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6.ボブ&ベラのラブラブ?
しおりを挟むエルフィンストーン帝国から圧力をかけられたとあらゆる商人が我が公国から手を引いた。
「え?それって、私が好きな輝く宝石も?」
「ああ」
「きれいな生地も?」
「ああ」
「なんなの?公妃になった意味ないじゃない⁈」
「贅沢したかっただけじゃないだろ?」
「怠惰な生活もしたかったわよ!」
なんて女だ。こんな女だとわかっていれば、この女と公国を建てることもなかった。貧乏王国の王配というのも避けたいが。
「残念だよベラ。そんな女性だと思っていなかった。さぁ、この邸から出ていってくれ」
「今更何を言うの?」
「贅沢好きで怠惰な女性は公国の公妃として相応しくない」
「だからって、平民になれって?」
「いいじゃないか?もとは平民だったんだろ?」
「あ、貴方の子を身籠ってるわ!」
「その子は本当に俺の子か?他にも男がいそうだな?なにしろ怠惰な生活をお望みだったようだし?」
「酷いわ。ボブ」
ベラは涙を見せるが、ちっとも心を動かされなかった。以前なら簡単に許していただろう。
「本当に俺の子だというのなら、出産後に会わせてみろ?小さい頃の俺に似ている等の要素があるならば、復縁も考えてやろう」
俺はそう言ってベラを邸から追い出した。
そもそも本当に妊娠していたんだろうか?
俺はここ最近忙しくてアッチの方もゴブサタだったはず。
俺は邸から追い出したベラに尾行するように人員を割いた。
邸から出たベラはいきなり酒屋に入ったと連絡があった。
―――妊娠は口から出まかせだ。
その後、居酒屋で散々愚痴を漏らし、そこで出会った人と夜を共にしたらしい。
つまり、邸を追放後に妊娠をして、子供を連れて戻ってくる。うまいこと昔の俺に似ていれば、また元のような暮らしができる。と、そう考えているんだろう。
その程度の頭なのか。ため息が出るな。
経済制裁というのだろうか?商人が見向きもしないこの状態は。
食べ物から何から何まで自給自足で生活せねばならない。各地で得意な分野を調べ、その分野を伸ばす以外に方法はない。それでも不足してしまう。困った。
******
「レイチェル、聞いたか?あの公国、トップの二人がラブラブじゃなくなったらしい」
あの国名、どうするんだろう?トップがラブラブじゃなきゃ本当にただの恥ずかしい国名なだけなんだけど?名前も入ってるから、なおさら。
「私は―――もう過去は振り返らないことにしました」
「その覚悟はカッコいいが、例えばだけど「妊娠しましたー」って時に「いつの子だ?」って過去を振り返るんじゃないか?」
「TPOを弁えます」
セドリック様は次はどうしよっかなぁ?などと実に楽しそうだ。
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