こんなメンバーで魔王討伐ですか?

satomi

文字の大きさ
5 / 6

Ep.5

しおりを挟む

 ところで、ミラさんの出産にも立ち会ったし、種族間のハーフも見た。確かに美丈夫に育ちそうだなぁ。
 魔王様討伐が私達パーティーの任務のはず。
 討伐する気はさらさらないけど、お会いするくらいはしてみたい。
 この美しい世界をどうやって維持管理しているんだろう?

「ミラさん!私達もこの世界で暮らすことにしたんですけど、王様に挨拶をしたくって…。でも伝手とかないから、一応ミラさんに……」
 ミラさんの腕には先日誕生したばかりの男の子がしっかりと抱かれている。
 産まれたのって先日だよね?もう1歳児くらいまで成長してない?
「ああ、それならあの王は突然の訪問も気にしないわよ~。そんなに狭量じゃないわ」
 ‘人間界’の王は平民だったら全然相手にしないし、アポなしだったら余程のことじゃないと会ってはくれないだろうなぁ。狭量だったのか…。能力あるなら公務なんかさっさと片づけることができただろうからなぁ。

 そんなわけで、私達は王様(魔王)にあった。
 まず、女性であったことに驚いた。
 次に、その格好に驚いた。鞭を持たせれば『女王様とお呼び!』の完成。
 玉座に座っていて、宰相(?)にテキパキと指示を出しているけど…。

「ミラの紹介?ミラは元気?突然結婚するので侍女を辞めます。って時は驚いたんだよね。ミラは有能な侍女でね?1を言えば10の仕事をするみたいな。それが、まさかのヒトとの結婚。あ、こないだ出産したって?性別は知ってる?さぞかし可愛い子だろうなぁ」
 マシンガントーク…。ちょっと聞き洩らしたとこもあるけど多分大丈夫。 
‘人間界’での噂とはうらはらに人情味溢れる良いトップだと思う。
 私が代表して全部応えた。
 ロベルトは泣きそうだし(SMプレイでも想像してるのか?)、ブラッドは流石にへっぴり腰を発揮している……。
「ミラさんは元気ですよ。ミラさんの結婚相手は‘人間界’からやって来た‘勇者’です。今は一応そこの涙目なのが勇者なので、ミラさんの旦那様は元・勇者という事になりますね。ミラさんの出産に私は立ち会いましたよ。途中、赤子の角が産道で引っかかってしまうというアクシデントもありましたが、元気な男の子ですよ。ここに来る前にも会いましたが、スクスクと育って将来的には美丈夫になるでしょうね」

「へぇ、そいつはよかった。」
「実は我々もこの世界に送り込まれたパーティーなのですが、しばらく滞在するうちに、‘人間界’ではなくこの世界で暮らすことにしました!よろしくお願いします!あの、不躾な質問だったら申し訳ありません!この世界はなぜこんなに美しいのでしょうか?維持管理はどのように?」

「この世界で暮らすのは構わないぞ。この世界はなぜ美しいのか?という質問か?美しいからだ。そうだなぁ。ちょっと汚れてるとしよう。ちょっとした汚れは気にしないのだ。そうすると、徐々に『このくらいいいか』という堕落した心で汚れは広がる。しかし、とてもきれいな場合だと、汚すことすらも憚られる」
 なるほど。この世界は美しいから、誰一人として汚そうとはしない。しかしながら、‘人間界’はちょっとした汚れをきっかけにどんどんと汚れは広がったというわけかぁ。

「‘人間界’の王に貴女は‘魔王’と言われていますよ?でも、この美しい世界で数日暮らしただけで、本当の魔王は‘人間界’の王のことじゃないかなぁ?と思い始めました」


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

年の差にも悪意がみなぎりすぎでは????

頭フェアリータイプ
ファンタジー
乙女ゲームの悪役令嬢?に転生した主人公。でもこんな分かりやすい状況でおとなしく嵌められるはずもなく。。。

【完結】シュゼットのはなし

ここ
恋愛
子猫(獣人)のシュゼットは王子を守るため、かわりに竜の呪いを受けた。 顔に大きな傷ができてしまう。 当然責任をとって妃のひとりになるはずだったのだが‥。

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

ひきこもり娘は前世の記憶を使って転生した世界で気ままな錬金術士として生きてきます!

966
ファンタジー
「錬金術士様だ!この村にも錬金術士様が来たぞ!」  最低ランク錬金術士エリセフィーナは錬金術士の学校、|王立錬金術学園《アカデミー》を卒業した次の日に最果ての村にある|工房《アトリエ》で一人生活することになる、Fランクという最低ランクで錬金術もまだまだ使えない、モンスター相手に戦闘もできないエリナは消えかけている前世の記憶を頼りに知り合いが一人もいない最果ての村で自分の夢『みんなを幸せにしたい』をかなえるために生活をはじめる。  この物語は、最果ての村『グリムホルン』に来てくれた若き錬金術士であるエリセフィーナを村人は一生懸命支えてサポートしていき、Fランクという最低ランクではあるものの、前世の記憶と|王立錬金術学園《アカデミー》で得た知識、離れて暮らす錬金術の師匠や村でできた新たな仲間たちと一緒に便利なアイテムを作ったり、モンスター盗伐の冒険などをしていく。 錬金術士エリセフィーナは日本からの転生者ではあるものの、記憶が消えかかっていることもあり錬金術や現代知識を使ってチート、無双するような物語ではなく、転生した世界で錬金術を使って1から成長し、仲間と冒険して成功したり、失敗したりしながらも楽しくスローライフをする話です。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

「やはり鍛えることは、大切だな」

イチイ アキラ
恋愛
「こんなブスと結婚なんていやだ!」  その日、一つのお見合いがあった。  ヤロール伯爵家の三男、ライアンと。  クラレンス辺境伯家の跡取り娘、リューゼットの。  そして互いに挨拶を交わすその場にて。  ライアンが開幕早々、ぶちかましたのであった。  けれども……――。 「そうか。私も貴様のような生っ白くてか弱そうな、女みたいな顔の屑はごめんだ。気が合うな」

【完結】クビだと言われ、実家に帰らないといけないの?と思っていたけれどどうにかなりそうです。

まりぃべる
ファンタジー
「お前はクビだ!今すぐ出て行け!!」 そう、第二王子に言われました。 そんな…せっかく王宮の侍女の仕事にありつけたのに…! でも王宮の庭園で、出会った人に連れてこられた先で、どうにかなりそうです!? ☆★☆★ 全33話です。出来上がってますので、随時更新していきます。 読んでいただけると嬉しいです。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...