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7.リリスは働く。
「じゃ、また旅に出るわね~」
「「「「「いってらっしゃーい、リリスねーちゃん!」」」」」
「気をつけてな。リリスを頼んだぞ。リリスに傷つけるなよ?」
無茶言うなぁ?料理してて手を誤って切る時だってあるのに……。
「任されました」
とはいえ、普段の料理の当番ってポールなんだよね。騎士様って料理するのか聞いた事ある。なんか、野営をするときに担当で料理をすることもあるとか?騎士様って剣を振ってるだけじゃないんだなぁ。
私達はとりあえずで西を目指した。
途中で何カ所かの村が害獣被害に遭っていたので、被害に遭わないよう祈りを捧げ結界を張った。ここで注意しなければならないのは、土壌に影響を与えるような祈りはしないこと!
あくまでも害獣被害を受けないようにするのが目的。無駄に豊作するようになって、村民が怠惰になる事は避けなければならない。
あと、通りすがりの森では木の実がよく取れるように、祈りを捧げた。そもそも、森で食料を調達できないから、村を襲ってしまうのだから、森をなんとかすればよい。
それと、瘴気まみれの湖とか沼を見つけた時は祈りを捧げ、キレイな水になるようにしている。水が調達できなければ二進も三進もいかないから。
このようによく働いているので、貴族に会ったらぼったくる事、決定!
そんな中、ちょうど私のカモのような貴族が!
どうやら、足をくじいて困っているらしい。そんなのは村じゃ『放っておけば治る!』とか言うのに、大袈裟に、「私ももう死ぬかもしれない」とか言ってる。
死因:足をくじいたため。 って聞いたことないけど?情けないぞ。いいんだろうか?ま、治療しますよ。
「大丈夫ですか?私のような平民に言われるのは嫌でしょうか?」
「平民に心配されるとは…私も落ちぶれたな。やはり死期が…」
足をくじいて死なないってば!
「えー、私は一応教会より聖女認定を受けたものです。その傷、治療しましょうか?…やはり私が平民だから……」
悲し気に目を伏せがちに俯いてみる(演技)。ポール、笑いを堪えないでよ!私だって必死なんだから!
「そんな尊い方ならこっちから治療をお願いしたい!」
「私はボランティアではないですけどかまいませんか?」
「なんでもいいから、早くしてくれ!」
私はこの人の足がよくなるように祈った。ら、あっさり足は治った。当然だろう。ただくじいただけだし。
「報酬は……あなたにお任せしますわ。私の治療にどれだけど価値があったのか」
死ぬとか騒いでたけど?
「では、金貨を1枚」
セコくない?
「あなたは足をくじいて死にそうだったはずですが、命の恩人に金貨1枚ですか?」
「いくらなら妥当だろうか?」
「あなたは自分の命の値段を考えて下さい」
この貴族は自分に金貨1枚を残し、持っているだけのお金を全て私に渡してくれた。
「毎度アリ♡」
さて、このお金を持ってまた村に帰るかぁ。皆元気かなぁ?
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