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2話 修道院でのエリー
しおりを挟む修道院での生活は日々をダラダラ過ごしているようなThe貴族令嬢にはキツイと思う。けど…私は違うんだなぁ。
結構早く起きて、家庭菜園で使えそうな野菜を吟味。厨房に持って行き、そこで勤めるシェフたちと朝食で使えないかと相談。
昼間はお父様の補佐をする時もあれば、使用人の補佐をする時もある。
あぁ!そうかぁ!社交をしていないからメアリー=アールルード伯爵令嬢の事を全く知らないんだ。今だって、顔が思い浮かばないのも納得!
そんなだから、修道院でも私は全く苦痛ではない。
「この修道院内では『エリー』と名乗りなさい」と最初に言われたけど、親しい人は私を大抵エリーって呼ぶんだよなぁ。と思った。口に出さないでおこう。
修道院内では暇だったので、使用人の補佐をしていた時のように掃除をしたりしていると、院長にお褒め頂いたりした。
「エリーは他の貴族令嬢と違って最初から修道女としての心構えが出来ているみたいだわ。他の貴族令嬢は「どうしてこの私がこんな事をしなくちゃならないの?」とか喚くんだもの。困ったものよ」
それが普通なのか。修道院も大変なんだなぁ。
「なんだか、貴女みたいな人がどうして修道院に入る事になったのか不思議だわ」
……冤罪なんですけどね。
私は修道院での日々をごく普通に過ごした。
私を冤罪で陥れた。メアリー=アールルード伯爵令嬢としては悔しがって喚き散らして欲しかったんだろうなぁ。
数週間後、お父様から私が還俗するためにベリアル修道院への寄付がされた。
「エリーがいなくなるなんて、ここも寂しくなるわ」
「そうよね。併設してる孤児院にもエリーに懐いている子もたくさんいましたし」
それは悪いことをしたなぁ。
「申し訳ありませんが私にはすべきことがあるのです。家には実の弟も私の帰りを待っていますし」
「あら、それは引き止める方が無粋だわ」
「これからも元気で」
「貴女にご加護がありますように」
「皆様もお元気で。短い間でしたが、お世話になりました」
私はそうしてベリアル修道院を去りました。
私の今後の目的はもちろん冤罪を暴くこと!それに尽きます。なんとしてでも‘メアリー=アールルード伯爵令嬢’の企みを白日の下に!
久しぶりの我が家です。
「待ってたよ。エリスよ」
どの口が言うか!冤罪をなんとかしてよ。どう考えても冤罪でしょう?
「おかえりなさい。おねーさま。ぼく、いいこにしてたよ。しようにんのみんなもしょうげんしてくれるよ?」
くぅぅっ、可愛いなぁ。
「ただいまぁ、ローランド!」
ローランドを抱っこした。
「あれ?ちょっと重くなった?」
「ぼくだってせいちょうするんだから!いつまでもあかちゃんじゃないんだからねっ!」
ぷくっと頬を膨らましても可愛い。この子が男前に育つのかなぁ?
「お嬢様ぁ。御髪が……」
「ああ、修道女は切るんだって切られちゃった」
何人かの侍女は卒倒しちゃった。そこまで?
「お嬢様の御髪は見事なハニーブロンドで、手入れに力を入れていただけに無念です」
髪の毛だもん。また伸びるわよ~。
「エリス、髪の毛が伸びるまでお前は部屋にいろ」
お父様はそういうけど、私は冤罪を暴きたいんだー‼
「平民姿でフラフラするならいいでしょ?貴族令嬢として動くからNGなのよ」
私は力ずくで外出をもぎ取った。
お父様は当てにならない。
何としてでも私を冤罪に陥れた‘メアリー=アールルード伯爵令嬢’について調べるわよ!
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