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Ep.6
しおりを挟むさて、私達は今後どうするべきか?この美しい世界に生活の基盤を移すことは決めたけど。
「今までの‘勇者’みたいに死んだことにされるのがいいんじゃないか?」
とは、弱腰で私に提案するだけで泣き顔の勇者ロベルト。
「そして、また国王に唆されるように新たな‘勇者’が選ばれるの?それってなんか違うような気がするのよね。そんなことを続けても、あのバカ王は同じことを繰り返すだけで、あの世界はちっとも美しくはならないのよ」
「でもさぁ、俺達は国を美しくするために集められたわけじゃないぜ?」
魔王(‘人間界’がいうけど)を討伐することが目的だけど、あの人は優秀だし討伐する理由がわからない。
バカ王はこの世界が美しいと知っている?
知っててこの土地を狙ってる?それならもっとまともなパーティーを組んだ方がいいと思うんだよなぁ。基本的にケチだから、全員平民だし。使い捨てみたいに思ってるんでしょ?
「なんだ?陰気臭いなぁ。ミラから聞いたぞ?ライラたちが今後自分たちがどうするべきか考えているって。ロベルトとブラッドはミラの旦那のサムと一緒の所で働くといいんじゃないか?」
「えっ、残された私は?」
私だけ名前を呼ばれなかったんですけど…。忘れたわけ…ではないですよね?
「あー、ライラはその薬師の腕が良いから、王宮薬師として働くといい。働くと当然給金が発生するからこの世界で生活していくだけの金にはなるだろう?」
王宮薬師…魅力的な響き…。あっちの世界。シラハナ王国だったら‘平民’という理由でなれなかった職業だ。憧れの職業―――。
「はい!やります!戻ってもやる事ないし」
これは事実。
突然国王に招集かけられて、「魔王の討伐へ行ってこい!」って言われただけだし。
今後来るかもしれない勇者?いいんじゃないの?みんなこっちで暮らしたがるだろうなぁ。その際にはいろんな職業に才能がある人が来るだろうから、この世界もより良くなるだろう!
私は薬師だけど、医師とか法律家とか?その道のプロの人が来てこの世界の生活がもっと豊かになるといいなぁ。
*********
~そのころの聖女
なんで私がこんな目に遭うの?
あ、もしかしたら。国王ったら王子を差し置いて私に一目惚れをしちゃったとか?
それで、私をこんなところに囲っているのかしら?
言ってくだされば、いいのに~!
あの聖女ラルはもう送り込まないでほしいな。全く役に立たないから。
聖女の力?どこで発揮するんだろう?この美しい世界を維持している王様は巨乳の女王様で、貧乳の聖女の相手にはならないし。
あの女は特に役に立つ職業もこっちにはなさそう。
かえってこの世界が汚されそう…。
そういうわけで、ライラは王宮薬師として、すぐ泣くけど勇者のロベルトとへっぺり腰のタンクのブラッドは元・勇者のサム様と一緒に働くことになった。
三人とも、収入ができたことで、この世界での生活基盤もしっかりとしてきた。
案の定、次から次へとシラハナ王国から勇者とそのパーティーがこの世界に送り込まれたが、誰もがここで生活することを選択し、やはり専門家が多いようで、この世界でも法整備などが進んだし、医学も進んだ。
国王は美しい世界を維持するのに尽力している。
この世界に送り込まれて良かったと思う。
あ、‘魔王討伐を命じられて’たんだっけ?
もうそんなのどうでもいい。
今は楽しくこの世界で生活しているから。
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