【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi

文字の大きさ
99 / 129

第99話 外伝⑮ ユキと大雄

しおりを挟む
「もう姐さんがこの組に来て結構経ちますな?二人の間に御子の予定とかないんですかい?」
 余計なお世話だ、この赤川の古狸。

 俺はユキがこの世界に馴染むように馴染むようにと生活をともにしているんだ。いきなりガッツクのはそこらのチンピラがするようなことだろう?

 そう思っていたのに、この数カ月で少しづつだがユキに変化が出てきた。
 
 まず、普段から和服を着用するようになった。まだ着付けが完璧じゃないのかなんだか少し着崩れているところがエロイ。組員には「見るな!」と言いたい。
 口調が変わってきた。何を参考にしているのだろう?そこらの女とは違う。
 さらには、シナを作って俺にしなだれかかるようになった。俺の理性を試しているんだろうか?昔の事を思い出してくれたんだろうか?

「ユキ、お前は俺のことをどう思ってるんだ?」
「私を救ってくれた大切な人だと思ってるよ?」
 恋とか愛はないのか……。
 でも、そのうなじは確実に赤く染まっている。シナを作るのも恥ずかしいのか。演技だもんな。
「俺はユキの事が大好きだ。どこまでも一緒にいたい」
 ひどく驚いた顔をしていたけど、俺の本音だ。
 ユキは自分はただ金で買われただけだから…とか思ってるんだろうな。
 金は大義名分で、ユキが本命だ。ユキをこの手に入れたかった。連れ去っただけでは誘拐容疑がかかるだろうから、金を使っただけのことだ。

 ユキが俺のことを想ってくれていない以上は俺は無理矢理どうこうする気はない。が、しかし目の前の着物の合わせから覗くユキの胸は触らせてもらう。これでも健全な24才だからな!
「あっ、大雄さんっ!」
「夫婦だからな」
 そうは言ってもそれ以上のことはしない。ユキが俺を求めるまでは…。


 そんな中で俺は昔のユキの事を思い出したりして、ユキに触れない日が続いた。
 ユキは着物も上手く着る事ができるようになったし、口調も『姐』っぽい。俺にシナを作って寄りかかったりもする。そんな中でだ、ユキの方から上目遣いで、「私に触れるの飽きちゃったのかなぁ?」などと言われてみろ!俺の中の理性さんがどこかへ旅立ってしまった。
 奇しくも、隣の寝室には二人分の布団が敷かれている。理性さんがどこかへ行ってしまった俺は獣のようにユキを求めてしまった。
「ユキ、後悔はないのか?」と何回聞いた事か。


 それからというもの、俺がユキを抱くのはもはや日課のようになった。大斗が言うように揉んだだけで胸が大きくなると言うなら今頃ユキの胸は超爆乳だろう。

 ユキが俺に甘えて来てくれることもある。俺を求めてくれることもある。それだけで俺は大満足だ。俺だけの可愛いユキ。これからずっと俺だけがユキを可愛がる。こういうのを独占欲というのだろう。

 そんなある時にユキから恥ずかしそうに言われた。

「妊娠してるかもしれない……」

 頭の中は真っ白になったが、そういう行為はしているわけで年齢的に子供がいてもおかしくないし―――と頭の中がぐちゃぐちゃになった。



 その後の俺は子供に恵まれ、孫にも恵まれ、幸せな人生となった。まだ生き続けるし、ユキを愛し続けるぞ!
 俺が可愛がってる成果か、ユキは見た目がピッチピチだ。俺もそんなに老け込んでいないことだろう。


しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

【完結】男運ゼロの転生モブ令嬢、たまたま指輪を拾ったらヒロインを押しのけて花嫁に選ばれてしまいました

Rohdea
恋愛
──たまたま落ちていた指輪を拾っただけなのに! かつて婚約破棄された過去やその後の縁談もことごとく上手くいかない事などから、 男運が無い伯爵令嬢のアイリーン。 痺れを切らした父親に自力で婚約者を見つけろと言われるも、なかなか上手くいかない日々を送っていた。 そんなある日、特殊な方法で嫡男の花嫁選びをするというアディルティス侯爵家のパーティーに参加したアイリーンは、そのパーティーで落ちていた指輪を拾う。 「見つけた! 僕の花嫁!」 「僕の運命の人はあなただ!」 ──その指輪こそがアディルティス侯爵家の嫡男、ヴィンセントの花嫁を選ぶ指輪だった。 こうして、落ちていた指輪を拾っただけなのに運命の人……花嫁に選ばれてしまったアイリーン。 すっかりアイリーンの生活は一変する。 しかし、運命は複雑。 ある日、アイリーンは自身の前世の記憶を思い出してしまう。 ここは小説の世界。自分は名も無きモブ。 そして、本来この指輪を拾いヴィンセントの“運命の人”になる相手…… 本当の花嫁となるべき小説の世界のヒロインが別にいる事を─── ※2021.12.18 小説のヒロインが出てきたのでタグ追加しました(念の為)

お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚

ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。 五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。 ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。 年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。 慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。 二人の恋の行方は……

男に間違えられる私は女嫌いの冷徹若社長に溺愛される

山口三
恋愛
「俺と結婚してほしい」  出会ってまだ何時間も経っていない相手から沙耶(さや)は告白された・・・のでは無く契約結婚の提案だった。旅先で危ない所を助けられた沙耶は契約結婚を申し出られたのだ。相手は五瀬馨(いつせかおる)彼は国内でも有数の巨大企業、五瀬グループの若き社長だった。沙耶は自分の夢を追いかける資金を得る為、養女として窮屈な暮らしを強いられている今の家から脱出する為にもこの提案を受ける事にする。  冷酷で女嫌いの社長とお人好しの沙耶。二人の契約結婚の行方は?  

子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちだというのに。 入社して配属一日目。 直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。 中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。 彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。 それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。 「俺が、悪いのか」 人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。 けれど。 「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」 あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。 相手は、妻子持ちなのに。 星谷桐子 22歳 システム開発会社営業事務 中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手 自分の非はちゃんと認める子 頑張り屋さん × 京塚大介 32歳 システム開発会社営業事務 主任 ツンツンあたまで目つき悪い 態度もでかくて人に恐怖を与えがち 5歳の娘にデレデレな愛妻家 いまでも亡くなった妻を愛している 私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?

ある日、憧れブランドの社長が溺愛求婚してきました

蓮恭
恋愛
 恋人に裏切られ、傷心のヒロイン杏子は勤め先の美容室を去り、人気の老舗美容室に転職する。  そこで真面目に培ってきた技術を買われ、憧れのヘアケアブランドの社長である統一郎の自宅を訪問して施術をする事に……。  しかも統一郎からどうしてもと頼まれたのは、その後の杏子の人生を大きく変えてしまうような事で……⁉︎  杏子は過去の臆病な自分と決別し、統一郎との新しい一歩を踏み出せるのか?   【サクサク読める現代物溺愛系恋愛ストーリーです】

月城副社長うっかり結婚する 〜仮面夫婦は背中で泣く〜

白亜凛
恋愛
佐藤弥衣 25歳 yayoi × 月城尊 29歳 takeru 母が亡くなり、失意の中現れた謎の御曹司 彼は、母が持っていた指輪を探しているという。 指輪を巡る秘密を探し、 私、弥衣は、愛のない結婚をしようと思います。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

ブラック企業に勤めていた私、深夜帰宅途中にトラックにはねられ異世界転生、転生先がホワイト貴族すぎて困惑しております

さくら
恋愛
ブラック企業で心身をすり減らしていた私。 深夜残業の帰り道、トラックにはねられて目覚めた先は――まさかの異世界。 しかも転生先は「ホワイト貴族の領地」!? 毎日が定時退社、三食昼寝つき、村人たちは優しく、領主様はとんでもなくイケメンで……。 「働きすぎて倒れる世界」しか知らなかった私には、甘すぎる環境にただただ困惑するばかり。 けれど、領主レオンハルトはまっすぐに告げる。 「あなたを守りたい。隣に立ってほしい」 血筋も財産もない庶民の私が、彼に選ばれるなんてあり得ない――そう思っていたのに。 やがて王都の舞踏会、王や王妃との対面、数々の試練を経て、私たちは互いの覚悟を誓う。 社畜人生から一転、異世界で見つけたのは「愛されて生きる喜び」。 ――これは、ブラックからホワイトへ、過労死寸前OLが掴む異世界恋愛譚。

処理中です...