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6.最終話
しおりを挟む「おお、なんて神々しいんだ。我が娘、ロロよ。まるで昔のお前の母のよう。お前の母はなぁ、そこにいるだけで、発光しているように美しく―――」
「あの…お父様。そのお話はもう何千回と聞いていますから。本日はやめて下さい。時間もありませんし」
「そうか?」
そうです。はぁ、あの話を聞くのは長い!徹夜みたいになる。遅刻をしそうになったこともある。
「ロロ!ああ、今日は一段と美しい!お義父さんに聞いていたようだよ!」
オーディン様、あの長話を聞いたのですか?
「オーディン様。本日、この日を迎えるにあたって我々侍女達、全力で彼女を磨き上げた所存です」
「さすがだ。リリス侍女長」
はぁ?リリスって侍女長だったの?そんな偉い人が私についていたの?
そんなで結婚式や初夜も無事に終わり、なんと私に命が宿りました!
オーディン様曰くは「新婚をもっと味わいたかった」らしいですが、こればかりはどうにもなりませんね。諦めてもらうしか…。
妊娠中は侍女による磨き上げも中断です。
一般的なケアのみです。
一年後、ジル王国の跡継ぎとなる王子と王女の双子が誕生しました!
新婚さんがどうとか言っていたオーディン様ですが、子供達は可愛いらしく公務を片付けては顔を見にやってきます。
オーディン様に似た王子と私に似た王女です。
いっそのこと二人ともオーディン様に似ていれば美男美女間違いなしだったのに……。とか言うと、周りから「ロロ様にも似ているからこその愛らしさです!」と力説されます。
一番顕著なのは、陛下です。
元々砕けた方ではありましたが、赤ちゃん言葉を用いて話しかける姿はあまり多くの人の目に晒すわけにはいけません。
国王の威厳というものです。
国外追放されて、ジル王国に来てといろいろありましたが、今はとても幸せです。
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