけ、力を与えてくれるはず……」
彼が目指したのは、SASの旧図書塔。いまでは使われていないその場所には、一匹の“存在”が住み着いているという噂があった。
──夜の闇と同化する鳥。
──人の心の奥底に潜む影を喰らい、羽ばたく影の魔物。
その名も、《陰の鳥(カゲノトリ)》。
図書塔の扉は錆びついていたが、聖悟の手が触れた瞬間、まるで“待っていた”かのように軋んで開いた。
中は黒い羽が宙を舞い、冷たい風が聖悟の頬をかすめる。
「来たな……魂能力者の少年よ」
天井から響いた不気味な声。聖悟が顔を上げると、逆さにぶら下がる巨大な影の鳥がそこにいた。
目は紅く光り、翼は星のない夜の如く深く黒い。
「俺を仲間にするつもりならば、魂で語れ」
聖悟は頷いた。そしてスカウトカードを空中へ掲げた。カードが白銀の光を放ち、魔法陣が床に浮かび上がる。
「魂能力──交信!」
聖悟の心がカゲノトリへと向かって開かれていく。
──俺は今まで、誰かに操られ、自分を失い、何度もやり直してきた。
──でも、今は違う。俺は、俺の意思でこの世界を守りたい。
──そのために、あんたの力が必要だ。
その強い想いに応えるように、カゲノトリの目が細められる。
「……その言葉に、偽りはないようだな。魂は……澄んでいる」
バサリ──!
巨大な翼を広げたカゲノトリが床に降り立つと、魔法陣の中央に入り込む。
「ならば契約しよう。私の名は“カゲノトリ”。影と夜の使い手にして、真実を見通す者なり」
光が弾ける。
スカウトカードが黒と銀に染まり、聖悟の胸元へと収まっていく。
「ありがとう、カゲノトリ。これから……共に戦おう」
「……ああ、我が主よ。闇を越える者と共にあるは光の真理なり」
こうして、聖悟は“影を喰らう鳥”という強力な仲間を得た。
リュウケン、カゲノトリ──まだ小さなチームだが、確かな一歩だった。
だが、彼らの行く手には、フォボス一派の魔の手がすでに忍び寄っていた──。
(次章へつづく)
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