イジメられっ子世に憚る。

satomi

文字の大きさ
1 / 6

第1話

しおりを挟む

 その日、俺は授業中にぼんやりと授業中に教室の窓から空を眺めていた。「あ、飛行機雲だなぁ。飛行機雲が見える時って天気がどうなんだっけ?」などと、取り留めもないことをぼんやりと考えていた。
 と、その時、教室中が物凄い量の光に攫われた。
 瞬間、2-C組の全員が異世界転移したようだ。この場合、聖女とか職業とかあるのか?と俺のような陰キャは思うのだが、陽キャたちは考えないようで……。
 
「なんだよ?ココ。とりあえず写メじゃね?あれ?圏外なんだけど?」
クラスのリーダー的陽キャである神谷ジンが説明する。
「俺達全員が異世界転移というやつらしい。証拠はえーとステータスと願うとステータスボードに各々ステータスが出てくるはずだけど……。俺はLv.36だ」

 おいおい、異世界に転移したらまずはそこチェックだろう?内心せせら笑ってしまう。ちなみに俺のLV.999だ。俺最強?産まれてから今までずっとイジメられ続け、はや17年。下剋上の時代がきたのだ!クラスの皆の者、俺須藤正己すどうまさみにひれ伏すがいい‼
 俺のステータスは何々?他の体力知力なんかも全部1?そんなのわかってるって。前プレイヤーの中で一位ってことだろう?いやぁ。参ったなぁ!ハッハッハッ‼


 『プレイヤーの皆様にお知らせです。この世界ではレベルはカウントダウン制となっています』


 はぁ?これまでのRPGなんかはだいたいカウントアップだったが、カウントダウン?

「やっぱりなぁ。俺が神谷よりもレベル高いのはおかしいと思ったんだよなぁ」
 という声があちらこちらから。
 これじゃあ、俺のレベルなんか公表できない……。レベル999は絶対に馬鹿にされる。

「私は担任だもの。レベルは35よ」
「担任だもんな~。年上だし?そのわりに1個だけしかレベルが上じゃないのかよ?」

 担任すらもバカにされてるもんな。俺のレベルを知った日には……。考えただけで恐ろしい。

「ずっとここにいるわけにいかないし、どうにか元に戻る方法を探すためにも外に出ないか?」
 鶴の一声ならぬ、神谷の一声でクラスは団結して外に出た。

「へぇ、異世界の外ってなんかもっと乾燥して肌に悪いのかと思った。そういえば!化粧道具とかないけど、この先どうしよ~!」
「私も~!」
 女子どもは大方神谷とか、スポーツ万能の港の目が気になるだけだろう?
「大丈夫よ。みんなすっぴんも可愛くて私は好きよ?」
 皆のアイドル袴田緑に言われたんじゃなぁ。そりゃあ、袴田はすっぴんでも美人だろうけど、そいつらはどうだろう?


 そんな和やかな時間もあった。
 しかし、今目の前にいるのは高層マンション?東京タワー?なんかとにかくデカいドラゴン!
「RPGの序盤ってもっと弱いモンスター出て来るもんじゃないのか?」
 それは俺も思うが、LV.999の俺に出来る事なんかない。皆無だ!
「せんせー、担任だしレベルだってそれなりにあるんだから何とかして」
「そんな事言ったって、素手で何とかできません。先生が空手の達人だったら違うでしょうけど、ただの凡人です!」
 それを言いきるか?なかなかだなぁ。
 と、達観していたら、クラスの全員で逃げるという事にしたらしい。……俺を囮にして。
 担任の俺を見る憐みの目が忘れられない。
 こうして、俺はドラゴンの胃袋に収まる事となった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

続・ツクヨミセキュリティ

satomi
ファンタジー
前作『ツクヨミセキュリティ』の続きです。何十年後かのツクヨミセキュリティです。 メンバーは皆様長命種なので、あまり変化ありません。ヒトが亡くなってしまったのでまずはその分の補強からですか? ツクヨミセキュリティは多種族時代の警備会社です。 それよりも…前作の社長、最上朔夜さん(?才)が根性で霊魂を残していることがミラクルです。 そんなこんなで話は進みます。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

豚公子の逆襲蘇生

ヤネコ
ファンタジー
肥満体の公爵令息ポルコは婚約者の裏切りを目撃し、憤死で生涯を終えるはずだった。だが、憤怒の中に燃え尽きたはずのポルコの魂は、社内政争に敗れ命を落とした男武藤の魂と混じり合う。 アニメ化も決定した超人気ロマンスファンタジー『婚約者の豚公子に虐げられていましたが隣国皇子様から溺愛されています』を舞台に、『舞台装置』と『負け犬』落伍者達の魂は、徹底した自己管理と泥塗れの知略で再点火する。 ※主人公の『原作知識』は断片的(広告バナーで見た一部分のみ)なものとなります。 己の努力と知略を武器に戦う、ハーレム・チート・聖人化無しの復讐ファンタジーです。 準備を重ねて牙を剥く、じっくり型主人公をお楽しみください。 【お知らせ】 第8話「復讐はロゴマークに寄せて」は2026/02/11 08:00公開予定です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...