3 / 22
第3話 早くもお嬢様の危機?
お嬢様は初登校です。
いいのでしょうか?…そこは貴族だからいいのでしょう。私は中級もしくは下級の出身なので出席日数とか地味な事を気にしてしまうのですが、お嬢様は肝が据わっているというか、なんというか……。
私がアドバイスしたようにお嬢様は騎士団で「兄は体調が優れないようで……」と仰いました。
そこまで効果覿面とは思っていなかったのですが、普段は陛下に捧げる剣一筋!みたいな脳筋…失礼。非常に体格の良い方までもがお嬢様の一言で腰砕けになったようで。「あ、いいよ~」などと軽く言っているのです。
そこは野生の勘というのでしょうか?…を働かせてお嬢様とピエトロ様が同一人物であることを追及してほしいところだと思った次第です。
お嬢様が何やら私に耳打ちをしてきます。
「ねぇ、普段一緒に訓練してる連中に甘くされるとこそばゆいというか、気持ち悪いというか……」
まぁそうでしょうね。
「お嬢様が選んだ道ですので、耐えて下さい」
としか私は言えません。他に何が言えましょう?
「あーあ、明日からまた病弱なステフになろうかな?」
「いけませんお嬢様!少なくとも2日間くらいは“お嬢様”として登校してください!なんだか怠け癖みたいですよ?」
「怠けてるわけじゃないんだけど……。剣を振りたいっていうか……」
そう言うお嬢様は素振りのアクションをする。誰も見ていないといいんですけど……。
「何奴?」
そう言ってお嬢様は石を投げた。もちろん小石ですよ?淑女らしからぬ言動ですので後で厳重注意です!
「「マーク!」様!」
はい。私達の会話が聞かれていたようです。
「どういうことだ?‘明日からまた病弱なステフになる’?素振りの仕草もこなれてるっていうか見慣れたピエトロのものだった……」
ひそひそとお嬢様が耳打ちしました。
「ねぇ、今なら頭を打ち付ければ記憶障害とかなってくれそうじゃない?」
「いけません!私利私欲のために他者を物理的に傷つけるのは!しかもなんて乱暴な!!」
あきれてものも言えないとはこの状態を言うのではないのでしょうか?お嬢様を止めるためにいろいろ言いましたけど!
「で、どういうことか説明してくれるか?」
「お嬢様、仕方ありませんね。マーク様にだけお伝えしましょうか?」
「うーん、仕方ないのかぁ。マークは寮で暮らしてるの?」
「いや、実家がここから近いから実家住まいだよ」
「お嬢様、ひとまず侯爵家で話をするのがいいかと思います。失礼ですが、マーク様はどのような本名でいらっしゃるのですか?」
「うーん、それは侯爵家で話すよ」
庶民を侯爵家にあげるのは……という侍女心だったのですが、やむを得ません。
「では、今度の休日タナー侯爵家にて真実をお話しします」
そのようにマーク様には伝え、お嬢様には今度の休日まで……と言っても今日を含めて2日間ですが……ステフ様で過ごされるように伝えた。
お嬢様からは当然ボイコットのような……ことをされましたけど。
うーん、明日は学院を休んだ方がいいかもしれないですね。
猫をかぶりにかぶったお嬢様をこれ以上晒すのも……ですし。
あなたにおすすめの小説
不機嫌な侯爵様に、その献身は届かない
翠月 瑠々奈
恋愛
サルコベリア侯爵夫人は、夫の言動に違和感を覚え始める。
始めは夜会での振る舞いからだった。
それがさらに明らかになっていく。
機嫌が悪ければ、それを周りに隠さず察して動いてもらおうとし、愚痴を言ったら同調してもらおうとするのは、まるで子どものよう。
おまけに自分より格下だと思えば強気に出る。
そんな夫から、とある仕事を押し付けられたところ──?
【完結】見えてますよ!
ユユ
恋愛
【 お知らせ 】
先日、近況ボードにも
お知らせしました通り
2026年4月に
完結済みのお話の多数を
一旦closeいたします。
誤字脱字などを修正して
再掲載をするつもりですが
再掲載しない作品もあります。
再掲載の時期は決まっておりません。
表現の変更などもあり得ます。
他の作品も同様です。
ご了承いただけますようお願いいたします。
ユユ
【 お話の内容紹介 】
“何故”
私の婚約者が彼だと分かると、第一声はソレだった。
美少女でもなければ醜くもなく。
優秀でもなければ出来損ないでもなく。
高貴でも無ければ下位貴族でもない。
富豪でなければ貧乏でもない。
中の中。
自己主張も存在感もない私は貴族達の中では透明人間のようだった。
唯一認識されるのは婚約者と社交に出る時。
そしてあの言葉が聞こえてくる。
見目麗しく優秀な彼の横に並ぶ私を蔑む令嬢達。
私はずっと願っていた。彼に婚約を解消して欲しいと。
ある日いき過ぎた嫌がらせがきっかけで、見えるようになる。
★注意★
・閑話にはR18要素を含みます。
読まなくても大丈夫です。
・作り話です。
・合わない方はご退出願います。
・完結しています。
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月 瑠々奈
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
【完結】地味な私と公爵様
ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。
端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。
そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。
...正直私も信じていません。
ラエル様が、私を溺愛しているなんて。
きっと、きっと、夢に違いありません。
お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)
結婚式をボイコットした王女
椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。
しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。
※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※
1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。
1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)
兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした
こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】
伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。
しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。
そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。
運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた――
けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった――
※「小説家になろう」にも投稿しています。
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
【完結】嘘も恋も、甘くて苦い毒だった
綾取
恋愛
伯爵令嬢エリシアは、幼いころに出会った優しい王子様との再会を夢見て、名門学園へと入学する。
しかし待ち受けていたのは、冷たくなった彼──レオンハルトと、策略を巡らせる令嬢メリッサ。
周囲に広がる噂、揺れる友情、すれ違う想い。
エリシアは、信じていた人たちから少しずつ距離を置かれていく。
ただ一人、彼女を信じて寄り添ったのは、親友リリィ。
貴族の学園は、恋と野心が交錯する舞台。
甘い言葉の裏に、罠と裏切りが潜んでいた。
奪われたのは心か、未来か、それとも──名前のない毒。