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6.アビーの身元確認
しおりを挟む「すごい恥ずかしかったのよ。こうなるといつ本名を明かそうかしら?」
「そうよね?」
なにも証明するものないし。ベンが戦場で拾ってきたって事だもんなぁ。
戦場なら人違いって事もあり得るし……。
「何か自分を証明するものない?」
「常に身に着けてたロケット型のペンダントが……ない。戦場でおとしたのかしら?」
全くお手上げ状態。頼みの綱は、あの皇后さまの微笑み。イリスの正体をアビーと気づいてればいいんだけど。
******
「これ、戦場で拾ったのよ。この写真は王族?この王女様は確かアレーダ王国に嫁ぐ予定の人よね?私がこのロケットの写真を証拠に王太子さまと…」
「バカじゃねーの?ロケットの写真をよく見ろよ。王女様は金髪で緑眼。比べてお前は茶髪に茶色の瞳。すぐばれる。王族を騙ったって重罪だ」
「あー、このロケット上手く使えないかなぁ?」
戦場で拾った?
「ああ、俺も戦場で拾ってる。すんごいお宝を」
「出し惜しみしないで、見せなさいよ」
「今は、エリーが管理してる。あの家に行けば…」
「行けば?」
「俺が戦場で拾ったその王女様がいるんだよ!」
「え?マジで?このロケットの写真と王女様をセットでアレーダ王国の城に連れて行けば……」
「報償もの?」
「かもな?」
「「アハハハハハハ」」
二人はすでにあの家に二人がいないことを知らなかった。
皇太子様も皇后さまも気づいて(気づかないフリしてたけど)たので、エリーの家は厳重に警備していた。放火されることも考えられるから。
翌日、何も知らない二人はエリーの家を訪れた。
「何用だ?」
護衛の脅しで怯む二人。
「ココに住む、エリーの元夫でベンという。エリーに会いに来た」
「エリー嬢はここにはいない」
情報は簡単には渡さない。
「どこにいる?」
「貴殿が知る必要はない」
「元夫でもか?」
「元夫だからだ。赤の他人に個人情報を渡さない」
エリーは仕事として皇后さまの話し相手をしていた。
「皇后さまと二人で話をしたいから、メアリーは部屋を出てくれるかしら?」
「私からもお願いするわ」
「皇后さまに何かあったらエリーの責任です」
と言い残しメアリーは部屋を出た。
「皇后さま、気づいてらっしゃる?イリスのこと」
「何かしら?」
「イリスは本名はアビゲイル=テイジア。テイジア王国の王女です」
「証拠はあるのかしら?」
「それが…元夫が戦場で拾ってきたというだけで何も。っあ、二人に恋愛関係とかそういうのは全くないと聞きました。身元を証明するもの…ロケットをペンダントとして持っていたらしいんですけど、戦場で落としたのかな?失くしてしまったと聞きました」
「困ったわね。とはいえね、私も陛下も王太子もアビゲイルに会ったことはあるのよ。だから眼鏡で変装してたんでしょ?すぐわかったけど」
やっぱりわかるよねー。
「身元はまぁ、3人も本人だって言えば十分でしょう?」
国のトップが言えば十分です。
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