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第6話
しおりを挟む「生徒たちの仇です!」
それ言うか?あんたは俺を見捨てて龍己の囮に使ったんだが?
「せんせー、俺は須藤正己ですよ~。先生が見捨てたあの須藤正己ですよ?」
それだけでレベルがどうとかの話はなかった。
「ゴメンなさい。須藤君あのときはああするしか方法がなかったのよ」
先生は泣き崩れてしまった。
そうなのか?そのおかげで強くなったけどさぁ。
「演技よね~?」とか聞こえてくるけど、先生は泣き真似するほど姑息なのか?
「先生にお願いがあるんだけど、俺が生きていることは他言無用。先の神谷と港にも伝えといてよ。二人とも気絶しちゃってるし。それと今後は俺と関わらないでほしい。それから、袴田は何やってるの?」
「あ、袴田さんはそのルックスから王太子妃に是非って言われてるのよ。ただ、王太子妃教育が厳しすぎるって嘆いていたわ」
ラノベで読む王太子妃教育は物凄いよな。所作もそうだし、ダンス、語学力3カ国語くらいは話せないといけないだろうなぁ。キッツイ。
「俺、忙しいから(復讐で)」
俺は自ら闘技場を後にして陛下にお話をすることとした。
「天晴れだ、タツミ。褒美をやろう。何がいい?」
「では、他国との貿易権を欲しいと思います」
「ううむ。無欲な者だと思っていたが、そんな大それたものを欲するとは……。この国の商人達とも相談せねばならないから数日待ってもらえないだろうか?」
「1日」
俺は静かに言い放った。俺の実力を目にした後の発言は怖かろう。
「…わかった。今すぐに商人たちを王城へ召喚しろ!来ない者はこの国で商売ができないよう処置をする」
俺を置いて逃げて行ったモブたち、成功など許さん。
翌日、俺はローブを纏い、王城の応接室にいた。
その商人たちは揃いも揃って2-Cの連中だった。中にはすでにこの世界の女と結婚している奴もいる。俺が龍己の胃の中にいる間、どのくらい時間が流れたんだ?
「この商人たちが国で商売するようになってからというもの、国庫が潤うようになりました」
「今までお世話になっていた商人たちはどうしてるんだ?」
「さぁ?他国で商売をしているかもしれませんし、商人をやめて、冒険者なんかをしているかもしれませんなぁ」
冒険者かそれもいいな。俺はちょっとしか声を出していないつもりだったが、商人の方がざわつきだした。
「陛下もいる事ですし、ローブのフードをしているのは失礼ですね」
俺はフードを脱ぎ、顔を出した。瞬間
「須藤⁈何で生きてる?」
何でと言われても。
「俺はこの間の褒美で陛下に他国との貿易権が欲しいと言った。陛下はどのようなお考えでいらっしゃる?」
「タツミが貿易権を手にするほど、賢い人間なのかどうか……。商人の皆さんはどのようにお考えで」
「こいつは確かに賢いですが、貿易に関しては素人のはずです」
だよなぁ。でもな、胃の中で貿易に関する本も読んだんだよ。龍己は本当に何でも口に入れるから……。
俺が貿易権を手に入れたらこいつらは俺にいちいち頭を下げなくてはいけなくなって屈辱的だよなぁ。
「では、隣国アルス帝国との貿易でどちらが1か月利益を上げることが出来るか、試します?」
「恥をかくなよ?正己!」
「なんだ?マサミって誰の事だ?」
「この男の本名ですよ、須藤正己。それがコイツの本名です、陛下」
「陛下には申し訳なく思います。私にも事情がありましたので……」
「うむ。事情についてはまた今度聞くことにしよう」
いいのか?こいつらが俺を囮にした事なんかが事情なんだが?
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