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5.オーディン王太子の企み
しおりを挟む今日も侍女達が私を磨き上げてくれます。
どうやら私付きの侍女になったようです。5人も。
大抵2・3人なのになぁ。顔と名前の一致が大変そう。
「ロロ様!大変なのはこれからです!オーディン王太子様の婚約者として王太子妃教育を受けて頂きます!」
一応、アラン王太子の婚約者だった時にも王太子妃教育受けてたから、そんなにたいへんじゃないかなぁ?と思っていたのだが、甘かった……。
ジル王国はロール王国よりも領土がはるかに広く、覚えることもすべきことも非常に多く苦労しました。外国語に関しては大丈夫です。ロール王国時代とあまり変わらなかったので大丈夫です。大丈夫なのは、あとはマナーとダンスのみ!
その他はオーディン様が用意して下さった講師の方からスパルタ気味でビシバシと指導を受けました。
『厳しい王妃教育→疲労→侍女達によるマッサージと磨き上げ』 の繰り返しのような日々を送りました。
その成果か、どこに出しても恥ずかしくない王太子妃としてのロロ=ロワールが完成しました。
いろんなところに顔を出すことになりますがね。王妃の仕事といえば外交!
あ、因みに娘がこんなに苦労をしていたという中、お父様は庭師見習いとして宮廷の庭を楽しく(?)仕上げていたようです。
後から聞いたのですが、上下関係に厳しく先輩にしごかれていたそうです。
そっちはそっちで大変だったみたいです。
ロール王国は未だに『ヒールの高さがステータス』みたいな感じなので、令嬢達はこぞって高いヒールの靴を履いているようです。……靴擦れと戦いながら。
逞しい脚にもなっているんでしょうね。
何故、女性だけにこのようなことを強いるのでしょうか?不思議でなりません。なので、男性にも思い知ってもらうように細工を施しました。
ジル王国の諜報員の方に逆に情報を流していただきました。『男性は靴の底の厚さがステータスという話をだぞ。なんか昔話で聞いた。ヒールの方がインパクトがあるから、そっちだけ残ってるんじゃないかなぁ?昔話が変わってるんじゃないか?』と。
昔話どころか作り話なんですけど。
それからというもの、ロール王国では足首の捻挫をする方など男女を問わずに続出。最悪の場合、骨折をしている方もいるとか…。
その状況を重く見た陛下がやっと重い腰を上げて、「靴の底やヒールの高さなどでその家の格を測るなど、バカバカしい!」と一蹴したそうです。殿下が怪我でもしたんでしょうか?
「ハッハッハッ。やっと気づいたのか?自分たちの愚かさ。大体あの時にロロを助けなかったのがおかしいんだ。ヒールの高さが自分への想いを表す?愚かじゃないのか?中身が見えていないんだな」
結果としてはロール王国は衰退し(これまで蓄積した愚かさが原因)、ジル王国に吸収されることとなった。ロール王国の王太子はジル王国では平民として生活をしている(と思う)というのも、ジル王国に元・王族として口出しをされると鬱陶しいというのが理由だ。
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