俺は悪役令息というものだろうか?アレは断罪だったの?

satomi

文字の大きさ
10 / 15

10.王女来る!

しおりを挟む

「わざわざご足労頂き、誠にありがとうございます。クリスタル王女!失礼しました!私はアーサー王太子殿下の側近をしております、リチャード=エイプリルと申します。以後お見知りおきを」
 王家ってスゴイな…。美形が多い。
「アーサー王太子殿下は謁見の間にてお待ちしております。ご案内いたしますね」
 しっかしなぁ。現・ラップトップ国王は親バカか?名前がクリスタルって。確かにラップトップ王国は鉱山資源が豊富だから宝石の類も採れるんだろうな。だからって子供の名前につけるかなぁ?美人に育って良かったものの、まかり間違ったら名前負けってことに…イヤイヤ王家に限ってそれはないか。
 
 などと考えながら、俺はクリスタル王女を謁見の間へと案内した。

「アーサー王太子殿下!ラップトップ王国第1王女クリスタル殿下をお連れ致しました!」
 まぁ、あとは若い二人に任せるとして……と退席しようとしたところで俺はアースに服を掴まれた。
「ここにいてくれ…」というアースの小さい声が聞こえた。
 マジかよ?こいつでも緊張したりすんのかぁ。なんか意外な感じだ。結構付き合い長いけど、こんなアースは初めてだなぁ。

「初めまして。ラップトップ王国第1王女のクリスタルと申します。クリスとでも呼んでいただければ……」
 おいおい、頬を染めて言ってるぞ!この色男が!
「ポートエクス王国の王太子をしているアーサーだ。俺のことはそうだなぁ?アースでいいや、ここのコイツも俺のことはアースって呼ぶし」
 俺は自分の事、側近としか説明してねー。この状況で俺がアースって呼んでたのは不審だろう?
「あー、俺はポートエクス国王陛下よりアースの友人としてアースの側にいるように、仰せつかってるんですよ。今は側近に進化しました。俺にも養わなくてはならない家族が出来たからです!」
「まぁ、素敵ですこと。どなたか聞いてもよろしいかしら?不躾にならないかしら?」
「王女殿下の望みですから自慢したいくらいですよ。俺の嫁は、アースの妹殿下ですよ。元・王女殿下ですね。俺のところに降嫁していらっしゃったのです」
「では、お二人は義理の兄弟で?」
「そうなるんですよ~。不本意ですけど」
 アースの義弟になるのか?アースが義兄?なんかヤダ。

 というより、俺とクリス様の会話ではなく、アースが会話をすべきであって。
「なんだよ~。クリス様が美人だからアースが緊張してるのか?」
 なんてこと?俺の一言でクリス様もアースも赤面してしまった。どうすればいいんだ?
「あ~…。クリス様。アースは普段市井の市場の視察に行くのですが、一緒にどうですか?」
「面白そうですね!」
 好奇心旺盛な方のようで良かった。



「おう、あんちゃん今日はまた美人さんを連れているな。こないだエリン様と結婚したばかりでいきなり浮気かい?」
「違いますよ。彼女はアーサー様の婚約者候補ですよ、クリス様と仰る高貴な方です。エリンはまた今度プライベートで連れてきますよ」
「そんな高貴な方がこんなとこうろついていいのかい?アーサー様?」
「リドが…」
「あ―――俺が連れて行くって言ったんですよ。それより、今日のオススメは?」
「そうだなぁ?この串焼き食べるかい?アーサー様は好きだろう?」
 あ、初めて会ったときに食べてたやつだ。好物なのか。
「アーサー様が小さい時からコレ食べてたもんなぁ」
「アーサー様、小さい時から買い食いしてたんですか?」
「そうそう」
 俺も知らなかった新事実。
「私は頂きます!」
 そう言ってクリス様は串焼きを食べることにしたようだ。
「ナイフもフォークもないのにどうやって食べるの??」
「ガッハッハ、やっぱ高貴な方ってのはこうだよなぁ。アーサー様は慣れ過ぎたなぁ。アーサー様、見本に1本どうぞ」
 アースが見本を見せるようだ。
「喉に串が刺さらないように気を付けて下さいね」
 アースなりにクリス様に気を使っているようだ。違うんだよ、本当はなぁ、串から全部外して渡すのが正解かな?


「はぁ、市場の皆様もいい方ばかりでしたね。串焼きも美味しかったし」
「クリス様は気に入られましたか?貴族の中には平民を毛嫌いしている方もいらっしゃるから」
「まぁ、為人も知らずに嫌うのはいけないわ」
「とはいえ、身分制度ですからねぇ」
 っていうか、アース!いい加減会話に参加しろよ!!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした

エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ 女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。 過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。 公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。 けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。 これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。 イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん) ※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。 ※他サイトにも投稿しています。

【完結】第一王子と侍従令嬢の将来の夢

かずえ
恋愛
第一王子は、常に毒を盛られ、すっかり生きることに疲れていた。子爵令嬢は目が悪く、日常生活にも支障が出るほどであったが、育児放棄され、とにかく日々を送ることに必死だった。 12歳で出会った二人は、大人になることを目標に、協力しあう契約を交わす。

【完結済】獅子姫と七人の騎士〜婚約破棄のうえ追放された公爵令嬢は戦場でも社交界でも無双するが恋愛には鈍感な件〜

鈴木 桜
恋愛
強く賢く、美しい。絵に描いたように完璧な公爵令嬢は、婚約者の王太子によって追放されてしまいます。 しかし…… 「誰にも踏み躙られない。誰にも蔑ろにされない。私は、私として尊重されて生きたい」 追放されたが故に、彼女は最強の令嬢に成長していくのです。 さて。この最強の公爵令嬢には一つだけ欠点がありました。 それが『恋愛には鈍感である』ということ。 彼女に思いを寄せる男たちのアプローチを、ことごとくスルーして……。 一癖も二癖もある七人の騎士たちの、必死のアプローチの行方は……? 追放された『哀れな公爵令嬢』は、いかにして『帝国の英雄』にまで上り詰めるのか……? どんなアプローチも全く効果なし!鈍感だけど最強の令嬢と騎士たちの英雄譚! どうぞ、お楽しみください!

【完結】一番腹黒いのはだあれ?

やまぐちこはる
恋愛
■□■ 貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。 三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。 しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。 ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。

虜囚の王女は言葉が通じぬ元敵国の騎士団長に嫁ぐ

あねもね
恋愛
グランテーレ国の第一王女、クリスタルは公に姿を見せないことで様々な噂が飛び交っていた。 その王女が和平のため、元敵国の騎士団長レイヴァンの元へ嫁ぐことになる。 敗戦国の宿命か、葬列かと見紛うくらいの重々しさの中、民に見守られながら到着した先は、言葉が通じない国だった。 言葉と文化、思いの違いで互いに戸惑いながらも交流を深めていく。

婚約破棄!?なんですって??その後ろでほくそ笑む女をナデてやりたい位には感謝してる!

まと
恋愛
私、イヴリンは第一王子に婚約破棄された。 笑ってはダメ、喜んでは駄目なのよイヴリン! でも後ろでほくそ笑むあなたは私の救世主!

【完結】顔が良ければそれでいいと思っていたけれど、気づけば彼に本気で恋していました。

朝日みらい
恋愛
魔物を討伐し国を救った若き魔術師アリア・フェルディナンド。 国王から「望むものを何でも与える」と言われた彼女が選んだ褒美は―― 「国一番の美男子を、夫にください」 という前代未聞のひと言だった。 急遽開かれた婿候補サロンで、アリアが一目で心を奪われたのは、 “夜の街の帝王”と呼ばれる美貌の青年ルシアン・クロード。 女たらし、金遣いが荒い、家の恥―― そんな悪評だらけの彼を、アリアは迷わず指名する。 「顔が好きだからです」 直球すぎる理由に戸惑うルシアン。 だが彼には、誰にも言えない孤独と過去があった。 これは、 顔だけで選んだはずの英雄と、 誰にも本気で愛されたことのない美貌の青年が、 “契約婚”から始める恋の物語。

【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます

22時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。 エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。 悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。

処理中です...